10円札の価値は?国会議事堂の券から明治の券まで種類別に解説
10円札のうち、現在も10円として使えるのは国会議事堂が描かれた1種類です。ただし、古紙幣としての値段は額面に近く、高値がつく10円札とは少し事情が違います。
額面を大きく超える値段がつく例があるのは、和気清麻呂や大黒天などが描かれた、現在は使えない昔の10円札です。
この記事で扱うのは、硬貨の10円玉ではなく「お札の10円」。図柄や大きさから種類を見分けながら、それぞれの価値や今も使えるかどうかを解説します。
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10円札の種類一覧

10円札は、明治初期から戦後にかけて、政府・国立銀行・日本銀行から発行されてきました。まずは、どのような種類の10円札があるのかを発行された順に見ていきましょう。
| 通称 | 公式の券名 | 表面の図柄 | 寸法(縦×横) | 発行開始 | 使えなくなった日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大蔵省兌換証券 | 大蔵省兌換証券 十円券 | 菊・桐・竜 | 140×68mm | 1871年10月 | 1875年5月31日 |
| 開拓使兌換証券 | 開拓使兌換証券 十円券 | 菊・桐・竜 | 140×68mm | 1872年1月 | 1875年5月31日 |
| 明治通宝 | 新紙幣 十円券(政府紙幣) | 鳳凰・竜など | 137×89mm | 1872年6月 | 1899年12月31日 |
| 旧国立銀行券 | 国立銀行紙幣(旧券)十円券 | 奏楽 | 80×190mm | 1873年8月 | 1899年12月9日 |
| 神功皇后 | 改造紙幣 十円券(政府紙幣) | 神功皇后 | 93×159mm | 1883年9月 | 1899年12月31日 |
| 大黒札 | 日本銀行兌換銀券 旧十円券 | 大黒天 | 93×156mm | 1885年5月 | 1939年3月31日 |
| 表猪 | 日本銀行兌換銀券 改造十円券 | 和気清麻呂 | 100×169mm | 1890年9月 | 1939年3月31日 |
| 裏猪 | 日本銀行兌換券 甲十円券 | 和気清麻呂・護王神社 | 95×159mm | 1899年10月 | 1939年3月31日 |
| 左和気 | 日本銀行兌換券 乙十円券 | 和気清麻呂・護王神社 | 79×139mm | 1915年5月 | 1939年3月31日 |
| 1次 | 日本銀行兌換券 丙十円券 | 和気清麻呂 | 81×142mm | 1930年5月 | 1946年3月2日 |
| 2次・3次 | 日本銀行券 い十円券 | 和気清麻呂 | 81×142mm | 1943年12月 | 1946年3月2日 |
| 4次 | 日本銀行券 ろ十円券 | 和気清麻呂 | 81×142mm | 1945年8月 | 1946年3月2日 |
| 国会議事堂 | 日本銀行券 A十円券 | 国会議事堂 | 76×140mm | 1946年2月 | 今も使える |
人物の肖像では和気清麻呂が描かれた10円札が多く見られ、明治期までさかのぼると神功皇后や大黒天も姿を現します。一方、戦後に発行されたA十円券では肖像画が使われず、表面の図柄には国会議事堂が採用されました。
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額面こそ同じ10円でも、発行年代の違いで古紙幣の価値は大きく変動します。ここからは、今も使える国会議事堂の10円札から見ていきます。
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国会議事堂の10円札の価値

国会議事堂が描かれた10円札は、1946年に発行された「A十円券」です。古いお札ではありますが、現在も10円として使える一方、古紙幣としての値段は額面に近いのが基本です。
また、この券には通し番号がなく、同じ記号が付いたものが多数存在します。同じ番号の10円札を何枚も持っていても、それだけで偽札と考える必要はありません。
今も10円として使える
A十円券は1946年2月25日に発行が始まり、1955年4月1日に発行を停止しました。現在も有効な銀行券に含まれており、10円札としての効力は失われていません。
昭和に発行された和気清麻呂の10円札は、1946年3月の新円切替によって使えなくなりました。国会議事堂のA十円券は、その切替に合わせて新しく発行された券です。
手元のお金として利用したいときは、日本銀行の本支店で現在の銀行券や貨幣へ額面どおり引き換えてもらえます。
参考:日本銀行|十円券
額面に近い値段にとどまる理由
国会議事堂の10円札には通し番号がなく、券面には記号だけが印刷されています。国立印刷局によると、同じ記号の券が500万枚ずつ存在するため、同じ番号に見える10円札が複数あっても不自然ではありません。
現在の紙幣で知られるゾロ目やキリ番のように、番号の珍しさを理由に評価する考え方もこの券には当てはまりません。こうした事情もあり、古紙幣として高値になりにくいと考えられます。
業者が公開している価格では、使用済みは額面から数十円程度、未使用でも数百円までとする例が見られます。ただし、未使用の束などは状態を含めた個別の判断です。
図柄が国会議事堂になった経緯
A十円券は、最初から国会議事堂を描く予定だったわけではありません。当初は奈良・新薬師寺にある伐折羅大将像が図案に選ばれていましたが、GHQから変更を求められ、国会議事堂へ差し替えられました。
発行後には、「券面の模様が『米国』の文字に見える」「裏面の小さな花模様が当時のアメリカの48州と同じ数になっている」といった話も広まりました。
日本銀行もこうした説が当時ささやかれたことを紹介していますが、あくまで流通後に広まった噂として扱われています。
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昔の10円札の価値

