コインの磨き方を解説!古銭は洗い方を知らないと価値を下げるので要注意
発行年が新しくキラキラと光る硬貨は、見ていて気持ちが良いものです。まだ黒ずんでいない10円硬貨など、同じ10円硬貨かと思うほど光を反射し、使うのがもったいなく思えてしまいます。
また、記念硬貨や古銭、アンティークコインなども、磨いて綺麗にしておいたほうがより価値が上がりそうに思えます。しかし、コイン磨きには注意が必要です。
コインを磨いたり洗浄したりする過程でコインを傷つけ、逆に価値を落としてしまうリスクがあります。
そこで、本記事ではコインの磨き方について解説します。後半では、コインの保管方法についても言及しました。
これからコインを磨く準備を始めようとしていた人は、参考にしてください。
コイン磨きや洗浄は法的に問題ない?
コイン(硬貨)を洗浄し、表面を削ったり溶かしたりして損傷を加えると、違法となることがあります。
これは、硬貨や紙幣が個人の所有物ではなく、国から一時的に貸与されているものと考えられているためです。
お酢などに硬貨を浸すことが貨幣としての機能を損なわず、硬貨がその後も通貨として使用可能であれば、それは法的に損傷とは見なされないかもしれません。
しかし、このような処理が硬貨の表面を変化させる場合、それは禁止される行為と見なされる可能性があります。
コインの磨き方
コインの磨き方には、以下のような方法があります。
- お酢を使う
- 重曹を使う
- 歯磨き粉で磨く
- 研磨剤で磨く
それぞれ説明します。
お酢を使う
お酢を使用してコインを磨く場合は、小皿に穀物酢や調味酢を入れ、その中にコインを5分から10分程度浸してください。特に酸化により錆びた銅貨は、お酢と化学反応を起こし、効果的に汚れを落とせます。
銅貨の刻印やフチの部分の汚れも、銅のコインを完全に酢に浸すことで残りにくくなります。
ただし、コインの汚れが酷くても、お酢に浸しすぎるとコイン自体が酸化することも考えられるため、注意しましょう。お酢に浸した後は、コインを取り出して乾いた布で磨けば、元の輝きを取り戻すことができます。
重曹を使う
コインを磨く別の方法として、重曹を使用する方法があります。重曹と水を混ぜ合わせたものを使い、指や歯ブラシなどで磨く方法です。
具体的には、大さじ2杯の重曹に大さじ1杯の水を加えて混ぜ合わせ、汚れ部分を優しく磨きます。この方法は、銅貨や銀貨に付着した黒ずみやサビを落とすのに効果的です。
磨き終えたらコインを流水でよく洗い流し、重曹の残留物を取り除きましょう。
洗浄後は、コインを乾いた布でしっかりと拭き上げます。この時点で水滴が残っていると、新しい錆びが発生する可能性があるため、水滴が残らないようにすることが肝心です。
歯磨き粉で磨く
歯磨き粉もコイン磨きに使用できます。自宅にある歯磨き粉を直接コインに塗り、毛が柔らかめの歯ブラシを使用して汚れを磨き落とします。
歯磨き粉には研磨剤が含まれているため、これがコインの汚れやくすみに効果的に作用するのです。
ただし、汚れの程度によっては、歯磨き粉を使用しても完全に汚れが落ちないことがあるため、コイン磨きに時間がかかることもあります。
コインや古銭を洗うのはマイナス査定
コインや古銭の洗い方で上記のようによく紹介されている方法で洗うと、綺麗にはなります。
ただ、コインや古銭価値を下げることにもなりかねません。
コインや古銭は「手が加わっていないこと」が大切で、洗うことは綺麗にはなっても、コインや古銭の価値を下げてしまうことになるのです。
つまり、コインや古銭は汚れていても、何もしないことが買取や査定においては一番なのです。
コイン磨きの注意点
コイン磨きの注意点として、以下について説明します。
- 塩素系漂白剤の使用は控える
- 素材に合わせた洗剤を使う
- 磨く際に力を入れすぎない
予期せずコインの価値を落としてしまわないよう、これらに注意してください。
また、コインの磨き方の関連として古銭の洗い方もご覧ください。
塩素系漂白剤の使用は控える
コインの汚れを落とすために塩素系漂白剤を使用する方法が紹介されることがありますが、この方法は避けるのが無難です。
