遺品整理はいつから始める？節目となりやすいタイミングについて解説
遺品整理では故人の思い出の品を処分する必要があり、一歩踏み出すのに勇気が必要な作業といえます。
しかし、現実的には少なくない時間・費用を要することもあり、いつまでも放っておくことはできません。
本記事では、遺品整理はいつから始めるのが適切かを中心に解説します。記事の後半では、遺品整理を自分で行う際や遺品整理業者に依頼する場合のポイントについても説明しているため、参考にしてください。
遺品整理を始めることで自然と心の整理も進むでしょう。
遺品整理はいつから始める？
遺品整理に決まったタイミングはありません。身近な家族が亡くなった哀しみから、なかなか手が付けられない場合もあるでしょう。
ここでは、遺品整理を行う際に節目となりやすいタイミングを紹介します。
葬儀が終わった直後
遺品整理の最も早いタイミングは、葬儀の直後に開始するケースです。一般的に、故人が亡くなった翌日に通夜、翌々日に葬儀・告別式が行われますが、これに引き続いて遺品整理を行う段取りとなります。
また、故人が亡くなってから7日以内に、市区町村に対して死亡届を提出する必要があり、この手続きが終了した直後と考えてもよいでしょう。
特に、故人が賃貸物件に居住していた場合、遺品整理は早い段階で進める必要があります。故人の死亡後も賃貸契約は続き、毎月家賃が発生するため、退去に向けた早急な対応が求められます。
葬儀は故人の親族が集まる良い機会であり、このタイミングで遺品整理を始められるとスムーズです。
公的手続きが終わってから
親などの家族が亡くなった際、いくつかの公的手続きが必要となります。
| 必要な手続き | 期限 |
|---|---|
| 年金受給停止 | 国民年金：死亡後14日以内厚生年金：死亡後10日以内 |
| 健康保険の資格喪失届 | 国民健康保険や後期高齢者医療制度：死亡後14日以内健康保険：死亡後5日以内 |
| 介護保険資格喪失届 | 死亡後14日以内 |
| 住民票の世帯主変更届 | 死亡後14日以内 |
年金受給停止には「年金受給権者死亡届（報告書）」の提出が必要ですが、個人番号（マイナンバー）が収録されている場合は省略できます。役所に提出した死亡届の情報が年金事務所に共有されるためです。
また、住民票の世帯主変更届は故人が世帯主であり、同居人が新たに世帯主となる場合に必要な手続きです。故人の死亡後14日以内に手続きが必要であり、遅れてしまうと理由によっては過料が課されるため注意しましょう。
四十九日法要が終わってから
「四十九日（しじゅうくにち）」とは、故人が亡くなった日を1日目として49日目までの期間を指します。四十九日法要は、亡くなってあの世にいった故人が極楽浄土へ行けることを祈って執り行うものです。
四十九日法要では故人を弔うとともに、親族が集まり、遺品について相談する機会となります。各種の手続きも一段落して落ち着き始め、遺品整理に適したタイミングです。
この日までに遺品を整理しておけば、遺品についての相談や形見分けなどもスムーズに行えるでしょう。
相続税の申告期限まで
故人が残した遺産が相続税の非課税額を超えていると、相続人には相続税が課されます。遺産の総額が3,600万円以下なら無税です。
相続税の申告・納税は、故人が死亡してから10か月以内に行われる必要があります。この期限を過ぎてしまうと延滞税などのペナルティが課される場合があるため、注意しなければなりません。
相続税の算出には、まず遺品整理を行い、故人の資産の評価総額を把握する必要があります。遺品の中から銀行通帳や保険・不動産などの書類を探しておきましょう。また、貴金属や骨董品などは査定が必要になる場合もあります。
相続税の申告期限に間に合うよう、余裕を持って数か月前から遺品整理を済ませておくことが大切です。
気持ちの整理がついてから
遺品整理を進めようと思っても、故人との思い出が溢れ、作業を進めるのが難しい場合もあるでしょう。感情に左右されては、適切に遺品整理を進めることができません。
そのため、気持ちの整理がついたタイミングで遺品整理に取り掛かるのも良いでしょう。
