金・ドルの相関関係とは?ベストな売却タイミングを知る
段階的に物価が上昇する、インフレが続く昨今。
多くの商品が値上がりする一方で、賃金は上がらず、消費者にとっては辛い毎日が続きますね。
その中で今、インフレ時に高値で売りやすく、アクセサリーとしても人気な「金」への注目が集まっています。
「少しでも高く売りたいけど、いつ売ればいいの?」
「金の価格って、何が原因で変わるの?」
このような疑問をお持ちの方に、以下をご紹介します。
- 金・ドルの相関関係
- 金・米金利の相関関係
- 金とドルの世界通貨としての性質
- 金が人気な理由
- 金価格の上昇要因
- 金相場の高騰
- 金の売却タイミング
まず理解しておきたいのが、金の価格とドル相場の相関関係です。金の適切な売却タイミングを知るには、ドル相場の把握が欠かせません。
この記事を読めば、適切な金の売却に必要な知識が身につきます。
なおこちらの情報は、すべて2023年5月時点をもとに作成しています。
金・ドルの相関関係
金の価格に大きく影響を与えるのが、世界の基軸通貨として取引される「米ドル」です。
一般的には、ドルの価値が上がれば商品や資産の価値も上がり、ドルの価値が下がれば商品や資産の価値も下がります。一方で金は、ドルの価値が下がったときに、これ以上損害を出さないための安全な資産として、多く買い求められます。
そのため、米ドルの価値が低くなると金の需要は高まり、値上がりしやすくなるのです。
ドルの価値 上がる | 金 値下がり |
ドルの価値 下がる | 金 値上がり |
このように、一方が上がると片方が下がるため、金と米ドルには逆相関関係があるとされています。
しかし、金とドルは必ずしも逆相関関係にならない場合もあります。
金を含む為替市場には、世界情勢が複雑に関係しているため、時として通常と異なる値動きを見せるためです。
経済面や治安面からくる安心感や不安感で、金もドルも両方値上がりしたり、反対に両方値下がりする場合もあります。
金とドルの値動きを見るときは、必ずしも逆相関関係にならない点に注意しましょう。
金・米金利の相関関係
金の取引で米ドルの値動きを見るときは、米金利動向も意識するとさらに把握しやすくなるのでおすすめです。
2つの通貨を売買するときの交換比率が「為替」で、この為替により米ドルや日本円の価値は変動します。そして為替とともにお金の価値を左右するのが、各国の金利状況です。
一般的に、お金は金利が高いところに集まります。
金利が高いほど、預金や資産運用のメリットが得やすくなるためです。
日本と米国で見ると、金利の低い日本よりも金利が高い米国にお金が集まるため、米ドルの価値は上昇。
反対に円の価値は下がり、円安ドル高の状況になります。
このように米金利の上昇が大きければ、米ドルの価値は上昇しやすくなり、反対に米金利が下落すれば米ドルの価値も下がります。
米金利 上昇 | 米ドル価値 上がる |
米金利 下落 | 米ドル価値 下がる |
金とドルの値動きは、基本的に逆相関関係のため、米金利が上昇すれば金は値下がりし、米金利が下落すれば金は値上がりします。
米金利 上昇 | 金 値下がり |
米金利 下落 | 金 値上がり |
より満足のいく金の取引をするためには、米ドルの値動きとあわせ、米金利の動向も確認しておくとよいでしょう。
金もドルも世界共通の通貨としての性質を持つ
経済大国アメリカの通貨である米ドルは、世界市場での影響力も強く、世界の基軸通貨と見なされています。
一方で、金もかつては各国で金貨として使用されていました。金=資産という認識は、現代でも浸透していますね。
美しさと加工のしやすさから、金はアクセサリーとしても人気です。また耐久性と安定性の高さから、精密機器の基盤にも利用されており、使用価値がなくなるとは考えられません。
さらに金は、世界共通で利用される金属であり、特定の国の状況に依存しないのも特徴です。
このように、金もドルも世界共通の通貨としての性質を持つ点が、相互に影響しあう大きな理由のひとつです。
金が人気である理由
古来より、金が貨幣やアクセサリーとして価値を見出されてきた理由は、単に見た目の美しさだけではありません。
金が人気であり、高値で取引される理由は、次の33点です。
- 加工がしやすい
- 腐食しにくい
- 埋蔵量が少ない
金は金属の中でも柔らかく加工がしやすく、貨幣やアクセサリーとして広く活用されてきました。
また金には、「イオン化傾向が低い」という特性があります。
イオン化傾向とは、水や水溶液中での、金属の陽イオン化しやすさを示した尺度です。陽イオンになって溶けだした金属は、酸素や水と結び付いて「錆」となり、腐食が進みます。金はこのイオン化傾向が低く腐食しにくいため、長年貯蔵するのに適しています。
さらに現在考えられている金の埋蔵量は、地球上で約54,000トン。仮に現在の年間産出量3,000トンのペースで採り続けると、10年も経たずに掘りつくしてしまいます。
埋蔵量が限られているのも、希少性から価値が高まる理由です。
金価格の上昇に影響を与える要因
金の価格は変動しやすく、大きく上昇する場合もあります。
価格の上昇に影響を与えるのは、以下の4つの要因です。
- 地政学的リスク
- インフレ対策
- 金への需要と供給バランス
- 円安の進行
