翡翠は買取対象になる?翡翠の特徴と買取価格を決める要素も解説
翡翠(ひすい)は、深い緑色の輝きが魅力的な宝石です。特にアジアで人気があり、古来より装飾品などによく使用されています。パワーストーンとしての魅力も知られており、翡翠のジュエリーやアクセサリーを持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、翡翠がそもそも買取対象になるかどうか、そして買取価格がどのような要素によって決まるのかなどを中心に解説していきます。
翡翠の売却を検討中の方はぜひ最後までご覧いただき、役立ててください。
翡翠は買取対象になる?
結論からいうと、翡翠は買取業者による買取対象になります。
翡翠は特に中国や東南アジアなどを中心に人気があり、文化的・歴史的背景から、買い手を見つけやすい鉱物です。このため高額なものでなくとも、扱いやすいため買取対象となります。
さらに高品質で希少な翡翠については、宝石市場でもほかの宝石と遜色なく、高値で取引されることがあります。歴史的な背景が明確なものなら、さらに希少価値があり高価買取が期待できるので、ぜひ当記事を参考にお手持ちの翡翠をチェックしてみましょう。
翡翠の買取価格を決める5つの要素
では、翡翠の買取価格はどのような要素によって決まってくるのでしょうか?
ここからは翡翠の買取価格を決める5つの要素に絞って、具体例を交えて説明します。
翡翠の買取価格を決める要素①:色
第1の要素は「色」です。典型的な色は緑色ですが、翡翠に含まれる物質によって、バリエーションが豊富です。中でも緑色と紫色の翡翠はその美しさから、一般的な宝石としての価値があります。
特に高い価値を持つ翡翠は「琅かん(ろうかん)」と呼ばれます。透明度が高く、鮮やかで濃いエメラルドグリーンの色が特徴です。茶色などの色の混じりがないものが、特に高値で取引されています。
アメリカの資産家バーバラ・ハットン所有の「ハットンムディヴァーニネックレス」には、27個の大粒の翡翠が使用され、色と透明度が完璧にそろっている点が特徴です。このネックレスは2014年に「サザビーズ香港オークション」に出品され、翡翠のアクセサリーとして史上最高額30億円で取引が成立しました。落札したのは、なんとあの「カルティエ」だったことから、ちょっとしたニュースになりました。
翡翠の買取価格を決める要素②:産地
第2の要素は「産地」です。翡翠の多くはミャンマーで産出され、品質の高さで知られています。
日本でもミャンマー産の翡翠は古くから知られており、身分の高い貴族などの間で、装身具や勾玉などの形で広まっていましたが、奈良時代以降は見られなくなったこともあり、後に中国から伝わったものと考えられていました。
しかし昭和初期になり、新潟県糸魚川の小滝川で翡翠の石が発見されたことから、日本でも産出することがわかりました。現在市場に流通している翡翠のほとんどはミャンマー産ですが、糸魚川産の翡翠も限られた量が流通しています。
特に糸魚川産の翡翠は、鮮やかな緑色と美しい輝きが特徴で、翡翠コレクターの間で高い評価を受けています。
翡翠の買取価格を決める要素③:透明度
第3の要素は「透明度」です。透明度が高いほど翡翠の石の奥まで透けて見え、美しさが際立つため、翡翠の価値も高まります。特に最高級の「琅かん(ろうかん)」であれば、翡翠の透明度が高く、石の下にある新聞の文字まで読めるとさえいわれています。
翡翠の透明度が高いことに加え、内包物や傷が少ないことも重要です。内包物・傷の少なさは翡翠の品質を示す重要な指標となります。
翡翠の買取価格を決める要素④:加工処理の違い
ここからは、翡翠の価値を左右する要素として加工処理の違いを解説します。翡翠は加工手法や加工の程度によってA~C貨に分類されており、そのいずれに該当するかによって価値が変わってきます。
A貨(Aタイプ)
特に価値の高いランクであるA貨は、必要最低限の研磨や加工が施され、ほぼ天然の状態に近いものです。宝石としての価値があり「天然翡翠」または「本翡翠」と呼ばれています。
石の表面のざらつきを研磨し、無色のワックスで加工されますが、翡翠の価値が損なわれることはありません。むしろ、翡翠の天然の美しさが引き立ち、輝きが強くなります。
B貨(Bタイプ)
B貨に分類される翡翠は、透明度を向上させるために漂白処理を施したり、鮮やかな色を出すために樹脂による処理などが行われます。見た目を天然の翡翠に近づけたり、ひび割れを防止する効果が期待されますが、宝石としての価値は認められません。
B貨の翡翠は比較的安価な価格で販売されており、見た目もキレイなのですが、購入時には注意が必要です。B貨は天然石とは異なる特性があり、自然の力が生み出す美しさやエネルギーは感じられません。
C貨(Cタイプ)
C貨は、人工翡翠と呼ばれます。翡翠の破片や粉末を凝縮して成形するなどの加工をしたり、染色処理を施して人気のある色合いに似せたものです。C貨には宝石としての価値はありません。天然の翡翠とは、見た目も美しさも異なります。
翡翠の買取価格を決める要素⑤:硬玉(ジェダイト)か軟玉(ネフライト)か
翡翠は硬玉(ジェダイト)と、軟玉(ネフライト)の2種類に分類されます。
