天然真珠と養殖真珠の見分け方とは？人工真珠（偽物）との見分け方も解説

上品な真珠の輝きは、落ち着きのある大人の魅力を引き立てるのに最適です。真珠の装飾品は、古くから世界中で愛されてきました。

真珠には、天然と養殖、さらに本物と偽物（人工真珠）があります。本記事では、それぞれの見分け方について詳しく解説しています。

天然真珠とは

天然真珠にはどのような種類と特徴があるのか説明します。

アコヤ真珠

アコヤ真珠は、海辺に生息する「あこや貝」から取れる真珠で、小粒なものが多く、8mm程度が一般的です。

アコヤ真珠の大きな特徴は、美しいテリを持っている点です。真珠層が繊細に覆われ、豊かなテリを放っています。

真珠層とは、真珠母とも呼ばれ、貝殻などが分泌する炭酸カルシウムが主成分の光沢物質であり、真珠の外側のコーティングを作り上げています。

黒蝶真珠（くろちょうしんじゅ）

黒蝶真珠は、クロチョウガイから取れる真珠でアコヤ真珠よりも大きく、10mm程度がよく見られるサイズです。

黒蝶真珠は多彩な表面色が特徴で、光が真珠層内で屈折・反射することで美しい干渉色が生まれます。

見る角度や光の当たり方でさまざまに表情を変え、その神秘的な色合いは孔雀の羽根になぞらえてピーコックカラーと呼ばれます。

白蝶真珠（しろちょうしんじゅ）

白蝶真珠は大型の白蝶貝から取れる真珠で、黒蝶真珠よりさらに大きく10mm以上のサイズが一般的となります。

真っ白に輝く白蝶真珠は、そのサイズも相まって一粒でも十分な存在感を放ちます。その貫禄は「真珠の女神」とも呼ばれる所以です。

養殖真珠とは

真珠母貝の大きな丸い核をあこや貝などに入れて、だいたい3年半でできるのが養殖真珠で、真珠層は0.5～1mmととても薄いものです。

外側の0.5～1mmだけが真珠層なのが養殖真珠で、真珠母貝の大きな丸い核なので、中は短い期間で真円の珠ができます。

養殖真珠は大小はあまり関係なく、天然真珠のように、大きさで価格差がそこまでつくことはありません。

日本で養殖される真珠はアコヤガイを使用し、核の直径は6mm以上にもなりますが、1956年からオーストラリアで真珠養殖が許可されたことで、アコヤガイよりかなり大型の白蝶貝を使った養殖真珠作りが始まりました。その結果、核の大きさは13.2mmにもなっています。

