金価格が暴落する5つの理由とは?
歴史を通じて、金は不確実性や市場の混乱の中での安全な避難先として重宝されてきました。
しかし、この永遠とも思える金の輝きは、一体何が原因で突然薄れるのでしょうか?
本記事では、金の価格下落の引き金となる主な理由を5つに分けて説明します。
投資家として、これらの知識はあなたの資産を守る上で不可欠です。
金価格が暴落する5つの理由
ここでは、金の価格が下落する理由について、以下の観点から説明します。
- 金の採掘量が増える
- 地政学リスクが減る
- 金利が上昇する
- インフレリスクが収束する
- 米ドルの価値が上昇する
これらの要因が急激に進むことにより、金の価格が暴落する可能性があると考えられます。
金の採掘量が増える
金の採掘量、つまり、金の供給量が増えると、市場における需給バランスにより、金の価値が下がることが考えられます。
新しい採掘技術の開発や大規模な金脈の発見は、市場への金の供給量を大幅に増やす可能性があります。
採掘技術が進歩すると、これまで手が届かなかった金脈にもアクセスできるようになり、それによって採掘される金の量が増えるでしょう。
また、もし世界のどこかで巨大な金脈が発見された場合、短期間で大量の金が市場に供給されることになります。
このような供給の急増は、金の価格に直接的な下降圧力を与えることになることが予想できます。
しかし、地球上に存在する金の総量は限られており、採掘される金の量も年間にわたって比較的一定しているのが事実です。
そのため、採掘量が急激に増加するという事態が現実的に起こる確率は、そう高いものではないでしょう。
地政学リスクが減る
金の下落要因として、地政学リスクの減少、または解消を挙げることができます。
金は不安定な世界情勢や経済の中で安全資産としての役割を果たし、政治的または経済的な不確実性が高まると金への需要が増加し、その結果、金の価格が上昇します。
例えば、ロシアとウクライナの戦争のような大きな紛争や、金融危機、パンデミックのような全世界的な不安は、投資家がリスクを避けて安全な資産に移行する動きを促すのです。
しかし、これらの地政学的なリスクが減少または解消されると、金への需要は減少し、金の価格は下がります。
投資家は再び、株式などリスクのある資産に目を向け、金から資金を引き揚げる傾向が強くなる結果、金の価格は下落するのです。
金利が上昇する
金利の上昇も、金の価格に下落圧力をかける要因のひとつです。
金利が高くなると、銀行預金などの金利がつく資産がより魅力的になります。金には利子が発生しないため、金利の動向は金の相対的な資産価値を左右するのです。
高い金利が設定されている状況では、投資家は高いリターンを求めて金から銀行預金など金利がつく資産へと移行することで金への需要が減少し、結果として金価格が下落するのです。
逆に、金利が引き下げられると通貨の価値が下落し、金のようなリスクヘッジ効果のある資産への需要が増加します。金利が低い状態では、金が持つ魅力が高まり、金の価格が上昇しやすくなります。
インフレリスクが収束する
金は通常、インフレや通貨の価値低下に対する保護手段として見なされています。
インフレが進行すると、通貨の実質的な価値が下落し、投資家は資産価値を保持するために金などの実物資産に投資する傾向があります。
これにより、金の需要が高まり、価格が上昇するのです。
インフレとは、物価が継続的に上昇する状態のことで、インフレが起こると通貨の購買力が減少します。
一方で、金は物価上昇による通貨の価値低下の影響を受けにくいため、インフレ期には魅力的な投資先となります。
しかし、このインフレが収束し経済が安定すると、金の魅力は相対的に減少します。
インフレからの脱却は、通常、経済が安定し通貨の価値が回復することを意味します。
このような状況下では、投資家は金よりも他の投資手段(例えば株式や債券)に興味を示し始めることが多いです。
このように金に対する需要が減少すると、その結果として金価格が下落する可能性があります。
米ドルの価値が上昇する
金価格の下落と米ドルの価値上昇との関係も、金の価格下落に影響を及ぼします。
一般的に、金は米ドルと逆相関の関係にあるといわれています。つまり、米ドルの価値が上昇すると金の価格は下落する傾向があるということです。
これは、国際的な金の取引が主に米ドルで行われるため、ドルの価値が金の価格に直接影響を与えるためです。
米ドルの価値が上昇すると、金を購入するコストが高くなります。これは、同じ金の量を購入するためにより多くの自国通貨が必要になることを意味します。
その結果、金への需要が低下し、価格が下落する可能性がありま
金価格の暴落は考えにくい?
足元で金の価格は上昇を続けており、短期的に暴落することは考えにくいということができます。
2024年7月17日、田中貴金属工業の店頭小売価格が1gあたり13,879円と最高値を更新しています。
2000年以降、金価格は上昇トレンドにあり、これは世界の不安定な情勢が一因となっています。
歴史的に見ても、2001年の世界同時多発テロや2008年のリーマンショックなど、大規模な危機が発生するたびに金価格は上昇しています。
不確実性が高まると投資家がリスクを避け、安全資産としての金へと資金を移動させる傾向を如実に示す証拠といえるでしょう。
金は、政府や企業への信頼が揺らぐ場合、通貨や株式の信用度が下がる場合に、需要が高まります。
これは金が実物資産であり、価値が一瞬にして消えることがないため、不安定な時期には魅力的な投資対象となるからです。
これらの要因を考慮すると、短期的に金価格が暴落することは考えにくいといえます。
世界経済の不確実性が続く限り、金に対する需要は安定して高いままであり、これが価格を支える主要な要因となっています。
ただし、市場は常に変動し、未来を完全には予測できないため、金価格もさまざまな外部要因によって変動することを念頭に置いておくことが必要です。
金価格が暴落する前に押さえておきたい金投資
金投資にはいくつかの主要な方法があり、それぞれに独自のメリットとデメリットがあります。
以下に、主な金投資方法について説明します。
金貨
金貨投資は、物理的な金貨を購入し、その価格差から利益を得る方法です。
金貨は手元に保管できるため、安心感があり、市場の動向に応じて売却できる柔軟性があります。
しかし、盗難のリスクや保管コストが発生する点がデメリットです。
「金貨とは」も参照してください。
純金積立
純金積立は、金を定期的に購入する方法で、定額積立や定量積立のオプションがあります。
少額から始められ、計画的な資産形成が可能ですが、市場の変動によって損失が生じるリスクもあります。
金融機関によっては、積み立てた金を容易に引き出せない場合もあるため、事前の確認が必要です。
「純金積立はやめとけ」といわれる理由についてもご覧ください。
投資信託
投資信託は、専門家に資産運用を委託する方法です。
現物の金を直接扱う必要はなく、少額からの投資が可能です。
しかし、運用コストが発生する点がデメリットです。また、より柔軟な取引が可能なETF(上場投資信託)の選択肢もあります。
金先物取引
金先物取引は、将来の金価格を予想して利益を狙う方法です。
レバレッジを利用することで、少額の投資で大きな利益を得る可能性がありますが、逆に大きな損失のリスクもあります。
市場の動向を綿密に分析し、リスク管理が可能な投資家に適しています。
まとめ
金価格の動きはいくつかの要因に影響され、簡単に予測できません。
経済の安定から金利の変動、地政学的リスクの減少、市場の供給過多、そして国際的な通貨政策の変化まで、金価格にはさまざまな力が働いています。
このような金市場に関する知識を持っておくことは、賢明な投資家にとって金価格の推移を理解し、適切な戦略を立てる上で重要です。
そして、金を売ろうと考え始めたら、金を扱っている買取業者に査定を依頼するとよいでしょう。
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