金でも金属アレルギーになる!?アレルギーになりにくい素材なども紹介!
「金は金属アレルギーになる?」
「金属アレルギーにならない素材はあるの?」
金が金属アレルギーの原因になるかどうか、気になっている方もいるのではないでしょうか。
金は金属アレルギーになりにくいですが、金以外の貴金属が原因でアレルギーを発症することもあるため注意が必要です。
そこで、この記事では金属アレルギーになりやすい素材となりにくい素材、金属アレルギーの症状や特徴、アクセサリーを身に付けるときの注意点などを紹介します。
この記事を読めば金属アレルギーの原因や、大切なアクセサリーを安心して楽しむための知識が身に付きます。
金は金属アレルギーになる?18金でもなる可能性あり
金のアクセサリーで18Kなどと記載のある18金のアクセサリーを選び、身につけている方もいるのではないでしょうか。
金の含有量が75%のものを18金と呼びますが、24金以外の金には銀やパラジウム、銅などが含まれているため、金属アレルギーを発症する可能性があります。
金属アレルギーが起こる原因
金で金属アレルギーが起こる原因には、イオン化傾向と酸化還元電位が関係しています。それぞれ詳しく解説します。
イオン化傾向
イオン化傾向とは、金属が水の中で原子がイオン化することをいいます。イオン化傾向が高い金属ほどイオン化しやすく、イオン化傾向が小さい金属はイオン化しにくい傾向にあります。
金はイオン化傾向が低いですが、全くイオン化しない訳ではありません。そのため、金でも金属アレルギーになることがあります。
金属は汗や唾液に触れると溶けやすくなる性質があり、溶けた金属はイオン化します。イオン化した金属が体のタンパク質と結合することにより、体が「異物」と判断してかゆくなったり、赤くなったりするのです。
このように、イオン化傾向が金属アレルギーの発症に関係があります。
酸化還元電位
酸化還元電位とは、酸化させる力と還元させる力の差を表した数値のことを指します。主な、金属の酸化還元電位の数値は、以下の通りです。
- 鉄 −0.4402ボルト
- ニッケル −0.25ボルト
- 銅 +0.3419ボルト
- 銀 +0.7996ボルト
- 金 +1.5ボルト
酸化還元電位の数値が低いほど酸化する力が強いためアレルギー反応が出やすく、数値が高いほど酸化しにくいためアレルギー反応が出にくいといわれています。
金は酸化還元電位の数値が高く、酸化しにくいため、金属アレルギーになりにくい素材です。
しかし、金のアクセサリーに含まれる鉄やニッケル、銅などは酸化還元電位の数値が低く、酸化しやすいため、アレルギーの原因となることがあります。
金属アレルギーの症状&特徴
金属アレルギーは接触した部分に症状が起こる「局所性の接触皮膚炎」と、全身に症状が現れる「全身性の金属皮膚炎」の2つにわけられます。それぞれの症状や特徴を詳しく見ていきましょう。
局所性の接触性皮膚炎
接触性皮膚炎とは、特定の物質が直接肌に触れたことで起きる炎症で「かぶれ」とも呼ばれています。
腕時計やピアス、ネックレスなどアクセサリーを身に付けるときに起こりやすく、金属との接触箇所が赤くなったりかゆくなったり、水ぶくれになるなどの炎症が見られます。
接触性皮膚炎は原因となったアクセサリーなどを外して、数日後に治ることがほとんどです。
全身性の金属皮膚炎
全身性の金属皮膚炎は、体の中にある金属によって起こるアレルギー反応です。
手のひらや足の裏、背中に水ぶくれや膿疱、口内炎ができるのが特徴です。
主な原因は食品ですが、普段から使う化粧品や歯科で使われている金歯や銀歯などの金属も、皮膚や粘膜から体に吸収されます。
これらの症状は、金属が体の中から排出されると症状が軽くなることがほとんどです。
金属アレルギーが起こりやすい素材5つ
素材によって金属アレルギーになりやすいかどうかが異なります。アレルギーが起こりやすい素材は以下の5つです。
- パラジウム
- ニッケル
- 銅
- コバルト
- 他の金属が含まれている金
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
パラジウム
パラジウムは錆びにくく、変色もしにくいシルバーホワイトの金属で、柔らかくて加工がしやすいのが特徴です。プラチナや金には、パラジウムが割り金として使われていることが多いです。
特に、プラチナはパラジウムと素材が似ており相性が良いため、かなりの確率で入っていると思って良いでしょう。
また、近年人気が高いカラーゴールドの「ホワイトゴールド」や「シャンパンゴールド」や歯科治療の銀歯、メガネのフレームにも使われています。
ニッケル
ニッケルは安価ということもあり、多くのアクセサリーにメッキとして使用されていますが、金属アレルギーになる可能性が一番高いといわれています
ニッケルは、日常で良く触れる機会のある100円玉や50円玉などの硬貨スプーン・フォーク・調理器具などにも使用されています。
銅