国会議事堂のA十円券より前に発行された10円札は、現在ではお金として使えず、日本銀行での引き換えもできません。ただし、古紙幣として額面を大きく超える値段がつく券があります。今も使える旧札と使えなくなった古紙幣の違いは「旧札の価値はどう決まる?」で確認できます。
券の種類や保存状態によって数万円から数十万円、さらに高額になるものまであるのが、明治期の10円札です。
明治初期の10円札
明治初期の10円札には、数万円から数十万円を超える評価がつくものがあります。明治通宝や神功皇后の十円券は数万円以上、旧国立銀行券では並品でも数十万円、状態によってはさらに高額となる例も見られます。
この時期には、大蔵省兌換証券や開拓使兌換証券をはじめ、明治通宝、旧国立銀行券、神功皇后が描かれた改造紙幣などが発行されました。日本銀行が設立される以前の券もあり、政府や国立銀行が発行していたのが後の10円札との違いです。
形もさまざまで、明治通宝は137×89mmの縦長、旧国立銀行券は80×190mmと横に長く作られています。
大黒札
大黒札は、並品でも10万円台から、未使用では100万円を超える価格が示されることがある10円札です。
1885年に日本銀行が最初に発行した銀行券で、表面に大黒天が描かれていることから「大黒札」と呼ばれています。当時は銀貨と引き換えられる兌換銀券として発行されました。
また、券には写真に写りにくい青色のインキが使われています。
参考:国立印刷局 お札と切手の博物館|日本銀行兌換銀券 旧券10円
表猪の10円札
表猪も高額になりやすい10円札で、並品で10万円台、未使用では100万円前後まで評価される例があります。
1890年に発行された改造十円券で、表面には和気清麻呂と8匹の猪が描かれています。「表猪」という通称も、この図柄に由来するものです。
寸法は100×169mm。後に発行された裏猪とは、猪が描かれている面と数が異なります。
裏猪の10円札
裏猪になると、大黒札や表猪より価格帯は下がり、並品で1万〜3万円ほど、未使用なら数十万円まで評価される例があります。
1899年に発行された甲十円券で、裏面中央に1匹の猪が描かれていることから「裏猪」と呼ばれています。表面に8匹の猪がいる表猪と比べれば、名前の由来も分かりやすいでしょう。
左和気
左和気の買取価格は、並品で数千円程度、未使用では数万円がひとつの目安です。
1915年に発行された乙十円券で、和気清麻呂の肖像が券面の左側に配置されていることから「左和気」と呼ばれています。
日本銀行によると、肖像を左側に置いたことで確認しにくいとの声があり、その後の銀行券では同じ配置が採用されませんでした。
昭和の和気清麻呂
昭和に発行された和気清麻呂の10円札は、明治・大正期の券と比べると価格は落ち着きます。1次・2次は額面から数百円ほど、3次・4次は数百円から1万円前後が公開価格の目安です。
対象となるのは丙十円券・い十円券・ろ十円券で、古銭市場では「1次〜4次」と呼ばれています。いずれも81×142mmで、寸法は共通です。
最後に発行されたろ十円券は1945年8月に登場し、1946年3月2日の新円切替によって使えなくなりました。発行から約6か月で通用を終え、肖像入りの銀行券では通用期間がもっとも短い券です。
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10円札の価値を左右する手がかり

