古い切手の価値はどう決まる?プレミアのつく日本・中国・外国切手も紹介
切手収集は、当時の歴史や文化に触れながら楽しめる趣味として、長い間多くの人に愛されてきました。1960年代の切手ブーム時代に集めた切手をお持ちの人もいるでしょう。
古い切手やプレミア切手をお持ちの人にとって、そのような切手は単なるコレクションを超えた貴重な資産であることをご存知でしょうか?実は、あなたの切手コレクションが思いもよらない高値で取引される可能性があるのです。
しかし、その価値を最大限に引き出すためには、正しい知識が必要です。
この記事では、まず切手の価値がどのように決まるのかを説明し、次にプレミアのつく代表的な日本切手・中国切手・外国切手について紹介します。最後には、高く売るためのコツも詳しく解説しています。
切手のコレクターから、手放そうかどうか迷っている人まで、ぜひご一読ください。
古い切手の価値はどう決まる
一般的に古い切手は、発行枚数が限定されており、保存状態が良いものほど価値が高くなります。また、特定の時期にのみ発行された記念切手・特殊切手もコレクター需要があり、高く売れやすいです。
さらに、意外に感じられるかもしれませんが、使用済みの切手にも価値が認められます。
このように、古い切手の価値がどう決まるかについて解説します。
発行枚数が少ない
発行枚数が限られていると希少性が高まり、切手の価値が上がります。希少な切手はレアな切手を手に入れようとするコレクターや投資家からの需要が高まり、市場価値が高くなるのです。
また、切手特有の性質が発行枚数の少なさに、さらに拍車をかけると考えられます。切手は小さな紙でできているため、紛失や損傷により時間が経過すると、その数がさらに減る可能性が高まります。
このような切手の希少性が、その価値を高める大きな要因なのです。
保存状態が良い
切手は保存状態が良く、色褪せや折れ、破れ、汚れがなく、未使用の状態であることがその価値を高めます。
長期間にわたって良好な状態を保つためには、切手アルバムやストックブックなどに入れておくと効果的です。そうすれば、直射日光による色褪せ・変色を避けつつ、折れ、破れなどの物理的な損傷も防げ、また汚れも付着しなくなります。
また、紙が劣化しないように温度・湿度が安定した場所に保管し、必要に応じて防虫対策も施すと良いでしょう。
記念切手・特殊切手
記念切手や特殊切手は、特定のイベントに際して限定して発行されるため希少価値が高まりやすく、切手の種類によっては高い価値を持ちます。
記念切手は、オリンピックのような国家的行事の際に発行されるものなどが該当し、保存状態が良ければ高値で売れることもあります。天皇陛下記念切手なども、人気が高い切手のひとつです。
特殊切手は、記念切手と同じく一定枚数が発行され、特定のテーマでシリーズ化したものや、アニメのキャラクターものなどがあります。
使用済み切手も売れる
使用済み切手でも、歴史的な出来事や著名人を記念して発行されたものは、高い価値が認められることがあります。一般的に未使用の切手より価値は劣るとされますが、保存状態が良ければ、一定の価格で売れます。
使用済み切手とは消印がついた切手を指し、当然のことながら、はがきなどに貼って使用することはできません。しかし、特定の場所・時期にのみ使用された消印は、消印そのものが価値を持つことがあります。
レアな切手があるように、レアな消印も存在し、この相乗効果で高い価値がつくこともあるのです。
使用済み切手が売れる理由については、関連記事も参考にしてください。
プレミア価値がつく古い日本の切手
日本の切手で価値が高いプレミア切手として知られるのが、以下のようなものです。
- 見返り美人切手
- 月に雁切手
- 天皇陛下記念切手
- オリンピック記念切手
1960年代の切手ブームからいずれかを持っている人も
見返り美人切手
見返り美人切手は、江戸時代の浮世絵師・菱川師宣によって描かれた見返り美人図をモチーフにした切手で、1948年に発行されました。収集用としてコレクター向けに切手を発行する「切手趣味週間」シリーズとして登場し、通常よりも大きなサイズで作られているのが特徴です。