銅はパラジウムやニッケルに比べると汗に溶け出しにくい金属ですが、銅も金属アレルギーになりやすい金属のひとつです。
銅の美しい色味や光沢により金の割り金として使用されることが多く、「ピンクゴールド」や「イエローゴールド」などのカラーゴールドに良く使われています。
カラーゴールドの種類で銅の含有量が異なるため、アクセサリーを選ぶ際には注意が必要です。
コバルト
コバルトは銀白色をしていて光沢を持ち、高温にも耐えられる高い硬度を持っています。
鉄よりも錆びにくく加工しやすいことから、ニッケルの合金として貴金属に入っていることが多いです。
合金として含まれているコバルトの量は微量ですが、アレルギー反応を起こす可能性があります。
他の金属が含まれている金
カラーゴールドなどの他の金属が含まれている金合金も、銅やパラジウムと同様に金属アレルギーになりやすいです。
カラーゴールドの代表例はピンクゴールドやイエローゴールド、ホワイトゴールドなどです。
ピンクゴールドやイエローゴールドは銀や銅、ニッケルなどを混ぜて色味を調整しています。
そのため、これらの金属にアレルギーがある方はカラーゴールドも避けるのがおすすめです。
金属アレルギーになりにくい素材3つ
次に、金属アレルギーになりにくい素材を3つ紹介します。
- プラチナ
- 純金の24金や18金
- 樹脂、セラミック、チタン
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
プラチナ
プラチナは金属アレルギーが起こりにくい素材です。
プラチナは白い光沢をもつ金属で、結婚指輪などの多くのジュエリーに使われています。
純度により「Pt1000」「Pt950」「Pt900」といった種類に分けられ、含有量が数字で示されています。
最も純度が高いプラチナは、「Pt1000」でプラチナ以外の金属はほぼ含まれていません。
しかし、「Pt1000」以外のプラチナには他の金属が含まれているため、それらがきっかけとなり、金属アレルギーを発症する可能性があります。
プラチナの指輪やネックレスでもアレルギーを発症し、どの素材が問題になるのか知りたい人は「プラチナでも金属アレルギーになる理由とは?」もご覧ください。
純金の24金や18金
「純金」と呼ばれる24金とは、99.9%以上の不純物が入っていない金のことを指し、18金は純度が75%の金のことを指します。
24金や18金などの数字は金属が含まれている割合を表しており、この数字が大きいほど純度が高くなっています。
純金である24金は酸化還元電位が高く、イオン化しにくいため、アレルギーの症状が出る可能性は低いです。
しかし、金単体では柔らかく加工しにくいため、24金以外の金は他の金属を混ぜて硬度や色味を調整しています。
そのため、18金は75%が金、残りの25%は銀、銅などを混ぜ合わせた合金ということになります。
18金はアレルギー症状が出にくいですが、銀や銅などがきっかけでアレルギー症状になることがあるため注意が必要です。
樹脂・セラミック・チタン
樹脂・セラミック・チタンなども金属アレルギーになりにくい素材です。樹脂やセラミックは金属を使っていないため、アレルギーになる心配はありません。
チタンは金属の一種ですが、500℃の高温でも強度を保てる耐熱性と耐食性、錆びにくい特性があります。
そのため、汗などで金属が溶け出しにくく、アレルギー反応はほとんど起きないといわれています。
金属アレルギーの方は食べ物にも注意!
金属アレルギーになりやすいニッケルやコバルトは、食べ物の中にも微量に含まれています。
金属アレルギーは体の中に入ることでアレルギー反応を起こす場合があるため、金属が含まれる食べ物の摂りすぎに注意しなくてはなりません。
ここでは、金属が含まれる主な食品を紹介します。
〈ニッケル〉
- 干しひじき
- あおのり
- ほうれん草
- レタス
- そば
- 大豆
- ピーナッツ
- カシューナッツ
- チョコレート
- コーヒー
- 紅茶
- 煎茶
ニッケルは野菜や豆類、飲み物など、普段口にすることが多い食べ物に含まれていて、その種類も多いことがわかります。
〈コバルト〉
- 干しひじき
- あおのり
- しじみ
- レバー
- かつおぶし
- ココア
ニッケルやコバルトはアレルギーを起こしやすい素材である一方、体に必要不可欠な栄養素です。
ニッケルは鉄の吸収を促進したりホルモンの分泌を調整したりする働きがあり、コバルトには免疫機能の維持や皮膚を強くする働きがあります。
金属アレルギーが発症したからといって、摂取しない状況を作るのは難しいといえます。
そのため、皮膚炎や口内炎がなかなか治らないときには、上記の食べ物をなるべく摂らないようにしましょう。
金属アレルギーかどうか確認する方法
金属アレルギーは皮膚科などで、アレルギーの検査をしてもらうことで確認できます。アレルギー検査は主に、パッチテストと採血を行います。
それぞれの検査方法を詳しくみていきましょう。
パッチテスト
