金の重さを計算する方法は?比重や純度にも注目!
「金の重さを知る方法は?」
「今持っている金が純金なのかどうやって判断したらいい?」
金は通貨や不動産のように資産価値がとても高く、日々、世界規模で取引されています。そのため、金の価格は常に変動し、売るタイミングによっては買った時よりも価値が高くなる可能性も十分にあります。
金製品をお持ちなら、「今どのくらいの価値があるのだろう?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では以下について解説しています。
- 金の重さを調べる方法
- 金の比重と純度について
- 金製品の刻印の見方
金の重さを知るための計算方法や純度の意味、価格との関係性が理解できます。実際に計算しながら解説しているので、ぜひ一度手持ちの金製品の価値を算出してみてください。
金の重さを計算するには?
金の重さを計算で求めるには、金の比重と体積を知る必要があります。この2つさえ分かれば、あとは単純なかけ算をするだけです。
体積の求め方や金の比重値、計算式を知っていれば金の重さが分かります。
金の重さは、実際に量らずとも計算で割り出せます。計算式は「体積(㎤)×19.3g(金の比重)」と、とても単純です。体積は縦×横×高さ(cm)で求められますので、実際に大きさを測って計算してみましょう。
例えば、よく流通しているタバコの箱と同じ大きさの金を持っていたとします。箱の体積は「8.8×5.5×2.3=111.32㎤」なので、そのまま上の式に当てはめます。
111.32㎤×19.3g=2148.476g≒2.1㎏
つまり、タバコの箱サイズの金の重さは約2.1㎏だと分かりました。このように、体積さえわかれば実際に重さを量る必要はなく、簡単に重さを計算することができます。
金の重さの計算は比重に注目
金の価値を決める大きなポイントは重さと純度です。重さを計算するには、手持ちの金製品の比重を知るとともに、金がどれくらいの割合で含まれているかを把握することが必要です。
まずは、比重について以下のポイントを解説します。
- そもそも比重とは?
- 比重を知っておくメリット
- 比重の計算方法
金の価値を把握するための大切なポイントなので、これから理解を深めていきましょう。
比重とは?
比重とは「基準とする水の質量と、同じ体積の物質との質量の比」のことです。分かりやすく言うと、「水に比べて、どれくらい重さが違うか」を表す値です。
固体や液体には、水を1として考えた場合に対して、それぞれに比重値というものがあります。
ひとつ、例を挙げてみましょう。純金とゴムを天秤に乗せた場合、同じ大きさ、体積でも金の方が重くなります。なぜなら、ゴムに比べて、金の方が比重値が重いからです。
金以外にも、以下の表のように物質によって値はさまざまです。
金属 | 比重の値(およそ) | 金属以外 | 比重の値(およそ) |
金 | 19.3 | 杉 | 0.433 |
銀 | 10.5 | ゴム | 0.933 |
銅 | 8.96 | 塩 | 2.13 |
基準となる水の比重を1とすると、金の比重は19.32とはるかに大きいため、同じ体積の水より重いことが分かります。その一方で杉の比重は0.433と、同じ体積の水よりも軽いのが分かります。そして金と杉との比重は、圧倒的に異なります。
また金に関していえば、純金なのか、もしくは別の金属が含まれた合金なのか、その純度によっても比重に差があるため比重値が異なります。金の純度を測る指標として、20金(K20)、18金(K18)などの刻印を用いる方法があります。
金の純度 | 比重値 |
24金(K24) | 19.13~19.51 |
20金(K20) | 16.03~17.11 |
18金(K18) | 14.84~16.12 |
14金(K14) | 11.42~13.09 |
10金(K10) | 11.42~13.09 |
比重値を使って重さを算出する際は、刻印などをチェックするのが大切です。
比重を知るメリット
比重は、金製品が純金かどうかを見極める大切なポイントです。特に買取時は、売りたいものにどの程度の金が入っているのかが重要です。一見、金に見えるものでも、中身は違う金属で作られている金製品が多くあります。
純金であれば、計算する際に先ほどに解説した金の比重値が使えます。しかし、金製品には純度というものがあり、すべての金製品が純金で作られているわけではありません。
そのため、純度別による比重と、各金属の比重を知っておく必要があるのです。
比重について知っておくと、金製品を買うときや売るときの参考にもなります。また、銀や銅も金と同じように重さを計算できるので、金以外の価値を知るのにも役立ちます。
比重の計算方法
金の比重を計算する方法は、2パターンあります。金製品に刻印があるかないかで、比重を知る手段が変わります。
なお、比重は計算で算出できますが、どちらの手法もおおよその値しか求められません。より正しい比重を知りたい場合には、買取業者に依頼するのがおすすめです。