ただし、故人の死亡から時間が経ちすぎると、必要なものと不必要なものが分からなくなり、仕分けが難しくなることも考えられます。すぐに遺品整理ができない場合でも「3か月後まで」「6か月後まで」など目安としての期限を決めておくと効果的です。
遺品整理を自分で行う際のポイント
遺品整理を自分で行う際は、スケジュールを決め、遺品を分類することが必要です。
スケジュールを決める
遺品整理には時間がかかると認識し、スケジュールを立てて取り組むことが重要です。まずは、「いつまでに完了させるか」といった目安を設定しましょう。
遺品の分量や遺品整理に関わる人数によっても異なるため、無理のないスケジュールで計画を立てるのが肝心です。
遺品の分類をする
遺品は主に以下のように分類し、カテゴリーに応じた処分をするようにします。
- 貴重品
- 形見
- 買取・回収できるもの
- 廃棄するもの
貴重品とは、銀行通帳やクレジットカード、土地の権利書などが該当します。また、年金手帳、健康保険証、有価証券、貴金属など価値の高いものも含まれます。
形見とは、写真や手紙、身につけていたアクセサリー、趣味で集めていたコレクションなど、故人の思い出の物品が該当します。高価なものも含まれる可能性があり、財産相続にも関わるため専門家に相談するのが良いでしょう。
買取・回収できるものとは、代表的なものが家具・家具で、その他に衣類、古本なども該当します。これらは買取できる場合があり、買取ができなくてもNPO法人などに寄付ができるものです。買取業者によって買取品目や条件に違いがあるため、買取業者で取扱いがあるか、査定できるかを相談してみると良いでしょう。
廃棄するものとは、燃えるゴミ・燃えないゴミ・粗大ゴミなどに分類できるものです。粗大ゴミは自治体ごとにルールがあるため、確認しましょう。
遺品整理業者に依頼する際のポイント
遺品整理業者を利用する場合は、以下の点を押さえておきましょう
見積もりが明確である業者を選ぶ
遺品整理業者の料金設定は業者ごとにバラつきがあり、統一されたルールがありません。どのような作業にいくら費用が必要なのかという見積もりが明確である業者を選びましょう。
業者の中には見積もり段階では安価な料金を示しておきながら、遺品整理の当日に高額な追加料金を請求してくる事例などもあります。
遺品整理は頻繁に行うものではないため、慣れていないことがほとんどです。そのような弱みにつけこんでくる悪徳業者には十分に注意しましょう。
買取業者を併用する
遺品整理では多くの不用品を処分することになりますが、その中には価値あるものが埋もれている可能性があります。そのようなものに気づかずに処分すると処分費用はかかるものの、資金が増えることはありません。
そのため、まずは買取業者に相談するのがおすすめです。買取で資金を増やすことができれば、後で不用品回収業者や遺品整理業者に依頼するにしても費用を捻出できます。
出張買取に対応している買取業者なら遺品整理する家まで訪問してくれるため、家具の遺品整理などには特に便利です。また、多くの場合、無料で査定を依頼できるため費用もかかりません。
遺品整理業者でも価値の高いものは買い取ってくれる場合がありますが、遺品整理業者は遺品の仕分けや不用品処分が主な業務であり、買取の専門知識があるわけではありません。そのため、適正な価値を評価できないことがあります。
まとめ：遺品整理では買取を有効活用する
本記事では、遺品整理をいつから始めるのがよいかについて解説しました。まとめると、以下のようなタイミングが考えられます。
- 葬儀が終わった直後
- 公的手続きが終わってから
- 四十九日法要が終わってから
- 相続税の申告期限まで
- 気持ちの整理がついてから
特に公的手続きや相続税の申告には期限があるため、注意しましょう。
また、遺品整理では価値があるものとそうでないものの区別が難しく、本来高値で取引できるものに気づかないまま処分してしまうことがあります。
そのような事態を避けるには、まず買取業者に査定依頼をするのがおすすめです。
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