中国切手の価値はどんなもの?高額で売れる切手一覧を紹介
中国切手の世界は、歴史と芸術が融合した独自の魅力を持っています。
とりわけ、文化大革命以前に発行された切手は、希少性と美しさから投資価値が非常に高く、コレクターの間で熱い注目を集めています。
あなたが手にしている中国切手が、実は驚くほどの価値を持っているかもしれません。
本記事では、そんな中国切手の魅力と高額で取引される代表的な切手を詳しくご紹介します。
「自分のコレクションの中に隠れた宝物があるかもしれない」
そんな期待感を胸に、読み進めてみてください。
中国切手とは
中国切手とは、中華人民共和国で発行される切手であり、1949年10月から中国郵電部郵政総局によって発行が開始されました。
中国切手は、非常に高値で取引されるものが多く、バラの状態でも1枚10万円以上の価値がつくものもあります。
中国切手の中でも特に高い価値がつくのが、1966〜1976年の文化大革命期より以前に発行された切手です。というのも、文化大革命では収集目的の切手購入が禁じられ、古い中国切手はほとんどが破棄され、現存しているものが極めて少ないからです。
中国国内の希少な切手は大半が廃棄されましたが、一部は日本や東欧など国外に渡り、これらの切手コレクターによって保管されていたものが現在でも失われることなく残っています。
近年では、中国の富裕層が投資目的や自国切手の買い戻し目的で中国切手を求めるようになり、中国切手の売買が盛んになった結果、その買取価格は高騰するようになりました。
中国切手の価値
既に説明した通り、中国切手は文化大革命によって多くの古い切手が消失し、現存数が非常に少ないため、希少性が高くなっています。
希少性だけでなく、芸術品としての美しさや歴史的な意義からも中国切手は評価され、額面よりもはるかに高値で取引されるものが多くなっています。
このように、中国切手は投資価値のあるアイテムのひとつといえるでしょう。
しかし、偽物も多く出回っているため真贋には切手に関する深い知識が必要であり、売却の際には適正な価値を判断できる買取業者に相談することが大切です。
また、一般的に切手の価値を左右するのは、以下のような要素です。
- 発行枚数の少なさ
- 保存状態の良さ
- 記念切手・特殊切手
切手の価値がどのように決まるのかについての詳細は、関連記事もご覧ください。
中国切手の種類
ここでは、高額で売れることの多い中国切手30種類を紹介します。
中国切手には発行枚数や現存数が少なく、希少価値が高いものが多く存在しています。
中国の歴史や文化を反映したデザインはコレクションとしても非常に魅力的で、それが中国切手の価値をより高めています。
赤猿切手
赤猿切手は、赤い背景に子猿が描かれた切手で、中国切手の中でも最も価値がつきやすい切手です。
1980年に中国十二支切手シリーズとして発行されたこの切手は、世界中から人気があり、バラ切手でも高値で取引されます。
毛主席の最新指示
数多く存在する毛沢東シリーズの中でも1968年に発行された、「毛主席の最新指示」切手は価値が高い切手です。
丸く切り抜かれた毛沢東の肖像と、その下には政治思想を表す文章が記載されたデザインとなっています。
毛主席の長寿をたたえる
「毛主席の長寿をたたえる」切手は、1967年5月に第1次として5種類が、同年9月に第2次として3種類が発行されました。
第1次の切手には2種類に、文化大革命の推進力になった中国の学生や労働者である紅衛兵が描かれています。
毛主席の長寿を祝う語録
1967年に発行された「毛主席の長寿を祝う語録」切手は、中国の採光指導者である毛沢東の長寿を願う意味が込められています。
全部で11種類あり、そのうち毛沢東の肖像が描かれているのが1種類で、残りはいずれも文章だけの珍しいデザインとなっています。
毛沢東モチーフの代表的なプレミア切手であり、11種類が揃った状態の切手はより高く評価されます。
毛主席詩詞
「毛主席詩詞」切手は1967年に発行され、全14種類があります。毛沢東は詩人としての顔もあり、この切手の1種類には詩を描いている毛沢東が描かれ、残りの13種類には詩が記載されています。
14種類全てが揃った切手なら、コレクション価値が上がり、高い価値がつくでしょう。
毛主席は赤い太陽
1967年に発行された「毛主席は赤い太陽」切手は、2種類のデザインがあります。
ひとつは「毛主席と人民」というタイトルで、切手の中心には後光を放つ毛沢東が神々しく表現されています。もうひとつは「毛主席と語録と人民」と呼ばれ、毛沢東が大勢の人と笑顔で手を取り合っている姿が描かれています。
