実家じまいで仏壇はどうする?供養の順番と手放し方

実家じまいを進めるなかで、扱いに迷うもののひとつが仏壇です。そのまま手放してよいのか、閉眼供養は必要なのか、親族にはいつ相談すればよいのか。順番が見えないまま、手が止まってしまいます。
仏壇を手放すときは、親族や菩提寺に相談し、中に残された物を確かめたうえで、供養と手放し方を決めていきます。考えるのは本体だけではありません。仏具や位牌の扱いも、あわせて決めることになります。
本体の手放し方から、供養や引き取りにかかる費用まで、迷わない順番で整理しました。先に結論を言えば、値がつくのは仏壇本体ではなく、金や真鍮でできた仏具のほうです。
実家じまいで仏壇を手放す前にすること

仏壇を手放す前に、次の3つを済ませておきましょう。
- 親族に相談する
- 中身と引き出しを確かめる
- 閉眼供養を菩提寺に相談する
先に運び出してしまうと、親族とのトラブルになったり、大切な物まで一緒に手放したりするおそれがあります。急いでいても、親族への相談と仏壇の中の確認を済ませてから、供養と手放し方を決めましょう。
親族に相談する
仏壇には家族それぞれの思いがあるため、扱いをひとりで決めると、あとから意見の食い違いが生じることがあります。手放すと決める前に、兄弟姉妹など関係する親族へ相談しておきましょう。
相談するときは、仏壇を手放すことだけでなく、位牌を誰が引き継ぐのか、今後どのように供養するのかも話し合います。仏壇を所有している親が施設などで暮らしていても、本人が意思を伝えられる状態であれば、できる限り希望を確認してください。
中身と引き出しを確かめる
仏壇を搬出する前に、引き出しや収納部分をひとつずつ確認しましょう。仏壇には引き出しがあり、現金や通帳、印鑑、権利関係の書類などが保管されていることもよくあるためです。
確認した物は、残す物、親族へ渡す物、手放す物に分けます。位牌や本尊、仏具は、ほかの家財と同じには扱わず、菩提寺や仏壇店などに相談してください。
仏壇を手放したあとは、中に残した物を取り戻せない可能性があります。業者へ引き渡す前に収納部分を空にし、見落としがないか最後にもう一度確認してください。何を残すべきか迷ったときは、「遺品整理で捨ててはいけないものリスト」も参考になります。
閉眼供養を菩提寺に相談する
仏壇を手放したり別の場所へ移したりするときは、閉眼供養と呼ばれる法要を行うことがあります。魂抜きやお性根抜きと呼ばれることもありますが、法要の名称や考え方は宗派によって異なります。
閉眼供養は、法律で義務づけられた手続きではありません。ただし、仏壇やご本尊をどのように扱うべきかは、家族の考え方や宗派によっても変わります。手放し方を決める前に親族の意向を確認し、菩提寺があれば住職へ相談しましょう。
菩提寺がないときは、仏壇の宗派を確認したうえで、同じ宗派の寺院や仏壇店などに相談します。なお、浄土真宗では魂を入れる・抜くという考え方を取らず、閉眼供養や魂抜きとは異なる名称の法要を行います。わからないときは自己判断せず、寺院に確認してください。
実家じまいで仏壇や供養の形を残す方法

仏壇をそのまま手放さず、残しておく道もあります。実家の仏壇を新居へ移すほか、コンパクトなものに買い替える、あるいは位牌や写真だけを手元に置くといったやり方です。
いずれも実家の仏間を完全に再現しようとするのではなく、現在の暮らしに合う形へ見直していく考え方といえます。
自宅に引き取る
仏壇をそのまま残したいなら、実家から自宅へ移す方法があります。移動に伴う法要の必要性や名称は宗派によって異なるため、運搬の手配を進める前に菩提寺へ相談しておきましょう。
運搬については、仏壇店や仏壇の取り扱いに慣れた引越し業者へ依頼しましょう。無理に自分たちで運ぼうとすると、繊細な金具や漆を傷めてしまうおそれがあります。
このとき、気をつけるべきはサイズです。昔ながらの大型仏壇は、マンションの玄関やエレベーターを通らないことが多いです。供養の相談より先に、運び込む通り道の寸法を測るところから始めてみてください。
小さい仏壇に買い替える
現在の住まいに仏壇を置く場所がないときは、小型の仏壇へ買い替える方法があります。仏壇店によっては、新しい仏壇の購入時に古い仏壇を引き取るサービスを用意しています。
ただし、引取料金や対応地域、法要の手配を依頼できるかどうかは店舗によって異なるので、購入前にサービスの範囲と総額を確認してください。
もし親の介護施設などへ持ち込むなら、施設への確認が必要です。持込可否やサイズの制限に加え、線香やろうそくを使用できるかも確かめ、居室の広さと施設の規則に合う仏壇を選びましょう。
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手元供養に切り替える
近年は、従来の仏壇を持たない供養も増えてきました。手のひらサイズのミニ仏壇や、リビングの棚に位牌だけを置くスタイル、あるいは遺骨の一部を納めたペンダントを身につけるなど、形式はさまざまです。
立派な仏壇がないと供養にならない、といった決まりはありません。故人を偲ぶ気持ちがあれば、どのような形であれ問題ないとする考え方が広まっています。実家の仏間を片付けることに申し訳なさを感じているかたにとって、気持ちの負担を和らげるひとつの方法といえます。
実家じまいで仏壇を手放す方法