パッチテストとはかぶれの原因と思われる物質を皮膚に貼り付け、アレルギー症状がでるかどうかを確認する検査方法です。パッチテストの対象となる金属は、以下の16種類です。
金属名 | 試薬名 |
---|---|
アルミニウム | 塩化アルミニウム2% |
コバルト | 塩化コバルト2% |
スズ | 塩化第二スズ1% |
鉄 | 塩化第二鉄2% |
プラチナ(白金) | 塩化白金酸0.5% |
パラジウム | 塩化パラジウム1% |
マンガン | 塩化マンガン2% |
インジウム | 三塩化インジウム1% |
イリジウム | 四塩化イリジウム1% |
銀 | 臭化酸2% |
六価クロム | 重クロム酸カリウム0.5% |
銅 | 硫酸銅1% |
ニッケル | 硫酸ニッケル5% |
金 | 塩化金酸0.2% |
亜鉛 | 塩化亜鉛2% |
水銀 | 塩化第二水銀0.05% |
金属アレルギーのパッチテストを行っている医療機関は少ないといわれているため、事前に確認してから受診しましょう。
採血
金属アレルギーを採血で調べる方法には、リンパ球刺激試験という検査方法が用いられます。
血液中の白血球を取り出し、原因となる金属を加えて反応があるかどうかを調べる方法です。
採血は以下のようなメリット・デメリットがあります。
◆メリット
- 結果が数値で出るためパッチテストに比べて判定がはっきりしている
- 一回の検査で結果が出るので何度も病院へ行く必要がない
◆デメリット
- 検査費用が高い
- 検査できる病院が限られている
パッチテストと同様に、採血も事前に金属アレルギーの検査ができるかどうかを確認してから受診しましょう。
ネックレスやピアスなどのアクセサリーを付けるための注意点
18金でも金属アレルギーになる可能性があるため、ネックレスやアクセサリーを着用する際にもいくつか注意点があります。
- 長時間着用しない
- 湿気や汗に気を付ける
- 肌とアクセサリーを清潔に保つ
- ニッケルフリーのものを探す
金属アレルギーの発症を予防するために、上記の4つの方法を取り入れてみてください。
長時間着用しない
金属アレルギーを起こさないために、アクセサリーを身につける時間を短くしましょう。
一日中付けることを避け、出かける時だけ着用して家に着いたらすぐに外すなど、肌に触れる時間を減らす工夫をしてみてください。
やむを得ず、ネックレスを長時間に渡って着用する場合には、タートルネックなど首が隠れる洋服の上から着用するのがおすすめです。
温度や汗に気を付ける
金属は汗や水に弱く、溶け出しやすいため、湿度や汗に気を付けて着用しましょう。
汗をかきやすい夏場は、金属アレルギーが起こる可能性が最も高いといわれています。
どうしてもアクセサリーを付けたいという方は、こまめに汗を拭き取ることでトラブルを最小限にすることができるでしょう。
また、海水浴やプール、お風呂など、温度の変化が起こりやすい場面で着用を控えることで、アクセサリーの劣化を防ぐことができます。
肌とアクセサリーを清潔に保つ
アクセサリーを使ったあとは、キレイな布などで拭いて清潔に保つことが大切です。
汗や化粧品などの汚れが付いたままで保管すると、アレルギーが発症する可能性が高くなるため、できるだけ清潔に保つようにしましょう。
ニッケルフリーのものを探す
金属アレルギーの発症を防ぐためには、ニッケルを極力減らして作られた「ニッケルフリーのアクセサリー」を着用するのもおすすめです。
日本ではニッケルに対しての規制がなく、各製造メーカーごとに使用するか否かの判断が委ねられています。
そのため、全くニッケルが使われていないのではなく、少量含まれていることが多く、金属アレルギーを発症する可能性があります。
心配な方は、ネックレスなどを購入する際に、ニッケルが少量でも含まれていないかどうかを確認しましょう。
アレルギー症状が出たら金の買取を利用するのもおすすめ
アレルギー症状が出たアクセサリーは、できるだけ身につけないようにするのがおすすめです。金属アレルギーは一度発症をすると基本的に治ることはなく、上手く付き合っていく必要があります。アレルギー症状が出たアクセサリーは再び着用すると、アレルギー反応を起こす可能性が高いです。そのため、できるだけ身に付けないようにしましょう。
金属アレルギーで身に付けられない金のアクセサリーは、手持ち無沙汰になることも多いようです。金は近年、価格も需要も右肩上がりになっているため、手元にある金のアクセサリーは買取を利用するのもおすすめです。
まとめ
18金などの金は金属アレルギーになりにくい素材ですが、混ざっている他の金属によりアレルギーになることもあります。
金属アレルギーは一度発症すると治ることはなく、上手く付き合っていく必要があります。アレルギー症状が出たアクセサリーは着用を控え、症状が出ないように対策を行いましょう。
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