大型の白蝶貝は、真珠層の形成スピードもアコヤガイよりかなり早いので、大きな珠でも価格がかなり安くなります。

人工真珠とは

人工真珠とは、イミテーションパールとも呼ばれ、核となる素材にパールに見せかけるためのコーティングを施して作られます。

天然真珠と見分ける際のポイントは「テリ」です。天然真珠の真珠層からは深い光沢や透明感が感じられます。

それに対して人工真珠は、合成真珠箔や塗料でコーティングするため、ギラギラとした光沢となるのです。

プラスチックパール

プラスチックパールは、プラスチックの核に合成真珠箔を施した人工真珠です。表面はツルッとしており、綺麗な円形をしています。

プラスチック素材であるため軽くて長時間身につけていても疲れにくいため、アクセサリー向きです。

安価であるためカジュアルに使用できますが、汗やキズに弱く劣化しやすい特徴があります。

貝パール

貝パールは、養殖真珠に使う貝から核を作るタイプの真珠です。天然の貝殻を使用し、光沢を出す合成真珠箔や塗料を塗り重ね、本物の真珠のような輝きを持たせています。

人工真珠の中で最も本物の真珠に近く、見分けが難しい場合があります。

コットンパール

コットンパールは、「綿」が材料になっている人工真珠で、綿を圧縮して核を作っています。そのため、綺麗な円形にはならず、ややデコボコしているのが特徴です。

綿でできているため他の人工真珠より軽く、カジュアルなレックレスなどとして使用されることが多いです。

ガラスパール

ガラスパールは、中心部分の核にガラスを使用している真珠です。ガラスビーズの上から合成真珠箔を何層にも重ねて作られています。

強い光沢があり、アクセサリーとして普段使いに適しています。ガラスという素材の性質上、さまざまな形状に加工しやすいのもガラスパールの特徴です。

天然真珠と養殖真珠の見分け方

真珠を留める際に穴を開けますが、養殖真珠はその穴から核と真珠層の間にさまざまな物質が入ることで変色が内部から始まり、真珠層が0.5～1mmと薄いため、すぐに変色する特徴があります。

直接肌に触れるネックレスは、肌からの脂肪性物質や化粧品などが核と真珠層の間に染み込んで、真珠層の内側に変色が起こり、薄い真珠層を通して見えるので見た目が汚れてしまいます。

核が小さい、あるいはない天然真珠は、ほとんど全部が真珠層なので、内部からの変色はほぼありえません。

また養殖真珠は、ある時期から、コスト削減で貝から取り出した直後に薬品で漂白、または染めて出荷するようになったので、さらに早く変色するようになりました。

天然真珠の人工真珠の見分け方

人工真珠もさまざまなものがあり、精巧に作られているものもあります。そのため、本物である天然真珠と見分ける際には複数の観点を総合して見分けるのが大切です。

ここでは、天然真珠の見分け方として6つお伝えします。

真珠表面の質感

自然にできた天然真珠と人工的に作り出された人工真珠では、質感が異なります。天然真珠では、真珠と真珠を擦り合わせるとザラつきのある感触がしますが、人工真珠ではツルッとした感覚を覚えます。

実際には、真珠同士を擦り合わせるとキズがつくので取扱いには注意してください。

真珠の溫度

天然真珠と人工真珠では触ったときに感じられる溫度にも違いがあり、ここからも見分けるヒントを得ることができます。

天然真珠はひんやりとして冷たいのに対し、人工真珠は生暖かさがあります。また、天然真珠は熱伝導率が高いため、しばらく触れていると体温が伝わり温かくなってきます。

穴の断面

真珠はネックレスなどに加工する際に穴を開けます。この穴の見た目で天然真珠かどうかを見分けることができ、天然真珠の場合、穴が綺麗な断面になっています。

一方で、人工真珠の場合、穴を開けた後にコーティングをするため穴口の断面に塗料が見られることが多いです。

真珠の重さ

天然真珠は手に取ったときに重みを感じます。真珠のネックレスの場合なら、しっかりした重量感を覚えるでしょう。

一方で、人工真珠の場合、コットンパールやプラスチックパール、ガラスパールなら重みがあまり感じられないため、見分けることができるでしょう。

ただし、真珠1粒だけだと重みの判断がしづらいため、ネックレスなどの総力品になっているものを使用するのが良いです。

真珠につくキズ

天然真珠と人工真珠を見分けるには、表面にキズがあるかどうかをチェックしてみましょう。天然真珠の表面には自然にできる突起やくぼみがあります。これを「キズ」「エクボ」などと呼びます。

一方で、人工真珠の場合は表面が完全に滑らかで無傷です。このような真珠は人工真珠か、あるいは本物の真珠で最高品質のものかどちらかです。

ブラックライトを使う

ブラックライトを照らして天然真珠と人工真珠を見分ける方法があります。ブラックライトを真珠に当てたとき、真珠が青色や緑色に光るものは本物です。

一方で、白いままで変化しない、あるいは表面だけ光を反射するものは人工真珠の可能性が高くなります。

しかし、精巧に作られた人工真珠は塗料に蛍光性を持たせることもあるため、ブラックライトだけで完璧に判断できるわけではありません。

まとめ

本記事では、天然真珠と養殖真珠の違いや、本物の真珠と偽物の人工真珠との見分け方について解説しました。

落ち着きのある光沢で愛される真珠は、フォーマルな装いにぴったりでさまざまな冠婚葬祭の場面で身につけられます。

真珠を購入する、あるいは現在持っている真珠を売るときはこの記事を参考にしてください。

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