仏壇を手放す方法には、菩提寺や仏壇店へ相談するほか、自治体の粗大ごみに出す方法などがあります。閉眼供養と仏壇の引き取りをまとめて頼めるかどうかは依頼先によって異なるため、供養を手配する前に手放し方まで決めておくとスムーズです。
| 手放し方 | 費用の目安 | 閉眼供養 |
|---|---|---|
| 菩提寺に引き取ってもらう | 4〜10万円 | 一緒に頼める |
| 仏壇店に依頼する | 3〜7万円 | 一緒に頼めることが多い |
| 不用品回収に出す | 1〜3万円 | 自分で手配する |
| 自治体の粗大ごみに出す | 数百円〜2,000円 | 自分で手配する |
| 買取に出す | 査定しだい | 自分で手配する |
金額の差は、供養と運び出しをどこまで任せられるかの差です。安く済む方法ほど、自分で動く手間と手配が増えます。
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菩提寺に引き取ってもらう
代々お世話になっている寺に、供養と引き取りをまとめて頼む方法です。宗派に合った法要や、ご本尊・位牌などの扱いについて確認できるのが、この方法の利点です。
ただし、すべての寺院が仏壇本体の引き取りに対応しているわけではありません。法要のみを依頼し、仏壇の搬出と引き取りは仏壇店などへ別に頼むケースもあります。
仏壇店に依頼する
仏壇店では、古い仏壇の搬出や引き取りに対応していることがあります。購入した店舗がわかれば、まず対応の有無を確認しましょう。購入店がわからない、あるいはすでに廃業しているなら、近隣の仏壇店にも相談できます。
買い替えに合わせて頼むと、引き取りだけのときより料金を抑えられることがあります。条件しだいで無料になることもあり、具体的な金額は仏壇の大きさや依頼先で変わるので、見積もりで確認してください。
不用品回収業者に依頼する
実家の家具や家電と一緒に仏壇を回収してもらえば、片付けと搬出を同じ日に進められます。仏壇だけを別に運び出す必要がなく、実家じまいの日程を組みやすくなります。
閉眼供養への対応は、業者によって異なります。事前に済ませる必要があるのか、寺院の紹介や合同供養を依頼できるかを確認しましょう。
家庭の不用品を回収してもらう際は、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けている業者か、許可業者と提携している業者かを確認します。無許可業者を利用すると、不法投棄や不適正処理につながるおそれがあります。業者の見分け方は「不用品回収業者は危険?」で確認できます。
自治体の粗大ごみに出す
費用はもっとも軽く済みます。粗大ごみの手数料だけで、あとは指定の場所まで自分で運びます。仏壇を受け付けない自治体もあるので、先に窓口へ確認してください。
大型の仏壇をひとりで運び出すのは難しいものです。自治体に運び出しの支援制度がないか確認するか、別の方法も検討してください。
なお、閉眼供養を行うかどうかは、粗大ごみとして出せるかとは別の問題です。親族や菩提寺と相談したうえで、家族が納得できる方法を選びましょう。
買取業者へ査定を依頼する
仏壇や仏具によっては、買取の対象になります。ただし、中古仏壇は需要が限られるため、購入時の価格が高くても売却できるとは限りません。
仏壇本体よりも、金・銀などを使った仏具、または工芸品・骨董品として価値のある仏像などに値段がつくことが多いです。一方、戒名の入った位牌や過去帳、ご本尊は、業者によって査定対象外となることがあります。
まず写真査定や出張査定を利用し、売れる物と引き継ぐ物、手放す物を分けましょう。買取を依頼すると決まったら、必要に応じて菩提寺へ相談し、法要を済ませてから引き渡します。
仏壇の中身の扱い方

