遺品整理で買取できる遺品が出てきたときはどうすれば良い？

遺品整理は、故人を偲びつつ、遺された品々を適切に扱う大切な作業です。しかし、膨大な量の遺品をどう整理し、どう処分するかは、多くの人にとって頭を悩ませる問題です。

その中でも、遺品の買取については、どの業者を選ぶべきか、どのように手続きを進めるかなど、さまざまな疑問が浮かぶことでしょう。

そこで、この記事では、遺品整理で買取できる遺品が出てきたときはどうすれば良いのかという疑問に応えるため、遺品買取がどこでできるかや、どう使い分けるべきかについて説明します。

また、遺品整理で買取されやすい品物についても詳しく紹介しています。

遺品整理にともなう買取でお困りのかたは、ぜひご一読ください。

遺品整理で買取できる遺品が出てきたときはどうすれば良い？

遺品整理で売れそうなものが見つかっても、自分だけで判断して買取や処分などを決めないようにしましょう。後々のトラブルを避けるため、関係者でしっかり話し合って対応を決めるのが大切です。

親族・遺族と話し合う

遺品整理をしていると、売れば値がつきそうな品物が見つかることもあるでしょう。その際には、まず親族や遺族全員で相談することが大切です。

遺品はただの物品ではなく、大事な形見としての意味も持つため、買取に関する決定は自分ひとりで行うのではなく、関係者全員と相談して決めるべきです。

相続人に無断で買取などの処理をすると、あとでトラブルの原因となります。

遺品の買取サービスを利用する

親族・遺族と相談した結果、買取を利用すると決まったら、次に問題になるのが、どこで買取の依頼をすれば良いのかということです。

遺品を売る選択肢には、主に以下のようなものがあります。

• 遺品整理業者
• 不用品回収業者
• リサイクルショップ
• ネットオークション・フリマアプリ
• 遺品整理品を扱う買取業者

これらの中から、一体どれを選ぶのが良いのでしょうか。

そこで、買取額を最優先させたい場合におすすめできるのが、遺品整理品を扱う買取業者です。

詳しくはこのあとで説明しますが、買取業者は「買取」を専門とした業者であり、個々の品物の相場に詳しく、また実績も豊富であるため、最も適正な買取額を提示してくれる期待が持てるのです。

ただし、遺品整理では個人の残した多くのものを整理する必要があるため、必ずしも買取額だけが最優先事項ではなく、手間や負担の削減を優先したいこともあるでしょう。

この次に、遺品買取はどこでできるかについて、それぞれの特徴やメリット・デメリットに言及しながら説明します。

遺品買取はどこでできるか

ここでは、遺品買取のそれぞれの選択肢について詳しく説明します。あなたに合った方法を選べるように参考にしてください。

遺品整理業者

遺品整理業者は、遺品の仕分け、不用品処分、清掃など遺品整理に関するあらゆる作業をまとめて行えます。廃棄物やリサイクル品など遺品整理に関連する法令に精通した「遺品整理士」の有資格者が在籍していれば、さらに信頼ができます。

一部の遺品整理業者は遺品買取にも対応し、買取できるものには値をつけて遺品整理に必要な費用から差し引いてくれ、遺品整理をオールインワンで引き受けられるのが強みです。

しかし、さまざまな作業を依頼するだけ費用が高くなるのは言うまでもありません。

また、ぜひ理解しておきたいのが、遺品整理業者は「買取」のプロではないため、たとえ古物営業許可を取得して買取をすること自体は可能であっても、個々の品物の価値に必ずしも精通しているわけではないという事実です。

そのため、なるべく費用を抑えたい場合には、まず買取業者に査定を依頼し、そこで売れなければ遺品整理業者やその他の方法を検討するといった手順を踏むのがおすすめです。

不用品回収業者

不用品回収業者は、大型家具・家電など幅広い不用品の回収をスピーディーに行ってくれる業者です。対応するエリアの業者に依頼をすれば、すぐに自宅まで不用品の取りに来てくれ、搬出・運搬も全て任せられます。

