ルイヴィトン ダミエのお手入れ方法
ルイヴィトン ダミエに使用されているトアル地やヌメ革のお手入れ・保管方法をご紹介します。
お手入れや保管方法に気を付けることで素材の美しさを保ちながら、長期にわたって使用することができます。
ルイヴィトン ダミエとは?
「ダミエ」とはルイヴィトンの定番ラインのひとつです。
市松模様を基調としたシンプルかつ高級感のあるデザインで、同じ定番ラインであるモノグラムと並び世界中で人気を集めています。
ルイヴィトン ダミエの素材
ダミエに使用されている素材は、主にトアル地と呼ばれる合成皮革となります。
またバッグなどのアイテムの場合には、ショルダーベルトなどのパーツ部分にヌメ革がアクセントとして使用されているパターンが多く見られます。
ダミエ・キャンバス
ダミエ・キャンバスには主に「トアル地」が使用されています。
トアル地とは、丈夫な綿素材(キャンバス地)にPVC(塩化ビニル樹脂)をコーティング加工した合成皮革です。
見た目は本革にそっくりですが、本革よりも傷が付きにくくお手入れがしやすいという特徴があります。
ヌメ革
ヌメ革は植物の渋等に含まれるタンニンと呼ばれる成分を使って牛の原皮をなめし、表面加工をほとんど施さずに仕上げた革で、柔らかで上質な風合いが特徴です。
使い込むほど美しいあめ色に変化し、ヌメ革特有のツヤが増すなど革本来の経年変化(エイジング)を楽しむことができます。
お手入れする際に準備するもの
お手入れの際には以下の物が必要です。
- 毛質の柔らかいブラシ
- 中性洗剤
- 柔らかい布 数枚
- フッ素系防水スプレー(革の呼吸を妨げないフッ素系がおすすめ)
- ヌメ革用のオイルやクリーム(ヌメ革をしたアイテムの場合)
ダミエ・キャンバス(表面)のお手入れ方法
ここではダミエ・キャンバスなどに使用されているトアル地のお手入れ方法をご紹介します。
同様にトアル地を使用したモノグラムラインも今からご紹介する手順でお手入れする事ができますので、ぜひ参考にしてください。
ブラッシング
最初のお手入れはブラッシングから始めます。
毛質の柔らかいブラシを使用し、表面に付着したホコリを落とします。
縫い目の部分に汚れが溜まりやすいため縫い目部分を重点的にブラッシングすると効果的です。
クリーニング
次に中性洗剤を溶かした水を用意し、柔らかい布を軽く湿らせます。
その布でダミエ・キャンバスの表面を拭き、汚れを落とします。
使用する中性洗剤は、食器用の洗剤が手軽に入手できるためおすすめです。
汚れを落とした後は仕上げに軽く水で湿らせた柔らかい布で拭き、洗剤成分を落とします。
その後乾いた布で水気を完全に拭き取ります。
上記の方法で簡単に汚れを落とすことができますが、トアル地にプリントが施されている場合は摩擦によりプリントが剥がれる可能性があるため注意が必要です。
なるべくプリント部分を避け、強くこすらずにポンポンと軽く叩くように汚れを落とすということを心がけるようにしましょう。
陰干し
汚れを落としたあとは、風通しがよく直射日光の当たらない場所で陰干しします。
完全に乾燥させ、水分を残さないという事が大切です。
防水スプレー
防水スプレーには水を弾く効果の他にも、汚れの付着を予防するという効果があります。
仕上げに防水スプレーをかけておくことで、再度汚れてしまった場合でも柔らかい布で拭き取るだけで簡単に汚れを落とすことができます。
革の呼吸を妨げない「フッ素系」の防水スプレーがおすすめです。
保管方法
湿度が高く気温の変化が大きい日本は、合皮製品の劣化現象である加水分解が起きやすい環境です。
ダミエやモノグラムに使用しているトアル地も合成皮革のため保管方法には注意が必要です。
《加水分解とは?》
合成皮革に含まれる塩化ビニル樹脂が空気中の水分や紫外線、高温にさらされる事によって生地表面にベタつきやひび割れが発生する事。
経年劣化による加水分解を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、高温になる場所を避け、通気性の良い環境で保管することで素材を長持ちさせることができます。
保管の際には不織布のような通気性の良い袋に入れ替える事がおすすめです。