また、測定する過程で金に傷がつかないように、十分に注意して行いましょう。
両方のパターンの計算方法を解説しますので、お手持ちの金製品を確認し、どちらかの方法でぜひ計算してみてください。
刻印ありの場合
まずはお手持ちの金に刻印がある場合について説明します。
金に刻印があった際には、計算方法は次のように行います。
- 金製品が何の金属でできているかを割り出し、比率を調べる
- 各金属の比率÷比重を求める
- 各金属の体積を合計する
- 1でわかった比率の合計値を3で割り出した体積の合計値で割る
はじめに刻印をチェックし、金製品にどの金属がどれくらい含まれているかを確認します。
例えば、手持ちの金製品に「K14YG」と刻印されていたとしましょう。刻印の「K14」は金の純度を、「YG」は金の色みを意味しています。
K14は58.5%が純金、41.5%は別の金属で作られている合金なので、刻印を見ただけで純金ではないことが分かりました。
また、同じK14でも色調によって、25%分に含まれている金属に違いがあります。
- イエローゴールド(YG)・ピンクゴールド(PG):銀、銅
- ホワイトゴールド(WG):ニッケル・パラジウム
今回は「YG」と表記されているので、金製品の成分比率は、金58.5%:41.5%(銀+銅)です。
さらに、YGに使われる銀と銅の割合を具体的に明らかにします。厳密には製品によって割合にばらつきがありますが、主流とされる「銀:銅=6:4」を採用し、計算することとします。
金属41.5%部分のうちの、銀が60%、銅が40%が銅という割合になるので、以下のように掛け算しましょう。
- 銀=0.25×0.6=0.249
- 銅=0.25×0.4=0.166
したがって、「K14YG」に含まれる成分の比率と合計値は、次のようになります。
K14YG=金58.5%:銀24.9%:銅16.6%=100%
次に、金属ごとの体積の計算です。体積は、含まれている各金属の比率を、比重で割って算出します。
先ほどの比重の表を参考に、それぞれ割り算をしていきましょう。分かりやすくするために、小数点第4位以下を四捨五入しています。
- 金:58.5÷19.3≒3.031
- 銀:24.9÷10.5≒2.371
- 銅:16.6÷8.96≒1.852
では、各金属の体積を足していきます。
3.031+2.371+1.852=7.254
K14YGの金製品の体積は、7.254と算出できました。
最後に、成分比率の合計値を体積の合計値で割り算し、比重値を求めます。
はじめに算出した成分の比率が100、体積を合計した値は7.254でしたので、当てはめると以下の式となります。
100÷7.254≒13.78
したがって、手持ちの「K14YG」の金製品の比重値は「13.78」と求められます。
刻印なしの場合
お手持ちの金製品の金に刻印がない場合でも、別の方法での計算が可能です。
計算は、以下の順番で進めていきます。
- 金製品の重さを量る
- 容器に水を入れ、吊るした金製品を浸して体積を量る
- 金製品の重さを体積で割る
刻印がある場合と異なり、実際に水や量りなどの道具を使って数値を測定し、計算する必要があります。
体積を量るために、以下の道具を準備しましょう。
- 計量器
- 水を入れた容器
- 糸
道具は特別に準備する必要はなく、家庭用の計量器で問題ありません。容器には金製品と水を入れるため、適度な大きさのものを選ぶのがおすすめです。
では、金製品の重さの測定をしていきましょう。今回は、手持ちの金製品が200gだったとします。
次に、水を入れた容器を量りに乗せた状態で、目盛を0にします。
金製品に糸を括りつけ、容器の底に金製品が付かないよう吊るした状態で水中に入れ、数値を確認したら測定作業は終了です。
最後に、量った金製品の数値をもとに計算します。仮に測定した結果が13gだった場合、水1g=1㎤であるため、金製品の体積は13㎤となります。
あとは、最初に量った重さを体積で割るだけです。
200g(重さ)÷13㎤(体積)≒15.384
つまり、200gの金製品の比重は15.384だと判明しました。
15.384はK18の比重値として決められている範囲内であるため、所有している200gの金製品はK18だといえます。
刻印がない場合の計算方法における注意点は、金製品の取り扱い方法です。金製品は丁寧に扱わないと傷付く恐れや壊れる可能性もあり、装飾品によっては水につけてはいけないこともあります。
測定を行う際は、慎重に扱うよう心がけましょう。
金の価値は純度にも注目
金製品は、使われている純金の量によってランク分けされており、純金に近いほど価値が高まります。純度について押さえてほしいポイントは、以下の項目です。
- 純度とは何か
- 純度を表す単位
- 数字の見方
- 純度を知る方法
金の価値は高いため、中には見せかけだけの偽物や、買取時に悪徳業者の詐欺にあうこともあるのが現状です。売買時に損をしたり騙されたりしないためにも、金の純度についての予備知識を頭に入れておきましょう。
金の純度とは?