毛主席像(中国共産党46年)
「毛主席像」切手は1967年に5種類が発行されました。単色で描かれた横顔の毛沢東はどの切手も同じですが、それぞれ異なる色調で描かれています。
非常に短期間しか発行されなかったものもあり、全ての色が揃った「毛主席像」は高価買取が期待できます。
毛主席の立派な兵士・劉英俊
「毛主席の立派な兵士・劉英俊」切手は、1967年に発行された中国切手で、全部で6種類あります。
この切手には、いずれも毛沢東の腹心の部下である劉英俊が採用されています。
バラ切手でも高い価値が期待できますが、全て揃った状態の切手はさらに高値で取引されるでしょう。
オオパンダ切手
オオパンダ切手は、中国切手の中でも赤猿切手に次いで知名度が高く、非常に人気のある切手です。
水墨で描かれた愛嬌のあるオオパンダが特徴的で、1963年に発行された第1次の3種類と、1973年に登場した第2次の6種類があります。
国内で見られるオオパンダ切手は第2次のほうが多く、第1次のほうが希少性があり、より高値で取引されます。
全国の山河は赤一色
「全国の山河は赤一色」切手は、極めて希少価値の高い切手です。文化大革命時に発行されたこの切手は、2009年の香港で4,300万円で落札された事例があります。さらに、横長版は9,100万円もの落札価格となり、世間を賑わせました。
なぜ、これほどまでに価値がついたかというと、この切手は1968年に発行されたものの、図案に大きな問題があることが判明したためわずか半日で発行中止、そして回収された経緯があるからです。
切手の図案には、共産主義の象徴である赤色に染まった中国本土が描かれていましたが、台湾だけが赤色に染まっておらず、これは中国本土に属していないことを象徴すると問題になり、すぐに発行停止となったのです。
そのため、市場には極端に少ない数しか出回っておらず、超プレミア価値がつきました。
少年たちよ子供のときから科学を愛そう
「少年たちよ子供の時から科学を愛そう」切手は、文化大革命後の1979年に発行されました。
当時、中国経済は自由化に向けて大きく進み始めた時期であり、その当時の中国政府は科学分野の発展に向け、次世代を担う子どもたちへの科学教育に力を傾けるようになりました。
こうした時代背景から発行されたのが、「少年たちよ子供の時から科学を愛そう」切手で、計7種類があります。
中華人民共和国成立15周年
「中華人民共和国成立15周年」切手は、文化大革命より以前となる1964年に発行された切手です。全3種類の切手が作られ、これらをひとまとめにした小型シートとして登場しました。
しかし、発行枚数は少なく、発行から間もない1966年から文化大革命が始まったこともあり、現存数が極めて少ない切手です。
希少価値の高い切手であるため、かなりの高価買取が期待できるでしょう。
天安門図第5版
「天安門図版第5版」切手は、北京にある天安門が描かれ、1951年に発行されました。額面は1万〜20万と高額な6種類が発行されています。
1950年の第1版から第5版までが発行されましたが、文化大革命以降、多くが処分されたため現存しているものは、かなり貴重です。
中華人民共和国成立15周年
「中華人民共和国成立15周年」切手は、1964年に発行された中国切手です。
中国は第二次世界大戦後の1949年、共産党と国民党による内戦の末に現在の中華人民共和国が建国された歴史があり、それから15周年を記念して発行して、この切手が発行されました。全3種類があります。
中国切手の中でも発行数が少なく、文化大革命の影響もあり現存数はさらに少なくなっているといえます。そのため、希少価値の高い切手です。
革命的な現代京劇
「革命的な現代京劇」切手は、1968年に発行された全9種類の切手です。
京劇とは長い歴史を持つ中国の伝統芸能ですが、文化大革命ではそれまでの京劇が廃止され、あらたに「現代京劇」が生み出されました。
そして、中国共産党の党員が主役となる現代京劇を奨励するために発行されたのが「革命的な現代京劇」切手です。
1950年代から1980年代にかけて発行された切手は、特に高い価値を持っているとされます。
延安文芸講話発表25周年
「延安文芸講話発表25周年」切手の「文芸講話」とは、1942年に中国の延安という都市で行われた、毛沢東による講話(講義)を指します。文芸講話から25周年となる1967年に発行されました。
