使用済み切手はなぜ売れるの？価値がある理由を説明
「使用済みの切手でも売れるの？」
「使用済み切手に価値があるのはなぜ？」
「どれくらいの価格で売れるか知りたい」
郵送のために使用済みの切手にも、実は価値があります。
使用済み切手は、使用した事実があるからこそ、その時代ならではの世相をリアルに表す「写し鏡」としての意味を持つからです。
希少価値の高い切手を欲しがる切手コレクターや専門家は、たくさん存在しています。
そこで、本記事では使用済み切手について以下の内容で解説します。
- 使用済み切手に価値がある理由
- 使用済みでも価値の高い切手の種類
- 使用済み切手を高く売るコツ
昔のはがきや封書が見つかって切手の価値を調べたい人は、もしかするとレミア切手で高く売れる可能性があるため、参考にしてもらえると幸いです。
使用済み切手も売れる
使用済み切手は、コレクターの間で人気があります。希少な切手や特定のテーマ、時期に発行されたものは高値で取引されることも珍しくありません。
また、歴史的な出来事や有名人を記念して発行された切手は、時が経つとその価値が上がることがあり、収集家や専門家たちが集め、販売、交換を行っています。
一般的に、使用済みの切手は未使用のものよりも価値が低いとされますが、状態が良好であれば、それなりの価格で売ることが可能です。そして、昔の切手には今では見られないデザインや色使いがされており、それがコレクターの興味を引く要因となっています。
使用済み切手はなぜ売れるの？
「使用済み切手」＝「消印がついた切手」です。
消印が入っているので、はがきなどに貼って使うことはもちろんできません。
しかし、希少性の高い切手は使用済みでも価値があり、そのような切手には高いニーズがあるのです。
ここでは、なぜ使用済み切手に価値があるのか説明します。
使用済み切手を欲しがるコレクターがいる
使用済み切手を収集するコレクターが多いのは、その背後には歴史や物語性があるためです。切手はただの紙切れではなく、それを通じて時代や文化、国や地域の特性を感じ取る面白さがあります。
使用済みの切手は、それが実際に使われ、手紙としての役割を果たしてきた証拠としての魅力を持っています。このような物の背後にあるストーリーや経緯に興味を持つコレクターは多く、それが使用済み切手の価値を高めています。
使用済み切手の「消印」に価値がある
消印は、切手が実際に使われた証拠となります。消印の種類やデザイン、位置や鮮明さなどは、その切手がどのような背景や状況で使用されたのかを物語っています。
特定の場所や時期にのみ使用される特別な消印は、収集家にとっては魅力的です。また、消印が鮮明で完全な形で押されている切手は、コレクターの間でより高い価値を持つとされています。
そして、消印の価値は「どこで押されている消印か」という箇所がポイントです。
場合によっては、消印のほうが切手より価値があるとされる切手もあるくらいで、郵便局側が、あえてコレクター用に消印を押した切手を販売することもあるほどです。
例を挙げると、「小代式機械印」は機械印の大珍品とされ、この消印が入っているだけで価値が非常に高くなります。機械印とは、自動押印機に使用されている郵便の消印です。
また、ごく短期間しか使用されなかった消印や、ほとんど郵便に使用されなかった消印にも価値があります。例えば、わずか3か月という短期使用の「京橋局欧文日付印」は、押されている切手に価値がなくても、消印に価値がつき、オークションで15万円で落札されたこともあります。
他にも、以下のようなものがあります。
- 特殊通信日付印（特印）国家的記念行事のときだけに使われる大型の記念印（直径は約36ミリ）
- 小型記念日付印（小型印）特印を使うほど大きな行事でない時に使われる記念印（直径は約33ミリ）
- 風景入通信日付印（風景印）旅行の記念のために、その土地の名所などを描いた特別の日付印
また、高額買取が期待できる例で、明治5年以前のはがきがあります。
明治5年以前の切手が貼られていて、実消印も明治5年以前のものは、高値での買取が期待できます。
使用済み切手の消印の「日付」に価値がある
消印の日付は、その切手が具体的にいつ使用されたのかを示すものであり、歴史的背景や特定の行事と関連性を持つことがあります。
歴史的な事件や記念日、特定の日にしか行われないイベントなどで使用された切手は、その日付を持つ消印によって、コレクターにとっては価値が一段と高いものとなるのです。
例えば、切手発行日の消印は「初日印」と呼ばれ、価値が高い消印の一つです。
消印の押され方でも切手の価値が変わり、「消印の文字がはっきり読めること」が重要です。
特に、消印が切手の真ん中に丸い形で押されているものは「満月印」と呼ばれていて、高い価値がつきます。
このような日付のある消印は、時代の流れやその瞬間の空気感を感じることができるため、多くの収集家に愛されています。
希少価値の高い切手
発行枚数が少ない切手は、希少価値が高く、使用済みでも価値が高くなります。現在は市場に出回っていない切手であるため、使用済みでも価値があるのです。
古い切手に希少価値が高いものが多いですが、新しい切手でも、発行枚数の少ない限定切手などは価値が高くなる傾向があります。
立太子礼切手
立太子礼切手は、昭和天皇（当時は皇太子）の立太子礼 （りったいしのれい）を記念して1916年に発行された日本の切手です。
この切手は、天皇の肖像を掲載したもので、当時の印刷技術やデザインの美しさが評価されています。
また、立太子礼は重要な歴史的イベントであり、その記念として発行されたこの切手は、その時代の文化を伝えるものとして、コレクターにとっての価値が非常に高いです。
見返り美人切手
見返り美人切手は、1948年に発行された日本の切手で、浮世絵を確立した菱川師宣による「見返り美人図」をモチーフにしたものです。浮世絵が採用された初の切手であることから、コレクターの間で話題となりました。
