プレミア価値がつくエラーコインとは?その種類や見分け方を解説
エラーコインとは、製造過程で生じた、いわば不良品の硬貨です。
あるべき穴がない、穴がズレているといった、さまざまなエラー状態が存在し、通常の硬貨とは異なる様相を呈しています。
そのような不良品であるエラーコインは、滅多にない不良品であるからこそ希少であり、コレクター心を動かし、プレミア価値がつけられることがあります。
本記事では、エラーコインの種類を中心に解説します。後半では、偽物のエラーコインに関してや売却先についても言及していますので参考にしてください。
ただし、エラーコインには、傷つけるなどして意図的にエラーを作った偽物も多く出回っています。そのため、写真だけでは本物のエラーであるかの判断が難しく、査定を受けるなら直接、店頭に持ち込んだほうが良い場合が多いです。
エラーコインにはプレミア価値がつくのか
エラーコインとは、製造過程で生じた異常により、通常とは異なる特徴を持つようになった硬貨を指します。
本来であれば、エラーコインは製造不良としてはじかれますが、検品を逃れて市中に流通するケースがあるのです。
エラーコインがひとたび市中に出回ると、そのユニークな見た目からコレクターの注目を集め、額面以上の価格で取引されることも珍しくありません。基本的に一点ものであるため、中には100万円を超える価格で取引されるものもあります。
エラーコインの価値はエラーの種類によっても変動します。例えば、50円玉の場合、穴ずれエラーよりも穴なしエラーの方が希少であり価値が高い傾向にあります。
また、発行年号によっても左右され、流通量が少ない年号のものは、同じ種類のエラーであってもより高価で取引されます。
また、紙幣のエラーについては「エラー紙幣の種類」の記事もご覧ください。
エラーコインの種類
エラーコインの主な種類は、以下の通りです。
- 穴なしエラー
- 穴ずれエラー
- 傾打エラー
- 刻印ずれエラー
- 陰打ちエラー
- 裏写りエラー
- ヘゲエラー
- 裁断エラー
それぞれ説明します。
穴なしエラー
穴なしエラーは、本来中央に穴が開いているはずの5円玉や50円玉などの硬貨で、製造過程のエラーにより穴が開いていない状態のものを指します。
穴なしエラーはエラーコインの中でも特に人気が高く、その価値は他のエラーコインと比較しても高い傾向にあります。
ただし、昭和24年以前の5円玉と昭和33年以前の50円玉は、元から穴がないデザインであるため、これらの年代のものは穴なしエラーとは考えられません。
このように穴なしエラーの硬貨は、その希少性や特異性から、コレクター間で高い評価を受けているのです。
穴ずれエラー
穴ズレエラーは、硬貨の製造過程で中央にあるべき穴が、本来の位置からズレてしまったエラーを指します。
5円玉や50円玉に見られる穴ずれエラーは、硬貨コレクターの間では比較的見つけやすいエラーとして知られ、エラーコインの代名詞的な存在ともいえます。
穴ずれエラーの価値を左右するのは、本来あるべき穴の位置からのズレの大きさです。ズレが大きいほど珍しさが増し、それに伴って価値も上がる傾向にあります。
傾打エラー
傾打エラーは、硬貨の表面または裏面のデザインが正しい角度からずれてしまっているエラーです。
硬貨の額面に関係なく見られ、角度ズレエラーとも呼ばれています。特に昭和40年代までに製造された10円玉において多く見られるとされています。
傾打エラーの価値を決めるのは、硬貨デザインの、本来の位置からの傾き度合いです。
傾打エラーは見た目にはわかりにくい場合が多く、意識していないと見過ごされがちなため、市場で流通していることも少なくありません。
100°以上など傾きの度合いが大きいほど、その希少性から高価で取引される傾向にあります。
刻印ずれエラー
刻印ずれエラーは、硬貨の製造過程で、硬貨のデザインが本来中央に配置されるべき位置からずれて刻印されてしまったエラーを指します。
打刻ずれエラー、あるいは単にずれエラーとも呼ばれ、硬貨の両面に見られます。なぜなら、硬貨のプレス工程は通常、表と裏が同時に行われるため、一方がズレると通常はもう一方もズレてしまうからです。
刻印ずれエラーは、デザインのずれ具合によってその価値が大きく異なります。ズレが大きければ大きいほど、その硬貨の希少性は高まり、それに伴い価値も上昇します。
刻印ずれエラーは市場にほとんど出回っていないため、希少価値が高いとされ、一部の硬貨では100万円を超える価格で取引されることもあります。
また、ズレて刻印された結果、硬貨に変形が生じることもあり、これがさらに希少性を高める要因となるようです。
陰打ちエラー
陰打ちエラーは、一方の面が正常に刻印されているのに対し、もう一方の面が左右反転しており、鏡像のようになっている状態を指します。
この現象は、一度プレスされた硬貨が何らかの理由で再度プレス機に入り、別の硬貨と重なった状態で再プレスされることによって発生します。その結果、陰打ちされた面は正常な面とは凹凸が逆の状態になるのです。
陰打ちエラーは、10円玉に見られることが多いとされています。陰打ちエラーの価値は、デザインが全体的に陰打ち状態になっているものほど上がりやすくなります。
反対に、陰打ちが一部に限定されているものや、刻印が薄いものは価値が低くなる傾向にあるようです。
裏写りエラー
裏写りエラーは、表面と裏面のデザインが重なるように刻印された状態を指します。
このエラーは、硬貨では特に明治銀貨や現行の10円玉などで見られ、紙幣においてもしばしば発見されます。
裏写りエラーが生じると、一方の面のデザインが他方の面に不適切に透けて見える形となり、不思議な外観が特徴的です。
裏写りエラーの価値は、裏写りの度合いによって大きく変わります。
部分的にしか裏写りしていないものよりも、デザインが全体的に重なって裏写りしているものの方が、その希少性と特異性から高い価値を持つとされています。