この文芸講で毛沢東が文化・芸術・思想についての考えを宣言したため、後の文化大革命と基盤となるエポックメイキングな出来事となりました。
中国共産党50周年
「中国共産党50周年」切手は、1921年に上海で開催された「中国共産党第1次全国代表大会」から50周年となる1971年に発行されました。
全9種類あり、そのうち3枚は一続きになったデザインであり、赤い毛沢東語録を手にした人々が前進している姿が描かれています。
残りの6枚はバラで、全ての種類が揃っていると高価買取の対象になります。
中華人民共和国展覧会
「中華人民共和国展覧会」切手は1980年に発行され、同年にアメリカで行われた中国文化を紹介する展覧会を記念したものです。
「開幕を祝う」「友好往来」と呼ばれる2種類の切手があり、いずれも中国発の女性スタンプデザイナー・蘆天驕が手がけています。
切手は女性らしい可愛らしさが表現された、明るく活発なデザインが印象的です。
梅蘭芳舞台芸術
「梅蘭芳舞台芸術」切手の「梅蘭芳(ばいらんほう)」とは、中国の古典芸能である京劇俳優の名前です。京劇の近代化に大きく貢献した梅蘭芳の姿を図柄にしたのがこの切手で、1962年に発行されました。
額面は4〜50分までの全7種類が発行されましたが、8分には2種類のデザインがあるため、実質的に全8種類あります。全種類が揃った小型切手シートは高値で取引されます。
キューバ革命4周年
「キューバ革命4周年」切手は1963年に発行された中国切手で、その名の通りキューバ革命から4周年を記念して作られました。
キューバ革命は、チェ・ゲバラなどの主導によってキューバが中国と同じ社会主義国家になった出来事であることから、中国切手として発行されました。
デザインは3種類あり、現存数は不明ですが、希少価値の高い切手であると考えられています。
全国科学会議記念
1978年に発行された「全国科学会議記念」切手は、当時中国で開催されていた全国科学会議の記念として発行されました。
全国科学会議とは、中国の最先端科学が紹介されたイベントであり、中国にとっては国の威信をかけた出来事だったのです。
全3種類で、通常サイズのほかに小型シートも発行されています。
牡丹シリーズ
「牡丹シリーズ」切手は、さまざまな牡丹の花がモチーフになっている切手で、中国切手の中でも華やかで存在感を放っています。
1964年に発行されたこの切手の額面は4分・8分・10分・20分・43分・52分の6種類があり、全て異なる牡丹が描かれているのが特徴です。
非常に多くの種類があり、価値の高いプレミア切手として取り扱われています。
金魚シリーズ
「金魚シリーズ」切手は1960年に発行が開始された切手で、12種類からなる金魚をモチーフにした色鮮やかなデザインが特徴です。
金魚は中国原産の観賞魚であり、野生のフナが突然変異したものが始まりです。
金魚シリーズには、黒赤デメキン・シロハナフサ・ランチュウ・リュウキンなどお馴染みのものから珍しい種類まで、見ているだけで楽しく優雅な気持ちになる金魚が取り揃えられています。
12種類全てが揃っている場合、数万円ほどで取引されることがあります。
黄山風景シリーズ
「黄山風景シリーズ」は、1963年に発行された全16種類の切手で、中国安徽省の「黄山」の風景を表現しています。
黄山は中国屈指の景勝地として知られ、1990年にはユネスコの世界遺産に登録されています。
水墨画のようなタッチが絶妙な味わいを醸し出したこの切手は、切手愛好家から人気の高い切手のひとつです。
徐悲鴻莽馬シリーズ
「徐悲鴻莽馬シリーズ」切手は、1978年に発行された切手です。中国の有名な画家である徐悲鴻(じょひこう)の水墨画で表現された馬がモチーフになっています。
徐悲鴻が描く馬は、中国の伝統絵画と洋画をミックスさせた技法で生み出され、その躍動感は眼を見張るものがあります。
全10種類が単品で発行されたほか、小切手シートもあります。
石油産業
「石油産業」切手は1964年に発行され、中国における石油産業の発展を象徴するデザインが採用されています。
中国が石油の自給自足を達成した歴史的偉業を記念して発行されました。地質調査、発掘、採油塔、精油工場、石油輸送といった5種類が存在します。
いずれの種類も高い人気を誇ります。
孫中山誕生100周年
「孫中山誕生100周年」切手は、1866年に孫中山が生まれてから100周年となるのを記念して発行されました。
孫中山は、日本では「孫文」の名で知られる人物で、中国革命の父として近代中国の政治運動を指導した革命家です。「国父」として中国では尊敬を集める存在です。