当時、印刷技術が今ほど発達していなかったため茶色一色で印刷されていますが、そのことがむしろ、当時の歴史を反映し、レトロな味わいを深めています。発行から数日間で完売するほど絶大な人気を博し、現在でも一定の需要がある切手です。
見返り美人切手には、以下のような3種類が存在しています。
発行年 | 額面 | 図柄 |
1948年 | 5円 | 茶色一色 |
1991年 | 62円 | カラー |
1996年 | 80円 | 単色・カラー |
また、2001年にも「日本国際切手展2001記念郵便切手(タブ付き)」として上半身の見返り美人が採用され、2021年にも郵便創業150年切手帳として「月に雁」とセットになった見返り美人切手が発行されました。
参考:郵便局「切手タイムズVol.16 日本国際切手展2021」
最も価値が高いとされているのは初年度の1948年に発行されたもので、バラでも高価買取が期待できます。
月に雁切手
「月に雁(つきにかり)」は見返り美人切手に続き、1949年に発行されました。見返り美人を採用した浮世絵の図案が好評だったことからそれに続いて採用されたのが、歌川広重(安藤広重)の「月に雁」でした。
こちらの切手も発行当初から大変な人気があり、発行日には郵便局に大勢の人が押し寄せました。国内はもとより海外からの注目度も高く、現在でもプレミア切手の代表格として高い需要があります。
額面は8円のみです。
天皇陛下記念切手
天皇陛下の成婚や即位を記念して発行されるのが、天皇陛下記念切手です。比較的最近に発行されたものは発行枚数も多く、それほど高い価値はつきませんが、切手ブーム前の1955年よりも以前に発行されたものは発行枚数が少ない傾向にあり、希少性が高くなります。
特に価値が高い天皇陛下記念切手には、以下のようなものがあります。
- 明治天皇銀婚記念
- 皇太子御帰朝切手
- 裕仁立太子記念切手
明治天皇銀婚記念は、日本で最初の記念切手として知られ、1894年に明治天皇・皇后のご結婚25周年を記念して発行されました。
皇太子御帰朝切手は、1921年、後の昭和天皇・裕仁皇太子がヨーロッパから帰国されたことを記念して発行された切手です。当時は皇族が外国を訪れるのは珍しいことであり、前代未聞の出来事だったのです。
裕仁立太子記念切手は、1916年に昭和天皇になる裕仁様が『立太子の礼』を受けられたことを記念して発行されました。
オリンピック記念切手
オリンピック記念切手は、オリンピック開催を記念して発行される記念切手です。その中でも国内で価値が高いのは、日本開催となった下記の切手です。
- 東京オリンピック記念切手
- 札幌オリンピック記念切手
- 長野オリンピック記念切手
東京オリンピックが開催された1964年には、既に切手ブームが始まっていたため、東京オリンピック記念切手は数多く発行されました。発行枚数が多かったため現存するものも多く、額面以上の価値にならないことも多いです。
プレミア価値がつくの古い中国切手
プレミアのつく中国切手としてまず押さえておきたいのが、以下の3つです。
- 赤猿切手
- オオパンダ切手
- 毛沢東切手
これらについて解説します。
赤猿切手
赤猿切手は、赤い背景に子猿がデザインされた切手で、数ある中国切手の中でも最も価値が高いとされています。
1980年に中国十二支切手シリーズの第1弾として発行され、中国国内のみならず、世界中の切手コレクターが追い求める切手となりました。
子猿には金粉がまぶされており、これが美しいと話題になった要因のひとつです。そのため、金粉が残っているほど状態の良い赤猿切手であれば、高価買取が期待できるでしょう。
オオパンダ切手
オオパンダ切手は、赤猿切手とならぶ代表的な中国切手であり、水墨で描いたパンダの図案が採用されています。
1963年の第1次、1973年の第2次と2回発行されましたが、当時は文化大革命で切手収集が禁じられていたため、現存している数が少なく、希少価値が高いとされています。