硬玉は、翡翠輝石を50%以上含みます。結晶の繊維が直角に交差しており、光を当てると黒い繊維状の組織が直角に交わっていることが分かります。日本では硬玉のみが「本翡翠」と呼ばれて宝石としての価値が認められており、それ以外は宝石として扱われません。
一方軟玉は、翡翠輝石を含まないものを指し、光を当てると結晶の繊維が100°より広い角度で交わっているのが特徴です。日本では宝石としての価値は認められませんが、中国では古くから重宝されています。
特に中国新疆ウィグル自治区のホータン地区で産出される真っ白い軟玉は「和田玉」(ほーたんぎょく)と呼ばれ、その中でも透明度が高いものは「羊脂玉」(ようしぎょく)として皇帝へ献上されていました。
翡翠のアクセサリーの種類と買取相場
翡翠のアクセサリーの種類に応じて、公開情報を参考に買取相場をまとめました。
実際は装飾に使われる貴金属の有無・保存状態・使用感などによって価格は異なりますので、買取に出す際の参考としてください。
翡翠のアクセサリーの種類 | 買取相場(参考) |
ブレスレット | 8,000円~(ホワイトゴールドなどほかの貴金属とのセットや、使用されている翡翠の数によって、10数万円以上の値が付くケースもある) |
ペンダントトップ | 14,000円~(加工・処理方法によって、価格に大きな幅がある) |
勾玉 | 勾玉そのものの買取実績は、公開情報では把握が困難。美術品・骨董品としての価値の有無がポイントになる。 |
指輪 | 11,000円~ |
ネックレス | 22,000円~ |
翡翠の知られざる効果とは
実は翡翠には、パワーストーンとしての効果も期待されることを知ってますか?
ここからは古来よりパワーストーンとしても知られてきた翡翠の効果について、色の違いを含めて紹介します。
太古の昔からお守りやパワーストーンとして重宝されてきた
翡翠は古代より護符にも用いられてきました。その理由は翡翠の硬さにあります。ダイヤモンドより硬度が低いのですが、翡翠の粒子は強固に結びつく結晶構造であり、割れにくい特徴があります。そのため太古の昔より、世界各地で武器や石器の材料として広く利用されてきたのです。
さらに「不老長寿の石」として、世界各国で高貴な身分の人物を埋葬する際に神への贈り物として供えられ、現世と霊界をつなぐ不老不死のシンボルとして、死者の再生をもたらすと信じられたそうです。きっとエジプトのミイラと同じような考えがあったのでしょう。
中国の思想家である孔子は、翡翠を「魂と心を統一する石」と信じました。中国の商人は翡翠を護符として右手に握り、商談に臨んだといわれています。
日本では縄文時代の身分が高い人の古墳から翡翠の勾玉が出土しており、例えば出雲大社に収蔵されている美しい光を放つ緑色の勾玉が有名です。
青色や緑色系の翡翠
青色や緑色系の翡翠は、乱れた心を落ち着ける効果が期待でき、不安や焦りをやわらげ、ストレスを軽減すると考えられています。思考力や分析力を高める効果も期待され、勉強に集中したい時や問題解決力を高めたいときによいとされています。
赤色系の翡翠
赤色系の翡翠は目標達成に不可欠な実行力を与えるとされており、数々の障壁を乗り越え、幸運を引き寄せる意味があります。魔よけの効果も期待できるので、不幸なエネルギーをブロックし、トラブルから持ち主を守ると考えられています。
黄色系の翡翠
持ち主の健康状態を安定させるとされているので、特に消化不良や便秘に悩む方には、黄色系の翡翠が好まれるようです。
実は偽物も多い翡翠!本物を見分けるポイントは?
翡翠は偽物が多いのが特徴です。本物と偽物を見分けるのが難しく、専門家でも判断に苦労するといわれています。
最近は染色技術の進歩が著しいので、肉眼だけでは鑑別が困難です。このため翡翠の正式な鑑定には、専門の鑑識機器が使用されることがあります。
本物かどうか見分けたいときは、買取業者に相談するのがおすすめですが、ここで紹介する方法で、ある程度本物か偽物かを見分けることが可能です。
翡翠にライトをあててみる
翡翠をライトや太陽光で裏から透かしてみましょう。
もし石目に沿って不自然に色が濃くなっている場合は、偽物の可能性があります。不自然な色の濃さは染められた翡翠の特徴です。染料が石目にしっかりと浸透するよう加工された可能性があります。
一方、天然の翡翠の場合、ライトや太陽光で透かしてみると、石目の色は薄くなる傾向がありますので見分けがつきます。
宝石としての価値があるのはA貨だけ
A貨の翡翠には、天然石に特有のくぼみ以外にも、黄色や黒色の斑点などが少し見つかることがあるのが自然です。一方、表面が非常に滑らかでデコボコや斑点がなく、それでいてお手ごろな価格であれば、ポリマー樹脂加工されたB貨の翡翠かもしれません。
高価なものを入手する際は必ず鑑別書を確認
数万~数十万円する翡翠はA貨のはずですが、偽物と間違って買ってしまったら大損害です。高価な翡翠を購入する場合は、必ず鑑別書をしっかり確認しましょう。
翡翠の特徴と瑪瑙(メノウ)との見分け方
翡翠に特徴がよく似ている鉱物に、瑪瑙(メノウ)があります。
翡翠と瑪瑙はどのように見分ければよいのでしょうか?それぞれの特徴について理解を深め、翡翠か瑪瑙かを見分けるのに役立ててください。
瑪瑙(メノウ)とは?