仏壇を手放すときは、本体だけでなく、中にある物の行き先も決める必要があります。ご本尊や位牌、法名軸などは宗派によって扱いが異なるため、ほかの家財と一緒に手放さず、菩提寺へ相談しましょう。
残す物、寺院へ預ける物、手放す物を分け、仏壇の中を空にしてから搬出や引き取りを依頼します。
位牌と法名軸
位牌には、故人の戒名や法号、没年月日などが記されています。仏壇を手放したあとも供養を続けるときは、新しい仏壇へ移すか、親族の誰かが引き継ぎます。
浄土真宗では、原則として位牌を用いず、故人には戒名ではなく法名が授けられます。法名を記した法名軸や、故人の法名・俗名・没年月日などを記録した過去帳を用いるため、手放し方や引き継ぎについては所属する寺院へ相談してください。
過去帳と遺影
過去帳には、代々の故人の法名や戒名、俗名、没年月日などが記録されています。仏壇を手放しても、過去帳だけを残すことはできます。新しい仏壇へ移すほか、仏壇を置かないときは紛失や劣化を防げる場所で丁寧に保管します。扱いに迷うときは菩提寺へ確認してください。
遺影も、そのまま残す必要はありません。額から写真を取り出して保管する、画像データとして残す、親族へ渡すなどの方法があります。すぐに決められないときは一度保管し、気持ちが落ち着いてから残し方を考えても構いません。
ご本尊と仏具
ご本尊は、仏像や掛軸などの形で仏壇の中央に安置されています。宗派によってご本尊や扱いが異なるため、仏壇を手放す際は、自己判断で手放さず菩提寺へ相談しましょう。新しい仏壇へ移すほか、寺院への返納・預け入れを相談する、必要な法要を行ったうえでお焚き上げを依頼するといった方法があります。
香炉、花立、火立などの仏具は、新しい仏壇で使う、親族が引き継ぐ、寺院や仏壇店へ引き取りを依頼するといった方法があります。金・銀などを使った仏具や工芸的価値のある品には値段がつく可能性もあるため、手放す前に買取業者へ査定を依頼してもよいでしょう。
実家じまいで仏壇に値がつくところ

買取の話は、供養が済んでからで十分です。そのうえで正直に書きます。仏壇本体に高い値がつくことは、ほとんどありません。値が出るのは、金や真鍮といった素材でできた仏具のほうです。金仏壇だから高い、とはなりません。
本体に値がつきにくい理由
金仏壇は高く売れる。そう書いてある買取サイトを見て、期待したかたもいるでしょう。実際の中古市場は逆で、仏壇の買取そのものを受けていない仏壇店や修理店があります。
理由ははっきりしています。中古の仏壇を求める人がほとんどいないこと、大きくて運ぶだけで費用がかかること、漆や金箔は経年で傷み、新品同様には戻らないこと。仏壇には寿命があると言い切る職人もいます。
祖父が数百万円で建てた仏壇でも、買取額はそれに連動しません。買い手がつかない物に値段はつきません。ここを先に飲み込んでおくと、査定の結果に落ち込まずに済みます。
金・銀や真鍮を使った仏具
金・銀・プラチナなどを使った仏具には、貴金属として値段がつく可能性があります。純度と重量が主な査定基準ですが、仏像や数珠では、作家や年代、意匠、宝石なども評価の対象です。
また、香炉や燭台、花立などに使われる真鍮や唐銅(からかね)も、金属素材として引き取りの対象になります。
誤解されやすいのが、金仏壇に施された金箔の価値です。金箔は非常に薄く、削り集めたとしても素材としての価格はほぼつきません。とはいえ、素人目には価値がわかりにくいため、出張買取で仏具をまとめて査定に出してみるのもよいでしょう。
産地や作りも査定で見られる
仏壇本体の査定では、材質や状態に加え、産地や製作者、伝統的な技法、蒔絵や彫刻の作りなども確認されます。彦根仏壇や金沢仏壇、京仏壇、三河仏壇などは、経済産業大臣の指定する伝統的工芸品です。
伝統証紙や保証書、領収書、製作者や購入店がわかる資料は、査定の手がかりになります。比較的新しく状態のよい小型仏壇も査定対象となり得ますが、傷みが大きい物や搬出に手間のかかる大型品は買取が難しくなります。
✅️ 合わせて読みたい:遺品整理で買取できる遺品が出てきたときはどうすれば良い?
まとめ
実家じまいで仏壇を手放すときは、まず親族への相談と中身の確認を済ませましょう。そして菩提寺にご本尊や位牌の扱いを相談するのが、よくある流れです。そのうえで引き継ぐのか手放すのかを決めます。
買取で値段がつきやすいのは、仏壇本体より金や真鍮などの仏具です。価値がわかりにくい金属製の仏具は、うるココの出張買取でまとめて査定できます。