状態が良ければ高価買取の対象となるでしょう。
農村で働く知識青年
「農村で働く知識青年」切手は1969年、中華人民共和国の建国20周年を記念して発行されました。
農村で働く青年などがデザインに採用された全4種類が存在しています。
革命や政治などがモチーフとなることが多い中国切手の中で、「農村で働く知識青年」切手のように明朗な青年の生活風景が描かれたテーマは珍しいといえます。
パリ・コミューン100周年
パリ・コミューンとは1871年にフランス・パリで成立した世界初の社会主義政権であり、成立から100周年を記念して発行されました。
パリ・コミューンは短命に終わりましたが、その影響は大きく、その後の社会主義運動や労働運動に多大な影響を与えました。
南ベトナム人民は勝つ
「南ベトナム人民は勝つ」切手は1964年、インドシナ戦争休戦のために結ばれたジュネーブ協定から10周年を記念して発行されました。
この切手はベトナム戦争において南ベトナム解放民族戦線への支持を表したものであり、中国とベトナムの関係性を象徴する歴史的意義の高い切手です。
中国切手を高く売るコツ
中国切手の本来の価値を保ち、なるべく高く売れるようにするには以下の点を押さえておきましょう。
- シート切手はそのままにする
- 良い保存状態を保つ
- 消印があっても売れる
それぞれ詳しく説明します。
シート切手はそのままにする
シート切手とは、切手が未使用のままシート状で残されているものを指し、一枚一枚のバラ切手と比較して、コレクター市場では高く評価されます。
シート切手が価値を持つ理由のひとつは、完全な形で残っていることによる希少性です。シート全体が揃っていることは、時間が経つにつれてますます珍しくなるため、その分価値も高まります。
また、シートには切手の周囲の余白や印刷された情報などが含まれており、これもコレクターにとっての魅力が増す理由のひとつです。
さらに、シート切手は未使用であることが前提であるため、状態が良ければ良いほど、高値で取引される可能性が高くなります。もしシートをバラバラにしてしまうと、それぞれの切手の価値が減少し、全体としての価格も下がることがあります。
したがって、もしあなたが中国切手を高く売りたいと考えているならシート切手はそのままの状態にしておくのが最善です。
良い保存状態を保つ
紙でできた切手は、破れ、折れ、汚れといったダメージのリスクが常に伴います。このような劣化によって切手の価値は大きく損なわれてしまうため、適切な保管が求められます。
切手は直射日光や湿気に弱いため、保存場所に注意が必要です。紫外線は切手の色褪せを引き起こし、湿気は紙を波打たせたりカビを発生させたりする原因となります。
また、切手は非常に薄いため、ちょっとした衝撃で簡単に折れたり破れたりしてしまうことがあります。さらに、手で触れる際に油分や汚れが付着すると、それだけで切手の価値が下がってしまうため取扱いには注意が必要です。
こうしたリスクを避けるためには、切手を透明な保護フィルムに入れたり、専用のアルバムに保管したりすると良いでしょう。
しかし、どれほど注意を払って保管していても、時間が経つにつれてダメージのリスクは増していくのが事実です。特に、希少価値が高い切手は劣化が進まないように早めに売るのがおすすめです。
消印があっても売れる
切手は未使用の状態が最も高く評価されますが、消印があっても十分に価値があり、売れることがあります。
消印がある切手は、その切手が実際に郵便物として使用された証拠であり、歴史的な背景を感じさせるものとして機能するのです。そのため、特定の時期や場所で押された消印が、切手にさらなる価値を与えることがあります。
特定のイベントや記念日に押された消印、あるいは珍しい地名や郵便局からの消印などは、コレクターの間で高く評価される可能性が高いです。
黒い宝石の魅力
使用済み切手でも売れる理由についての詳細は、関連記事をご覧ください。
まとめ:中国切手の買取ならうるココにご相談ください
中国切手は、その希少性や歴史的価値から高額で取引されることが多く、特に文化大革命前に発行された切手や限定的なシリーズは、驚くほどの高値がつくことがあります。
ただし、切手の価値を最大限に引き出すためには、適切な保管や売却のタイミングが問われます。また、真贋の見極めには専門知識が必要であり、信頼できる買取業者に相談することが不可欠です。
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