見返り美人切手は3度にわたって発行されましたが、最初の1948年に発行されたものは約150万枚しか発行されていないため、希少価値が高くなっています。
1991年(平成3年）版の見返り美人は、フルカラー印刷で原版そのままの繊細な色使いを再現した新バージョンです。
赤猿切手
赤猿切手とは、1980年に中華人民共和国で発行された切手の通称です。正式には「金猴郵票」とも呼ばれ、1980年が「申」の年、すなわち猿の年であったことを記念して発行されました。
この切手には、赤く描かれた猿がデザインされており、その独特のデザインから「赤猿」という名で親しまれています。
「赤猿切手」は、発行部数の少なさや、中国の経済発展とともに切手収集が趣味として人気を集めたことから、高い価格で取引されることも珍しくありません。特に未使用の状態のものは、より高額な価格で売れることもあります。
毛主席シリーズ
中国の毛沢東・国家主席は国民に共産党の理念や毛沢東の思想を普及・啓発するため、切手を発行しました。毛主席をモチーフにした切手には、多様なデザインやシリーズが存在し、10種類以上のバリエーションがあります。
これは、毛主席の異なる側面や、中国の多様な歴史的・政治的な出来事を反映しています。例えば、彼の若き日のポートレート、重要な演説や出来事を伴うデザインなど、さまざまな角度から毛主席を描写しています。
文化大革命時代に発行された切手は、特に高い価値がつきやすいです。シリーズや切手の保存状態などによって買取価格は左右されますが、数万円や数十万円にの価値になるものもあります。
オオパンダ切手
オオパンダ切手は中国切手のひとつで、水墨画のパンダが描かれたものです。文化大革命の時期に2度にわたって発行され、全部で6種類あります。
保存状態の良いものであれば高額で取引される可能性が高く、また6種類すべてが揃っているとさらに価値が上がります。
月に雁（かり）切手
月に雁切手は、1949年11月1日、切手趣味週間シリーズの第3弾として発行された切手です。浮世絵師の歌川広重による「月に雁」をモチーフにデザインされています。切手には、月を背景に、3羽の雁が飛んでいる様子が描かれています。
使用済み切手を高く売るコツ
使用済み切手を高く売るためのコツを、6つ紹介します。
- 消印の種類が分かるようにしておく
- 人気の消印が押されている
- 封筒やはがきから剥がしておく
- ストックブックで保存状態を良く保つ
- コレクションものであること
- 買取専門業者に依頼する
最後のワンポイントで買取額が変わってくるため、参考にしてください。
消印の種類が分かるようにしておく
消印の種類は、切手の価値を決める重要な要素のひとつです。特定の日付やイベント、場所に関連する消印は、希少価値があることが多くなります。
消印がはっきりと読める状態で保存しておくことで、買取店やコレクターが切手の価値を正確に評価しやすくなります。また、貴重な消印があることを明記しておくと、買取価格が上がる可能性もあります。
人気の消印が押されている
価値が高い消印には以下のようなものがあります。
- 初日印
- 満月印
- 特殊通信日付印
- 風景入通信日付印
- 小型記念通信日付印
切手やはがきの発行日に押印する日付印です。ハトのマークが入っていることから「ハト印」とも呼ばれます。
ハト印には、和文ハト印や欧文ハト印、機械ハト印、絵入りハト印の4種類がありますが、絵入りハト印が登場するのは、年賀切手やシリーズ切手、あるいはグリーティング切手の発行日のみであり、コレクターが好む傾向があります。
封筒やはがきから剥がしておく
切手を封筒やはがきから剥がすことで、保存状態が良くなり、評価される価格も高くなる可能性があります。
しかし、剥がす際には慎重に行い、切手を傷つけないようにすることが重要です。特に、古い切手や希少な切手の場合は、「水剥がし」という方法がおすすめです。
水剥がしは以下の手順で行います。
- 切手の周囲の余白を数ミリ程度残して切り取る
- 洗面器などにぬるま湯を注ぎ、切手を入れる
- 5〜10分そのままにする
- ピンセットで切手を剥がす
- 切手の裏面について裏のりを洗い落とす
- 乾いたタオルで水気を吸い取る
- 1時間ほど切手を紙の上に乗せておく
- 切手が乾いたら完了
ストックブックで保存状態を良く保つ
切手の価値は、その保存状態に大きく左右されます。ストックブックは、切手をきれいな状態で保管するのに適したアイテムです。
切手を直接触れることなく、安全に保存できるため、変色や汚れ、傷を防ぐことができます。良い状態で保存された切手は、買取価格が高くなることが期待されます。
コレクションものであること
特定のテーマや時代、国に絞って収集されたコレクションは、切手単体よりも価値が高まることが多いです。日本切手や中国切手、アメリカ切手、動物切手などに特化したファイルが何冊分もあるような場合、コレクションと呼べます。
コレクションとしての完成度やテーマの希少性などが評価されると、高価買取の対象となることがあります。あなたののコレクションがどのような特徴や価値を持っているのかを明確に伝えることで、適切な価格をつけてもらえる可能性が高まるでしょう。
買取専門業者に依頼する
使用済み切手を高く売るには、フリマアプリなどを使うより、適正価格を査定できる買取業者に依頼するのがおすすめです。
使用済み切手は切手の種類以外に、消印の種類や日付などさまざまな要素が関係するため、それらの価値を正確に判断できる専門知識が必要となります。
買取業者のホームページで買取額などの情報を参考にしながら、信用できそうな業者を選ぶことが大切です。
使用済み切手買取ならうるココにお任せください
使用済み切手にも価値があることを説明しましたが、いかがでしたか。
見返り美人切手や赤猿切手など、そのレトロな風合いはそれだけでも鑑賞に値する魅力を感じるものです。