バックなどのアイテムの場合は、丸めた新聞紙を中に入れておくことで型くずれを防ぐことができます。
ヌメ革のお手入れ方法
ヌメ革は丁寧にお手入れすることで独特の経年変化「エイジング」を楽しむことができます。
一方で、適切に扱わなければシミ・カビなどのトラブルが発生してしまうデリケートな素材です。
ここではそんなヌメ革製品を長持ちさせるための正しいお手入れ方法をご紹介致します。
ブラッシング
ヌメ革は革の中でもブラッシングの効果が高く、日頃のお手入れはブラッシングだけで十分です。
表面を優しくブラッシングするだけでもホコリや表面に付着している手の油分・汗などに含まれる不純物や塩分などの汚れを落とすことが出来ます。
特に縫い目部分には汚れが溜まりやすいため、縫い目を意識してブラッシングすると効果的です。
また、ブラッシングをすることで革表面のキメを均一に整えることができるため、浅い傷であれば目立たなくなり、革にツヤを与えることができます。
クリームでスペシャルケア(月1回程度)
革の乾燥を防ぐために、ヌメ革用のオイルやクリームで定期的に潤いを補充する必要があります。
クリームでケアをせず数カ月使用していると革の表面が乾燥し始め、ひび割れなどの原因となります。
見た目も艶が無くなり、本来の美しさを楽しめなくなります。
クリームの種類には保湿効果の他にも撥水効果やエイジングの促進効果がある物もあります。
月に1回程度、デリケートクリームやヌメ革用クリームなどを薄く塗り、仕上げにやわらかい綿の布で乾拭きし、余分なクリームをふき取ります。
表面にクリームが多く残っているとかえって汚れやシミの原因となるため注意が必要です。
保管方法
ヌメ革は湿気に弱く、保管状態が悪いとカビが生えることがあります。
高温多湿の場所は避け、風通しのよい場所で保管するようにしましょう。
長期保管する場合は、汚れを落とし革用クリーム等でケアした後、不織布の袋など通気性の高い袋に入れて保管するようにしましょう。
さらにバックなどのアイテムの場合は新聞紙を丸めて入れておくことで型くずれを防ぐことができます。
お手入れ時の注意点
ルイヴィトン製品のお手入れの際は、以下の2つの点に注意する必要があります。
- 生地を傷めないように、素材に合ったケアアイテムを使用すること
- 水洗いでのお手入れは避けること
特に、ダミエ・ヌメ革は、共に水分に弱いという性質があり、カビやシミの原因にもなるため水洗いは避けたほうが良いでしょう。
シミ、変色を防ぐためのケア
ここでは、ヌメ革のシミや変色を防ぐためのさらなるケア方法をご紹介します。
《使用前のケア》
- 日光に当ててから使用する(新品の時に1度)
- 革用クリームで水分、油分を補給する
- フッ素系防水スプレーで保護する(毎日使用するアイテムの場合1ヶ月に1度程度)
ヌメ革は、新品のまま使用すると日焼けによる色ムラが出やすくなります。
日光に当て、ある程度エイジングを進めてから使用すると色ムラの発生を抑えることができます。
その後は革用クリームで保湿し、乾拭きし、仕上げに革の通気性を損ねないフッ素系の防水スプレーを均一にふりかけます。
《使用後のケア》
- 汚れを落とす
- 革用クリームで水分、油分を補給する(アイテムを毎日使用した場合、月に1度程度)
使用後は早めに汚れを落とすことが大切です。
ヌメ革の日々のケアはブラッシングで十分とされているため使用後の習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ルイ・ヴィトン「ダミエ」には主にトアル地やヌメ革といった素材が使用されています。
トアル地は丈夫な綿素材(キャンバス地)にPVC(塩化ビニル樹脂)をコーティング加工した合成皮革で、比較的お手入れしやすいという特徴があります。
ヌメ革は経年変化による美しい色合いの変化が楽しめ柔らかで上質な風合いが特徴です。一方で水に弱く、シミや変色が発生しやすいという性質があるため、品質を保つには日々のお手入れが重要となります。
ルイ・ヴィトンの製品は、高品質で丈夫な素材を使用しているため常日頃からお手入れや保管に気を配ることで長期にわたって使用することができます。
ぜひ本記事を参考に、あなたの大切なルイ・ヴィトン製品をお手入れしてみてはいかがでしょうか。