それぞれ具体的に紹介します。また、必要に応じて「金価格は今後どうなる?」の記事も参照してください。
地政学的リスク
地政学的リスクとは、特定地域での政治的や軍事的な緊張が、地理的な位置関係によって、世界経済や特定商品の価格に影響を及ぼすリスクを指します。
例えば、ロシアのウクライナ侵攻により、世界の原油供給量の17%を占めていたロシアからの原油供給が不安定になりました。
その後、軍事的需要も相まって、原油価格は高騰。ガソリン価格に大きな影響を及ぼしました。
このように戦争やテロなど不安定な社会情勢が続くと、自分の資産を守ろうとする意識がはたらき、安定した資産を求める人が多くなります。
「有事の金」という言葉があるように、社会不安が高まると、金は買われやすくなります。地政学的リスクが高まると金の需要も高まり、価格が上昇しやすくなるのです。
インフレ対策
インフレとは物の価値が段階的に上昇し、相対的にお金の価値が下がる現象です。
インフレには「良いインフレ」「悪いインフレ」の2種類があります。
景気が拡大し、物価上昇と共に賃金も上がるのが良いインフレ。景気に関係なく物価だけが上昇し、家計を圧迫するのが悪いインフレです。
インフレでお金の価値が下がるのに対し、金は現物資産です。一度現金を金に変えてしまえば、インフレ時も価値は下がりません。金がインフレに強いとされるのは、このように急激な変化の中でも、自分の資産を守りやすくなるためです。
インフレが懸念される局面では、多くの人が価格が上がる前に金の購入を検討するため、需要が高まり価格も上昇します。
金への需要と供給バランス
現在、世界の金需要の半分を占めているのは、中国とインドです。
昔から中国では富は権力の象徴であり、現在でも金は富の象徴として人々に好まれています。
中国の次に金の消費量が多いインドでは、紛争などの有事でもすぐ身に付けて逃げられる金のアクセサリーは特に好まれ、金への信頼もあついです。これはインドが歴史的に経験してきた、紙幣の価値が突然ゼロになるほどの極端なインフレに起因します。
この2ヵ国以外にも、近年では精密機器の基盤での利用など、工業利用の面からも金の需要は高まっています。
しかし金の埋蔵量には限りがあり、産出量も減少傾向です。
高まる需要に供給が追いつかず、バランスがとれていないのも、金の価格が高くなる理由です。
円安の進行
金を日本へ輸入するときは、ドルと円の為替相場に大きく価格が影響されます。
実際、為替の平均が1ドル111.45円であった、2018年の金の価格は平均して4,543円/gでした。
しかし為替の平均が1ドル132.63円まで上昇した2022年では、金の価格は平均して7,649円/gにまで上がっています。
なお、消費税率の変更があるため、価格は全て税抜で記載しています。
年 | 為替T.T.S平均(円) | 金 平均価格 円/g |
2022 | 132.63 | 7,649 |
2021 | 110.80 | 6,402 |
2020 | 107.77 | 6,122 |
2019 | 110.03 | 4,918 |
2018 | 111.45 | 4,543 |
国内で金の取引を行う場合は、ドルと円の為替相場の影響を考え、現在の円安状況を把握しておくとよいでしょう。
金相場は高騰している
長期的にみれば、今後しばらくの間、金の高騰は続くと予想されています。しかし、いつ現在の社会情勢が変わるかは、誰にもわかりません。
2018年以降、新型コロナウイルスの流行やロシアによるウクライナ侵攻で、社会情勢が不安定な状態が続き、経済や治安への不安から金の需要は高まっています。
一方で地球上の金の埋蔵量には限りがあり、供給に対して需要過多の状態です。
また将来的に、世界情勢に影響を及ぼす可能性のある事象が「台湾有事」です。これは台湾の再統一を目指す、中国による軍事侵攻です。今後の金相場を予想するうえでは、この台湾有事にも目を向ける必要があるでしょう。
金相場はさまざまな要因に影響を受けるため、今後も注意深く推移を見続ける姿勢が必要です。
金価格の相場を理解して売却タイミングを見極める
金の売りどきを見極めることは、大切です。金の相場を理解し、適切なタイミングで売却すれば、多くの利益を得ることができます。
金の価格が高騰している現在は、売却を希望する方にとっては適したタイミングです。長年続いた金の需要過多による値上がりが、ウクライナ情勢や新型コロナウイルスの流行などで、さらに拍車がかかっている状態だからです。
しかし今後の社会情勢の変化により、金はいつ値下がりするかわかりません。
長期的に金を所持する予定がなく、売却を検討しているのなら、何よりもチャンスを逃さず行動するのが大切です。
売却のタイミングを逃さないためにも、日頃から米ドル相場や金利動向に注意を払い、値動きの流れや相場観を意識するとよいでしょう。
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金とドル、および金と米金利の相関関係と、金の価格上昇に影響を与える要因についてご紹介しました。
売却のタイミングははかれても、実際の売却額の算出は、やはり専門の鑑定士に依頼するのが最適です。
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