ヘゲエラー
ヘゲエラーは、硬貨の一部が衝撃や圧力によってめくれ上がったり、原料の塊が硬貨にくっついてしまったりする現象を指します。
このようにして形成されるエラーは、めくれ上がった部分が特徴的で、これがメクレエラーとも呼ばれることがあります。
ヘゲエラーは、小さいものであれば比較的よく見かけることがあるエラーです。ただ、市場での人気はそれほど高くありません。
特に平成時代以降に製造された硬貨には、このタイプのエラーはほとんど見られなくなりました。技術の進歩によって製造過程が改善されたためです。
裁断エラー
裁断エラーは、金属板からコインのベースを打ち抜く際に発生するエラーです。
硬貨の必要部分が適切に切り落とされなかったり、一部が不適切に削れたりすることにより生じます。特に硬貨の端にクリップ(はさみ)のような痕が残っている場合、これはリムクリップエラーとも呼ばれ、硬貨の端が不完全な形状をしているのが特徴です。
裁断エラーの価値は、裁断されている部分の大きさや形状によって異なります。一般的に、より大きな部分が切り落とされている硬貨ほど価値が高くなることがあります。
しかし、このタイプのエラーは他のより目立つエラーと比較して知名度が低く、見た目の魅力に乏しいため、コレクターの間でもあまり人気が高いわけではありません。
また、後から加工して作られたものとの区別が難しいため、裁断エラーの硬貨は専門の鑑定会社による認定を受けているものが好まれる傾向にあるといえます。
よりプレミア価値が上がるエラーコイン
以下のエラーコインは、他のものよりさらに価値が高まりやすくなります。
新しい年号である
製造技術の進歩により、新しい年号においてエラーコインの発生率は低下しています。
製造技術の向上と品質管理の厳格化により、特に昭和40年以降、エラーコインの流通量は顕著に少なくなっているのです。そのため、新しい年号のエラーコインは非常に希少価値が高くなります。
このような希少性は、新しい年号のエラーコインの買取金額に直結しています。エラーコイン市場においては、新しい年号のものほど高価で取引される傾向があるのです。
コレクターや投資家からすると、新しい年号のエラーコインは、珍しいコレクションとして、または将来価値が上がる可能性がある投資として、に魅力的なアイテムとなっています。
一般用に製造されなかった年号である
一般流通用の硬貨が製造されなかった年のエラーコインは、特に高い希少価値を持っています。
これは、その年に一般向けとしては硬貨は未発行であったことから市場に出回る硬貨の数自体が非常に限られており、希少価値がより高まるからです。
実際に流通している硬貨は、貨幣セットなど特定の目的のために限定生産されたものだけであり、このような硬貨は一般には手に入りにくいものです。
例えば、昭和62年の50円硬貨のように、特定の年における硬貨は、一般流通用のものが製造されていないため、その年に関連するエラーコインは普通の硬貨よりもはるかに高い価値を持つことになります。
エラーコインの売却先
エラーコインの売却先には、オークションやフリマサイトと、買取業者が考えられます。
オークションやフリマサイト
エラーコインを売却するひとつの手段として、オークションやフリマサイトがあります。
オークションやフリマサイトでの売却には、自分の希望する価格で出品できること、PCやスマホを使用して手軽に取引できることなど、多くのメリットがあるといえるでしょう。
しかし、この方法にはデメリットも存在します。
そもそも、PC操作やスマートフォン操作に不慣れな場合、出品自体が難しく感じるかもしれません。また、取引の全過程を自分自身で管理する必要があるため、クレーム対応なども自己責任となります。さらに、出品や売却時には手数料が発生することも頭に入れておく必要があります。
最も注意すべき点は、自分でエラーコインと判断し、査定を受けずに出品した場合です。
このような状況では、取引後に偽物としてクレームが発生する可能性があります。また、硬貨の加工が法律で禁止されているため、加工された硬貨を売却すること自体が法的な問題を引き起こす可能性があることも忘れてはなりません。
したがって、エラーコインをオークションやフリマサイトで売却する際には、これらの点を慎重に考慮することが重要です。
買取業者
買取専門店を利用する最大のメリットは、対面で直接査定してもらえることにあります。そのため取引に関する不安や疑問を直接解消することができ、安心感を持って売却手続きを進めることができます。
また、査定後には現金で即時に買取が行われるため、急ぎで現金化をしたい場合にも便利です。
一方で、買取専門店を利用する場合のデメリットとしては、自宅近くに店舗がない場合には遠方まで足を運ぶ必要があることが挙げられます。
しかし、最近では家まで出張して査定・買取を行うサービスを提供している業者も増えており、店舗が近くにない場合でも利用が可能になっています。
まとめ
エラーコインの種類について詳しく説明しました。
どのようなエラーが存在するのか知っておけば、今後硬貨を手にするたび、その硬貨にエラーが潜んでいないかと確かめる楽しみができるかもしれません。
そして、もしエラーコインを発見したら、その適正な価値を知るために査定をご利用ください。
自分だけでは客観的な価値や、本物であるかどうか判断をすることが容易ではないでしょう。
そんなときは、うるココにご相談ください。うるココでは、珍しい硬貨や古銭買取が可能です。「PCGS」もしくは「NGC」の鑑定書があれば、高い確率で高額査定・買取が期待できます。
出張買取なら、ご自宅で買取希望のアイテムを用意して待っておいていただくだけです。店舗に足を運ぶ必要も、価値あるアイテムを紛失リスクにさらす必要も、ありません。
ぜひ、お待ちしております。