オオパンダ切手は赤猿切手に次いで人気の高い切手であり、特に1960年代に発行された第1次のものはより発行枚数が少なく、買取価格は高くなる可能性が高いです。
毛沢東切手
毛沢東がモチーフとして採用された中国切手は、多数あります。その中でも価値が高いのは、1966年に始まる文化大革命より以前の切手です。
先述した通り、文化大革命では収集目的で切手を購入することが禁じられ、古い中国切手はそのほとんどが破棄されました。そのため、文化大革命より以前に発行された中国切手の現存数が少なく、より価値が高くなっているのです。
毛沢東をモチーフにした切手には、以下のようなものがあります。
- 毛沢東の長寿を祝う切手
- 毛主席の最新指示切手
- 毛主席の長寿をたたえる切手
1967年に発行された「毛沢東の長寿を祝う切手」は11種類ありますが、そのうち10種類は毛沢東の語録のみが記された珍しい意匠になっています。
「毛主席の最新指示切手」は1968年に発行され、毛沢東の肖像と、その下にメッセージが書かれたメッセージカードのようなデザインが特徴です。
「毛主席の長寿をたたえる切手」は、毛沢東の全盛期である1967年に第1次と第2次が発行され、全8種類あります。
プレミア価値がつく古い外国切手
プレミア価値がつく外国切手として紹介するのが、ペニー・ブラックとペンス・ブルーです。
ペニー・ブラック
ペニー・ブラックは、1840年イギリスで発行された切手で、世界初の切手として有名です。イギリスのヴィクトリア女王の横顔がデザインされており、額面は1ペニーです。
当初、その名の通り背景色が黒い切手であるペニー・ブラックの消印には、赤色が使用されていました。しかし、この赤い消印は、石鹸で水洗いすると洗い落とせてしまうことが判明しましたため、1841年からは切手を赤色にして消印は黒に改められました。この赤い切手はペニー・レッドと呼ばれています。
このペニー・レッドが発行される直前、不足分を補うために急きょペニー・ブラックを増刷する必要が生じ、緊急でペニーブラック第11版が発行されました。
ペニー・ブラックは、未使用であれば10万円以上、さらに保存状態が良いものなら30万円以上の価値となることがありますが、ペニーブラック第11版ならより希少性が高く、ペニー・ブラックの中で最も高額で取引されています。
ペンス・ブルー
ペンス・ブルーは、1840年ペニー・ブラックとほぼ同時期に発行された、世界で2番目となる切手です。ペンス・ブルーにもペニー・ブラックと同じく、ヴィクトリア女王の肖像画が描かれており、額面は2ペンスです。
ペンス・ブルーには、チェックレターと呼ばれるナンバーが印字され、これは偽造防止の役割を果たしています。切手の用紙にもすかしが入ったものを使用するなど、偽造防止のための高い技術が集約されています。
ペンス・ブルーの希少性は、ペニー・ブラックよりも高く、未使用品であれば10万円以上の価値がつくプレミア切手です。
古い切手を高く売るコツ
切手を高く売るコツとして、以下の5つを紹介します。
- シート切手はそのままにしておく
- バラ切手は仕分けをしておく
- 劣化しないうちに早く売る
- まとめて売る
- プレミア切手は買取業者を利用する
では、切手を少しでも高く売る方法、またその価値を下げない方法について説明します。
シート切手はそのままにしておく
切手がシートで残っている場合、切り離してバラの状態にすると買取価格が下がることがあるため、シートのままにしておきましょう。
切手は通常、個別に購入することが多いため、バラの切手は市場に多く出回っています。一方で、シートの状態で残っている切手は希少で、コレクターにとって高い価値を持ちます。
また、切手シートにはシートの余白部分などに特定の記念やイベントを表現するデザインが施されていることが多く、シート全体が完成されたひとつの作品として評価されやすくなるのも、シート切手が高価買取される理由のひとつです。
バラ切手は仕分けをしておく