そこで押さえておきたいのが、遺品整理業者との違いです。

	遺品整理業者	不用品回収業者
処分対象	遺品	不用品
作業内容	遺品の仕分け、不用品処分、掃除、供養など	不用品処分が中心
費用	高め	やや抑えられる

遺品整理業者は、故人が残したものを「遺品」として取り扱うのに対し、不用品回収業者は「不用品」として捉えます。遺品整理業者であれば、処分対象を遺品として丁重に取り扱ってくれますが、不用品回収業者には不用品に過ぎず、たとえ同じものを処分してもらうにしても、この違いは決して小さなものではないかもしれません。

また、遺品整理業者は遺品の仕分けから行いますが、不用品回収業者は仕分け後に不要と判断されたものを処分するのが主な仕事になります。

そして、費用は遺品整理を包括的に行う遺品整理業者のほうが高くなりがちです。

以上のことを踏まえると、遺品の仕分けは自分たちで行い、不要と判断したものは不用品回収業者に依頼し、その後必要に応じて遺品整理業者に依頼するなどの手順をとると、遺品整理にかかる費用を抑えられる可能性があります。

また、不用品回収業者でも遺品整理に対応していることがあるため、詳しくは公式サイトを確認し、直接業者に確認して遺品整理業者との違いやサービスについて確認すると良いでしょう。

リサイクルショップ

リサイクルショップは幅広い品物を取り扱っており、家具や家電、衣類など多くの遺品を一度に持ち込み、処分の手間が減らせるため便利です。また、大手のリサイクルショップなら近所に店舗があることも多く、都合の良いタイミングで遺品を店舗に持ち込めるのも大きなメリットです。

しかし、リサイクルショップは一般的に幅広い商品を扱うため、個々の商品に対する専門的な知識が浅いことがあります。特定の商品の価値を正確に評価するのが難しく、買取額が低くなることが多いのがデメリットです。

そのため、アンティークな価値がありそうなものやブランド物、骨董品などは買取の知識が豊富な買取業者で売るのが良いでしょう。

ネットオークション・フリマアプリ

ネットオークションやフリマアプリで遺品を売るのも、ひとつの方法です。これらの方法は、スマートフォンひとつで手軽に誰でも出品できるのが魅力です。

ただし、注意が必要なのは、買い手がつかず、すぐに出品したものが売れるとは限らないことです。そのため、今すぐに遺品を売って処分したい場合には適していないでしょう。

また、スマートフォンさえあれば出品できるとはいえ、出品には商品の撮影、登録、説明文の記述などの準備があり、一定の手間がかかるため、慣れていない人には負担が大きい可能性があります。

それにネットオークションは競売により落札額が決定されるため、必ずしも売りたい額で売れないことがあることも理解しておく必要があります。

遺品整理品を扱う買取業者

遺品整理では、故人の所有していた金・貴金属や宝石、骨董品、着物などさまざまな品物が出てきます。買取業者は、このような個々の品物の買取相場に明るく、取扱品目の買取実績も豊富であるため、市場の相場に照らしてより適正な買取価格の提示ができます。

買取業者は、遺品整理業者など他の業者と比較しても、最も高い査定額を提示できる可能性が高いため、買取額を重視するなら、まずは利用を検討したい業者であるといえるでしょう。

また、買取業者で出張買取を利用できる場合、自宅まで訪問してくれ、大型家具などでも搬出してくれるため、手間がかかりません。

ただし、値がつかずに買取や出張が不可となることもあります。そのようなときは遺品整理業者でまとめて処分してもらう、不用品回収業者に依頼する、ゴミとして処分するなど、段階的に別の方法をとるようにすれば良いでしょう。

遺品整理で買取に出しやすい品物

遺品整理で出てくる品物の中でも、高値がつきやすいものがあります。

• 金・貴金属
• 宝石
• 骨董品
• ブランド品
• 着物
• 古銭
• 切手
• 仏具
• カメラ
• 玩具

では、これらの買取について知っておきたい内容について説明します。

金・貴金属

金や貴金属は、遺品の中でも高値で売りやすい品物の代表です。特に金の価格は長期間にわたり上昇傾向にあり、近年、史上最高価格の更新を繰り返しています。

将来的には金価格が2倍になるのではともいわれるほどですが、金の価格推移を考えると非現実的なことではありません。

また、金やプラチナはアクセサリーやジュエリーの素材としても使用されています。例えば、リングやネックレス、ブレスレットなどのジュエリーには、しばしば金やプラチナが使用されています。