金の純度とは「どれくらいの割合で純金が含まれているか」を表す基準のことです。見た目は金そのものでも、すべて純金とは限らないからです。多くの金製品には、目立たない場所に純度が刻印されています。
通常、純度は「K24」や「24金」など、数字とアルファベットで表記します。Kは純度の単位であるカラットの頭文字で、生産国により数字の前後どちらかに付けるのが正しい表記です。
日本産の金製品は「マエK」と呼ばれ、K18やK24のように数字の前にKを表記するのに対し、日本以外の国で製造された金製品は「アトK」と呼ばれ、18Kや24Kのように数字の後に表記します。
マエKもアトKも意味合い的には同じですが、アトKの刻印には注意が必要です。マエKと比較して、刻印の信頼度が低いとされているからです。
例えば、金が30%しか含まれていないのにもかかわらず、金が75%含まれていることを意味する「18K」と刻印されている金製品もあります。
アトKで刻印されている金製品すべてがそうとは限りませんが、アトKの金製品には粗悪品や偽物が横行しているのも事実ですので、頭の片隅に入れておきましょう。
金の純度は100%を24として考える「24分率」という、特殊な計算基準を用いるのが特徴です。この数字が低くなるほど、金の割合が低いことを意味します。
純度が高いほど金が多く使用され、純度が低くなるほど金以外の金属が入っているため、金の品質や価値に差が出てきます。
金の純度の計算方法
金の含有率を計算する計算式は、以下のとおりです。K24を基準として純度を算出します。
刻印されている数字÷K24=金の含有率
例えば、刻印されている純度がK22だった場合の計算をしてみましょう。
K22÷K24(22÷24)=0.9166
つまり、K22と刻印されている金の含有率は、91.7%ということになります。
したがって、K22は91.7%が純金であり、残り8.9%が別の金属が入った金製品であると判断できます。
刻印があるかどうかをチェック
多くの金製品には、純度を表す刻印が押されています。金の延べ棒はもちろん、ネックレスや指輪といったジュエリーや貴金属も、目立ちにくい場所に刻印があります。
まずは、手持ちの金製品に刻印があるかどうかチェックしてみてください。「K18」や「K14YG」といった数字があれば、計算式に当てはめることで簡単に純度が分かります。
磁石が引っつくかどうかをチェック
家で使っているような磁石で問題ありませんので、金製品に磁石を近づけてみてください。もし、金製品に磁石が引っつくようであれば、純金ではない可能性があります。
金は磁石に反応しない、引っつかないという特徴があります。もし、手持ちの純金とされる金製品に磁石が引っついてしまったら、その純金は偽物と考えられます。
その一方で、磁石が反応しないからといって、必ずしも純金だとは言い切れません。金のほかに銀も磁石に反応しない性質の金属であるため、中身が銀で外側を金メッキでコーティングしているケースもあるからです。
磁石での判別は参考程度と考えておき、ほかの方法と組み合わせてチェックしてみましょう。
金の見分け方に関する関連記事もご覧ください。
手の感覚でチェック
純金は温度変化に影響されやすい金属であるため、手で感じる温度も判断基準のひとつとなります。金は熱伝導率が高く、周りの温度によって変化します。
金に触れた瞬間はひんやりとした冷たさを感じるものの、ずっと手に持ち続ければ次第にほんのりと温かみを感じるようになります。
手に感じる温度だけでは正確な純度が分かるとはいえませんが、手の感覚も合わせてチェックしてみましょう。
比重でチェック
金の比重は物質の中でも非常に大きいため、金はほかの金属と比べてもかなり重い金属に分類されます。
純金・純銀・純銅を1辺が1cmのサイコロ状にして重さを比べた場合、金は約19.3gあるのに対し、銀は約半分の10.5g、銅は約9gと軽いです。
比重が分かれば、純度も同様に計算で求められますので、先ほど解説した刻印による計算方法や水を使って体積を測定してから計算する方法でもチェックしてみましょう。
計算が苦手、測定する際の金の扱いが不安な方は、測定器のある買取店でプロに測定してもらってみてください。
まとめ
金の重さを計算する方法について、比重と純度についての具体例も交えながら解説しました。
押さえておきたいポイントをまとめておきます。
- 金の重さを求める簡単な計算式は「体積×19.3(比重値)」
- ただし、金の純度と比重によって重さは変わる
- 比重の計算方法は刻印のあるなしによって分かれる
- 純度で金の価値が左右される
金の重さを知るには、金製品にどの純度の金が使われているか、どれくらい金が使われているかを知ることが大切です。
刻印のあるなしで比重の計算の仕方が変わり、道具を用意する必要があります。ただし、あくまでも個人で量れるのはおおよその値だけなので、一度専門家に相談するのがおすすめです。
金製品によっては装飾品がついていたり、刻印がなく水に浸せないものだったりと、正確な金の重さを量るのは難しいものもあるでしょう。計算自体は簡単なものですが、数字が苦手な方だと面倒に感じるかもしれません。
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