確かに即効性があるため、コインコレクターたちが塩素系漂白剤を使用することがありますが、多くのメーカーでは、ステンレスを除く金属製品へ塩素系漂白剤を使用することをNGとしています。
実際、白銅製の100円玉が、塩素系漂白剤を使用した後に、さらに黒く変色する事例なども報告されています。
このような変色はは、塩素が金属の表面と反応し、予期せぬ化学変化を引き起こした結果です。そのため、コインの保存状態や、プレミア価値を正確に保ちたい場合は、塩素系漂白剤の使用は避けたほうが良いでしょう。
素材に合わせた洗剤を使う
コインにはさまざまな素材があるため、各素材に適した洗浄方法を選ぶことが大切です。
例えば、先述の通り、塩素系漂白剤は一部のコインを早くきれいにすることができるかもしれませんが、強力な洗浄力が逆にコインを変色させたり、損傷させたりする恐れがあります。
そのため、硬貨を洗浄する際は、使用する素材に適した洗剤を選ぶ必要があるのです。
磨く際に力を入れすぎない
硬貨を磨く際には、力の入れ過ぎにも注意が必要です。
これは過度の力を加えると、硬貨が削れたり傷ついたりすることがあるためで、硬貨の価値を大きく低下させてしまいます。
さらに、硬貨を意図せず傷を付けた場合でも法的に問題となり、貨幣損傷等取締法違反に問われることもあります。
コインの適切な保管方法
磨き上げて綺麗な状態になったコインは、正しい方法で保管しておきましょう。
- 専用ケースに入れておく
- 素手で触らない
- やわらかい布でやさしく拭く
いずれも簡単かつ
専用ケースに入れておく
価値あるコインの保管の基本は、専用ケースやコインホルダーに入れておくことです。
コインは金、銀、銅、鉄、ニッケルなどさまざまな素材で作られており、これらの金属が空気に長時間触れると酸化を起こしやすくなります。
そこで、専用ケースに入れて密閉保存することにより、空気との接触を最小限に抑え、コインの酸化を防ぐことができるのです。
また、コインは直射日光によっても変色することがあります。そのため、コインを専用ケースに入れた上で、さらに直射日光の当たらない場所で保管するようにしましょう。
日光が当たらない冷暗所は、コインの色や光沢を長期間保つのに理想的です。
このように、専用ケースに入れ、直射日光を避けた場所で保管されたコインは、発行当時の状態を保持し、本来の価値を損なわずに済むでしょう。
金貨の保管方法も参考にしてください。
素手で触らない
コレクション目的や価値の高いコインに触れる際は、清潔な手袋を着用するようにしましょう。
素手でコインに触れると、酸、塩分、湿気などがコインに付着し、緑青と呼ばれる変色を引き起こす可能性があります。
また、素手で触ることにより、意図せずコインを傷つけてしまうことも懸念されます。
このように、コインに触れるときは、素手で直接手に取ることを避け、手袋を使用します。特定の手袋をコイン用に決めて使用すると便利でしょう。
やわらかい布でやさしく拭く
コインに汚れやほこりが付着した場合には、まずやわらかい布をで軽く拭き取るようにしましょう。
硬いブラシや強力な洗剤を安易に使用するのは避けます。
日常のメンテナンスとして、やわらかい布でコインを拭くことは、コインに頑固な汚れが付着するのを未然に防ぐ効果も期待できます。
まとめ
コインの磨き方について解説しました。
価値ある硬貨、古銭、アンティークコインなどは、やわらかい布で拭くなど定期的なお手入れ以外は、そのままの状態にしておくのがよいでしょう。
故意に人の手が加えられたことがわかると、買取価格が下がってしまう可能性があります。
汚れや錆びなどが気になる場合、自分で磨こうとするより、より状態が悪くなる前に査定依頼をするのがおすすめです。
既にコインを磨いてしまい、価値に変化はないかと心配な人も、査定してもらって客観的な価値を判断してもらうと安心できるでしょう。
うるココでは、古銭買取を行っています。専門知識のある査定員がコインの価値を査定いたしますので、お気軽にご相談ください。