バラ切手の買取では、仕分けが求められることがあります。切手の仕分けとは、例えば、額面が同じ切手はひとまとめにして袋に入れる、切手の数が多い場合は50枚ごとに袋に分ける、切って専用の台紙に貼り付ける、といったものです。
このような切手の仕分け方法は買取業者ごとに特定の方法が指定されていることが多く、仕分けをしていない切手は買い取ってもらえないこともあります。そのため、事前に利用しようと思っている公式サイトで確認することが必要です。
劣化しないうちに早く売る
切手は紙で作られているため、時間の経過とともに劣化する傾向があります。変色、破れ、折れなどは切手の価値を大幅に下げてしまうため、なるべく早い段階で売却することがおすすめです。
変色は、切手が日光や蛍光灯の光に長時間さらされることによって起こります。特に紫外線は紙の色を変え、切手の見た目を損ないます。
また、紙は湿気に弱く、湿気が原因でカビが生えたり、紙の繊維が弱くなったりすることがあり、そのために切手が破れや折れが生じやすくなることにも注意が必要です。
さらに、切手は小さくて扱いにくいため、紛失のリスクも高いです。コレクションの一部が紛失するだけでも、全体の価値に大きな影響を与えることがあります。
以上のように、切手をコレクションとして長期保管する予定がないなら、早めに売るのが良いでしょう。
まとめて売る
バラ切手が大量にある場合、まとめて売ることで買取額がアップすることがあります。特に、同じ種類やテーマの切手が多くある場合、それらをまとめて売ることで、コレクターにとっての価値が高まるため買取価格が上がる可能性があります。
バラ切手をまとめて売る際には、同じ種類やシリーズの切手を一定数ずつ束ねて整理する方法が有効です。これにより、買取業者が切手の種類や状態を簡単に確認できるため、査定がスムーズに進みます。
また、買取業者によっては、切手をまとめるための専用の台紙やフォルダーを用意していることがあります。そのため、切手を売る前に、買取業者に専用の台紙があるかどうかを確認しましょう。
プレミア切手は買取業者を利用する
プレミア切手の売却は、切手を取り扱っている買取専門業者に依頼することが最もおすすめです。その理由は、買取専門業者が切手の買取に関するプロフェッショナルであり、切手の希少価値や歴史的価値、状態を正確に評価し、それを査定額に反映することができるからです。
実際に、前述したオリンピック記念切手5シート分が、ある金券ショップでは2,500円の買取額だった一方で、買取業者では2万円を超える買取額になった例もあります。つまり、買取額に10倍近くの差が出たのです。
このように、プレミア切手は額面以上の価値を持つことが多く、単に金券としての価値だけでなく、コレクター市場において高い評価を受けることがあります。
切手が額面以上の価値となるのは、切手が発行された背景や歴史的意義、発行枚数の少なさ、そして切手そのものの保存状態など、さまざまな要素がその価値を決定するためです。
買取専門業者は、こうした切手の持つ多面的な価値を正確に見極める知識・経験を持っています。市場の動向やコレクターのニーズにも精通しているため、切手が持つ真の価値を理解し、それに見合った査定額の提示ができます。
そのため、額面以上の価格で切手を売却することが可能となるのです。
まとめ:切手買取ならうるココにご相談ください
切手の価値は、その発行枚数や保存状態、さらには歴史的な背景や希少性によって大きく左右されます。
特にプレミア切手や古い切手をお持ちの人にとって、その価値を最大限に引き出すためには、切手の専門知識を持つ買取業者に依頼することを強くおすすめします。
うるココでは、切手買取のプロフェッショナルとして、長年の経験と豊富な知識をもとに、切手一枚一枚の価値を正確に評価します。
希少価値のある切手やコレクターズアイテムとしての切手も、適正な価格で査定いたしますので、安心してお任せください。
切手の売却をお考えの方はぜひ、うるココにご相談ください。査定から買取まで、丁寧で迅速なサービスを提供し、お客様の大切な切手を最も高い価値で買い取らせていただきます。