宝石の買取で税金はかかるの?計算方法も解説
「宝石買取では税金がかかるの?」
「かかるとしたら、どれくらいになる?」
「宝石買取の税金について基本を押さえておきたい」
宝石買取で税金が発生するのかどうかは気になるところです。どの程度税金がかかるのか把握しておかなければ、買取価格が高くても手残りが少なくなる可能性があります。
そこで、本記事では宝石買取にかかる税金について、以下の内容で説明します。
- 宝石買取に関わる税金の種類
- 税金の計算方法
- 宝石買取時の節税方法
宝石買取に関係する税金の基礎知識を身につけ、安心して買取依頼をできるようにしておきましょう。
宝石買取の税金に関わる所得の種類
貴金属や宝石は、「生活用動産(生活に必要な品)」と見なされ、基本的にこれらの売却で得られる所得は課税の対象外です。しかし、貴金属や宝石であっても、売却金額が1点あたり30万円を超える品の場合は資産と見なされ、所得税が課せられます。
さらに詳しくいえば、購入時に60万円かかった商品が80万円で売れた場合、総合的な足し引きとしてはプラス20万円となりますが、売却時に得た金額は80万円であるため、売却金額が30万円以上に該当し、課税対象となります。
譲渡所得
譲渡所得とは、所有する資産を第三者に譲渡することによって生じる所得のことです。一般的には、個人が所有していた宝石を売却することで、得られる所得は譲渡所得と見なされ、所得税が課せられます。
つまり譲渡所得は、保有していた資産を売却していたことで得た所得のことです。先ほどもおつたえした通り、宝石の売却に関しては、1点あたり30万円を超える場合に譲渡所得とみなされます。
ちなみに、ブランド品のバッグや財布に関しては、生活用動産に該当するため、基本的に譲渡所得には含まれませんのでご注意ください。金地金(インゴット)や土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡したことによって、得た利益は譲渡所得になります。
「譲渡所得の対象となる資産には、土地、借地権、建物、株式等、 金地金、宝石、書画、骨とう、船舶、機械器具、漁業権、取引慣行のある借家権、配偶者居住権、配偶者敷地利用権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権、土石(砂)などが含まれます。なお、貸付金や売掛金などの金銭債権は除かれます」
引用元:国税庁「No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」
事業所得
事業所得とは、その名の通り事業を営むことによって生じる所得のことです。企業や個人事業主などの事業者が、営利を目的として継続的に宝石を売買し、それによって得られた所得は事業所得とみなされ、所得税が課せられます。
「事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。ただし、 不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は事業所得ではなく、原則として不動産所得や山林所得になります」
引用:国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」
雑所得
雑所得とは、国が定めた10の所得区分のうち、譲渡所得や事業所得などを含めた9つの区分に当てはまらない所得のことになります。具体的には、非営業用貸金の利子や、副業によって得られる所得が雑所得に区分されます。
例えば、金の売却において個人が営利目的で金を売却し、所得を得ているような場合が該当します。
お手持ちの宝石を、フリマアプリや、オークションサイトで販売して得た収益は雑所得になります。雑所得の場合は、譲渡所得のように複雑な計算は不要です。
売却価格から、仕入れ値や送料といった手数料を差し引いた金額が、所得になります。
「雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します」
引用:国税庁「No.1500 雑所得」
宝石買取における税金の計算方法
自宅に貴重な資産があっても、保管している間に忘れてしまうことがあります。宝石などのようにサイズが小さいと、タンスや引き出しの隅で眠らせてしまうことがあるのです。
以前はよく身に着けていたアクセサリーも、今は全然使っていない方も多いと思います。使っていないアイテムは、一度査定に出すことをおすすめします。
では、そのような宝石を売却するときの税金はどうなるのでしょうか。金地金(じがね)、書画、骨とうなどと同様に、宝石を売却して金銭を得た場合には、所定の金額以上であれば、確定申告が必要な「譲渡所得」となります。
売却価格30万円以上が課税対象という基本を押さえつつ、税金の計算方法について説明します。