瑪瑙は、石英の変種である玉髄(ぎょくずい)の一種であり、色や透明度の異なる層状の縞模様を持つ半透明の石です。瑪瑙という名前は、その断面が馬の脳に似ていることから名づけられました。
瑪瑙は火成岩や堆積岩の空洞内に熱水が侵入し、熱水中に溶け込んでいたケイ酸分が微細な結晶となり、層状に沈殿することで生み出されます。その際、周囲の環境や熱水中の成分濃度の変化によって、層の色に違いが生じるのが特徴です。
瑪瑙自体は一般的な鉱物であり、翡翠と違って希少価値は低いですが、翡翠と同様、彫刻などの美術品などに広く活用されており、世界中で高く評価されています。
翡翠と瑪瑙の違いとは?
では翡翠と瑪瑙はどうやって見分ければよいのでしょうか。
第1に、音を聞く方法があります。翡翠同士を軽くぶつけると、翡翠の内部構造が非常に緻密なため、キンキンと澄んだ音がします。
第2は、重さを確かめる方法です。翡翠の比重は3.2で、瑪瑙の比重は2.6とされており、翡翠の方が少し重く感じられます。
ただし、どちらも鑑別機器なしで見分けるのは簡単ではありません。迷ったら、買取業者に聞いてみましょう。
そもそも翡翠(ひすい)とは?
ここでは翡翠の特徴や由来について、改めてご紹介します。
鉱物としての特徴
翡翠は美しい緑色が特徴の、半透明な宝石です。翡翠には2種類あり、硬玉(ジェダイト)つまり翡翠輝石と、軟玉(ネフライト)に分けられます。化学組成が全く異なる2つの鉱物ですが、見た目では判別が難しいため、19世紀中ごろまで同じ「翡翠」として扱われてきました。
宝石として価値が高いのは翡翠輝石の方です。軟玉(ネフライト)と区別するため、翡翠輝石を本翡翠と呼ぶことが一般的です。
翡翠という名前の由来
翡翠の名前は、鮮やかな青や緑の羽を持つ鳥カワセミに似ていることに由来しています。漢字の翡が「雄」、翠が「雌」です。古くから世界中で珍重され、とりわけ古代中国では、美しく価値のある石を意味する「玉(ぎょく)」と呼ばれてきた歴史があります。
翡翠は日本の「国石」に指定
一般社団法人日本鉱物科学会は、2016年9月24日の総会で、翡翠を国石として正式に選定しました。
その理由は、翡翠が日本国内でも広く知られ、美しい石としても有名であること、鉱物科学だけでなく、幅広い分野で重要な役割を果たしていることなどです。
翡翠輝石は、日本列島のようなプレート収束域の冷たい地温勾配の環境下で形成されると考えられ、日本では糸魚川市の縄文時代前期の遺跡からも出土しており、まさしく日本のシンボルとしてふさわしい石と認められたのです。
日本では新潟県糸魚川が主な産地
日本では新潟県糸魚川が主な産地です。今でも翡翠を探しに、多くの観光客が訪れており、採取が許されている糸魚川下流の「ヒスイ海岸」では、実際に翡翠の原石を見つけることができると人気です。
特に見つけやすいのが、雪解け水が流れてくる春先(3~5月ごろ)といわれています。
海外の産地はどこ?
翡翠は、海外でも産出されています。主要産出国はミャンマーとグアテマラです。
ミャンマーでは、18世紀ごろからカチン州で翡翠が産出されており、世界で一番の産出量を誇ります。中国で流通する翡翠は、ミャンマーから中国に持ち込まれ、香港で加工されて市場に出回っています。非常に硬度が高く、美しい緑色が特徴で人気があります。
南米グアテマラでも高品質で硬度の高い翡翠が産出されますが、ミャンマーに生産量は及びません。グアテマラ産の翡翠は、色と種類が豊富なのが特徴です。
翡翠の買取なら、うるココへご相談ください
以上、当記事では、翡翠が買取対象であること、そして買取価格を決める要素などについて説明してきました。
翡翠はほかの宝石よりも身近な存在といえますが、偽物も多く出回っており、買取を依頼する際は注意が必要です。
もし翡翠の原石や彫刻、あるいはリングやネックレスなどのアクセサリーを持っていて、売却を検討したいとお考えの方は、ぜひ一度買取業者「うるココ」へご相談ください。
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