同じ種類の10円札でも、保存状態や証紙、エラーの有無によって評価は変わります。査定前に確認しておきたいのは、次の3つです。
- 未使用の状態
- 証紙付きの券
- エラー紙幣
それぞれ、どこを見れば良いのか確認していきましょう。
未使用の状態
折り目やシミ、破れがない未使用の10円札は、使用済みの券より高い評価につながります。前章で見た大黒札や表猪も、保存状態によって公開されている価格には大きな差がありました。
国会議事堂の10円札も、未使用品や帯が付いた束では扱いが変わります。汚れが気になっても洗ったりアイロンをかけたりせず、束になっているものは帯を外さずそのまま保管してください。
証紙付きの券
和気清麻呂の10円札に、小さな「十円」の証紙が貼られていることがあります。これは1946年の新円切替の際、新しい紙幣が行き渡るまで古い券を一時的に新しいお金として扱うために貼られたものです。
証紙が残っているなら、剥がさずそのままにしておきましょう。
エラー紙幣
印刷の位置が大きくずれている、裁断位置がおかしい、一部の印刷が抜けているなど、製造工程で生じた異常が残る紙幣はエラー紙幣と呼ばれます。
一方、後からできた破れや汚れ、折れはエラーには含まれません。通常の10円札と違って見える部分があれば、その状態のまま査定で確かめてください。
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10円札の手放し方

10円札の処分や換金は、現在の通用状況で進め方が異なります。まず種類を確かめてから、扱いを決めましょう。
古い10円札は古紙幣の査定へ
国会議事堂のA十円券より前に発行された10円札は、現在ではお金として使えず、日本銀行でも引き換えられません。一方で、ここまで見てきたように額面を超える価値がつく券があります。
折れや汚れがあっても、そのまま査定に出してください。国会議事堂の10円札でも未使用品や束、証紙付き、エラーが疑われるものなら、引き換える前に古紙幣としての評価を確かめてみると良いでしょう。
国会議事堂の券は窓口で引き換える
国会議事堂が描かれたA十円券は現在も有効なため、日本銀行の本支店で額面どおりに引き換えられます。
使用済みのA十円券は古紙幣として高値になりにくいため、お金として手元に戻したいなら、窓口での旧札の交換が手軽です。未使用品や束になったものは、先に古紙幣としての価値を確認してから判断しても遅くありません。
ほかの古いお札とまとめる
10円札が見つかった場所には、ほかの古いお札や硬貨が一緒に残されていることもあります。1枚ずつ種類や価値を調べるより、見つかったものをまとめて査定してもらえば、どれに値段がつくのか一度に確認できます。
封筒やケースに入っていたものはその状態を保ち、種類が分からない紙幣も一緒に見てもらいましょう。
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10円札の価値でよくある質問

価値のある10円札はどれですか
明治初期の10円札や大黒札、表猪・裏猪には、額面を大きく超える価値がつくものがあります。昭和の和気清麻呂は数百円からの評価が多く、国会議事堂の10円札は額面に近い価格が中心です。ほかの古銭や古紙幣の目安は「古銭買取の価格一覧」にまとめています。
10円札はいつまで使えますか
国会議事堂が描かれた10円札は現在も使え、使用期限はありません。それ以前の10円札はすでに通用を停止しており、使えなくなった日は券によって1899年・1939年・1946年に分かれます。
昔の10円は今のいくらですか
昔の10円を現在の金額に単純換算することはできません。日本銀行も、品物やサービスによって値上がりの幅が異なるため、お金の価値を一律に比較するのは難しいとしています。
参考:日本銀行|昭和40年の1万円を、今のお金の価値に換算するとどの位になりますか?
1946年の新円切替当時には、たばこの「ピース」が7円で販売され、10円札で購入して釣り銭を得ようとする人が列を作ったという話が、日本銀行の資料で紹介されています。
10円札と10円玉の価値は違いますか
10円札と現在使われている10円玉は別の貨幣です。この記事では紙幣の10円を扱っています。硬貨の10円玉の年号ごとの価値は「レア10円玉の一覧を紹介!」で確認できます。
国会議事堂の10円札は売れますか
国会議事堂の10円札は、使用済みなら額面に近い価格となることが多く、換金目的なら日本銀行での引き換えで十分です。未使用品や束になったものは、引き換える前に古紙幣としての評価を確認しても良いでしょう。
なお、現在も有効な国内の銀行券は、メルカリでは出品禁止物に指定されています。
参考:メルカリ|現金、金銭、金、その他これらに類するとみなされるもの
まとめ
この記事では、10円札の種類や価値、現在も使える券と使えない券の違いについて解説しました。
- 今も使えるのは国会議事堂のA十円券
- 明治期の10円札には額面を大きく超えるものがある
- 保存状態や証紙、エラーの有無でも評価は変わる
- 使えない古い10円札は古紙幣として価値を確認する
実家の整理などで10円札が見つかったときは、価値が分からないまま処分したり、手を加えたりしないことがポイントです。
特に肖像入りの10円札や、ほかの古いお札・硬貨も一緒に出てきたなら、そのままうるココの古紙幣買取で査定に出せば、売れるものをまとめて確認できます。国会議事堂のA十円券だけであれば、日本銀行での引き換えも検討してください。
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