譲渡所得の計算方法
譲渡所得で損失が出た場合は、同じ年の1〜12月のあいだで発生したその他の譲渡所得とのみ、通算することが可能になります。このように、同じ区分の所得同士を通算することを「内部通算」とよびます。
具体的には、株式で200万円の利益を出し、同じ年に金の売却では50万円の損失を出したケースでは、通算を適用したうえでの譲渡益は下記の通りとなります。
「200万円(株式の売買による利益)-50万円(金の売却による損失)=150万円(譲渡益)」
上記の式で算出した譲渡益である150万円から、特別控除額の50万円を差し引いた金額である100万円が、最終的な課税対象の金額となります。
事業所得の計算方法
宝石類の売却を事業の一環として行っている場合は、売却方法に関わらず「事業所得」が適用されます。事業所得の計算式は、雑所得と同様です。
「売却価格-必要経費(仕入れ価格・出品料など)=事業所得」
雑所得と異なる点は、必要経費に含まれる項目の範囲です。雑所得の必要経費にパソコンや通信費用を含むことはできませんが、事業で行っている場合は必要経費として計上、可能です。
雑所得の計算方法
雑所得で出た損失は、同じ年に発生したほかの雑所得とのみ、通算が可能となります。
「(金を売却して発生した雑所得の損失)-(その他の雑所得の利益)=(課税対象の金額)」
算出方法はシンプルで分かりやすいですが、雑所得には特別控除がないため、譲渡所得よりも税金発生率が高いことを理解しておくことが大切です。
事業主としてフリマやオークションに出品している場合は、「事業所得」に該当するので注意しましょう。
宝石買取時の税金支払いを節税する方法
宝石1点あたりの売却価格が30万円以上になると、譲渡所得とみなされて所得税がかかってしまいます。しかし、特別控除の適用を受ければ、譲渡所得から最大50万円を差し引くことが可能です。
(例1)50万円で購入した宝石を100万円で売却する場合
譲渡益100万円-50万円=50万円です。これに特別控除50万円を適用させると譲渡所得は0円となり、税金はかかりません。
(例2)20万円で購入した宝石を100万円で売却する場合
譲渡益は100万円-20万円=80万円です。特別控除5,050万円を適用させると譲渡所得は30万円となり、この「30万円」に対して税金がかかります。
ただし、宝石の所有期間が5年を超えている場合には長期譲渡所有となり、譲渡所得の1/2が課税対象です。つまり、長期保有していた宝石を売却した方が短期保有の場合より税金は少なくなります。
宝石1点あたりの売却価格が30万円以下なら税金はかからず、30万円以上でも特別控除の適用により節税可能です。宝石の買取を受ける際は、売却価格と税金の有無をチェックするとよいでしょう。
宝石の買取に関するQ&A
家族から譲り受けて、自宅に眠っている宝石を買取に出そうか迷っている方も多いのではないでしょうか。宝石買取は、1点からでも・少しの傷があっても、可能です。
まずは査定だけでもしてもらうことをおすすめします。ご納得いただいてから売ることもできるので心配ありません。
買取業者の選び方は?
都市部の東京、名古屋、大阪などでは、ダイヤモンドや宝石買取店を多く見かけます。こうした店の多い地域では、他店にお客様を取られないよう、少しでも高い買取をするところがほとんどです。
しかし、近くに競合店がない場合は勝ち抜く必要もないため、取引は店側の利益に沿った形で行われやすくなります。したがって、競合店が多い地域の方が条件のよい値段で取引が成立するといえるでしょう。
また、買取数自体が少ないお店は、1点あたりからの利益率を高める必要があるため、高価買取ができません。お店の買取数をサイトで、事前チェックすることを、おすすめします。
金やプラチナなど、貴金属の買取が主力の業者は、宝石の価値を理解していない場合があるため、宝石専門店を選ぶことが望ましいです。
宝石を高く売るポイントは?
宝石だけに限った話ではありませんが、買取に出す時期は、その時の需要に基づき判断するとよいでしょう。宝石は特に、需要が高い時期に買取に出した方が、買取価格が上がりやすいからです。
宝石の需要が変動する一番の要因は、デザインの流行です。デザインが時代に合っているものであれば、その時の需要は高くなりますが、反対に時代に合っていなければ需要は低くなります。
買取業者は、買い取った宝石のデザインが流行のものでない場合、デザインを変えて高く販売することもあります。宝石を高価買取をしてもらうために、買取業者の見極めは大切です。
また、宝石を購入した際の付属品もあると良いでしょう。保存状態がよいと高く売れるのでキレイな状態で、しまっておくことが望ましいです。
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