さらに、金歯なども素材に金が使用されているため、通常通り金として売れることがあります。

宝石

遺品としてダイヤモンドの指輪や、その他の宝石のアクセサリーが受け継がれることもよくあります。ダイヤモンドは国際的な評価基準「4C」があり、これを元に市場価値が決まります。ダイヤモンドを売る際は、4Cが記載された「鑑定書」があると、より高値で売ることが可能です。

ルビー、エメラルド、サファイアなどの宝石も、品質を示す「鑑別書」があれば高値で買い取られやすくなるため、宝石買取の際はこのような鑑定書や鑑別書がないかを確認するようにしましょう。

鑑定書と鑑別書の違いについては関連記事も参考にしてください。また、簡易なダイヤモンドの偽物の見分け方も知っておくと役立つかもしれません。

骨董品

骨董品が遺品に含まれていることもあるでしょう。骨董品は、製作年代や作家によって大きく価値が変わり、適切な価値を評価するための目利きが問われる品物です。

主な骨董品には、壺や花瓶などの置物、陶磁器、漆器、掛軸、日本人形などがあります。このような骨董品を買取に出す際には付属品もセットになっていることが重要です。

骨董品を納める木箱や、作家を証明する資料などがあれば揃えて査定してもらいましょう。

古い骨董品は劣化が見られることもありますが、有名作家が手がけたものであれば、高価買取される可能性は十分にあります。

ブランド品

高級ブランド品の評価は、ブランドの知名度や人気、アイテムの保存状態によって大きく変わります。ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメスといった人気ブランドは中古市場の需要が非常に高く、買取額も上昇しやすいです。

しかし、保存状態が悪いと査定額に大きく響いてしまいます。使用感が見られないか、目立つキズや汚れがついていないかなどをチェックしておきましょう。

また、ブランド純正の箱や保証書などの付属品が揃っていると、偽物との見分けが容易になり、より高い評価となります。

着物

遺品として、たんすから昔の着物が出てくることも多いでしょう。古い着物で、シミがあったりシワがついていたりすると買取ができないこともありますが、高級な素材が使用され、伝統的な技法で作られた着物は高価買取となることも珍しくありません。

• 西陣織
• 京友禅
• 本場大島紬

このような伝統工芸品は希少価値が高く、高値がつきやすいです。また、買取の際は着物の価値を証明できる「証紙」があると有利です。

古銭

遺品として故人が収集していた古銭が大量に見つかることもあります。古銭の価値は、発行年、発行枚数、保存状態などにより決まり、希少価値の高い古銭は高く買い取られる可能性が高いです。

主な古銭には以下のようなものがあります。

• 和同開珎
• 寛永通宝
• 天保通宝
• 大判・小判

これら以外にも、希少価値のある古銭については関連記事で確認してください。

また、古銭は汚れているからといってゴシゴシと磨くと、逆に価値を下げてしまうことがあるため、なるべくそのままの状態にしておきましょう。

切手

日本では1960年代に切手ブームが巻き起こり、記念切手が販売されると郵便局に長蛇の列ができるほどでした。このような時期に切手を買い求めた切手が、遺品整理で出てくることもあるかもしれません。

切手の価値は、その発行年、デザイン、状態、希少性によって決まります。プレミア価値がつく切手として有名なのが、以下のようなものです。

• 見返り美人切手
• 月に雁切手
• 天皇陛下記念切手

中国切手も需要が非常に高く、以下の切手は高価買取の対象となります。

• 赤猿切手
• オオパンダ切手
• 毛沢東切手

切手は小さな紙で作られており、紛失や劣化が起こりやすいため、なるべく早く売ったほうが良いでしょう。

仏具

買取業者や美術店では、仏具の買取も可能です。仏具には金が使用されていることが多いため、その素材自体に価値があります。また、ものによっては骨董品・美術品としての価値がつくこともあるでしょう。

ただし、仏壇の買取はできないことが多いようです。仮に金が多く使用されていたとしても、故人の魂が宿っていると考えられるなど仏壇を再利用することは、通常ありえないからです。

また、金メッキ加工がされたものも値がつきにくいので、覚えておいてください。金の仏具の買取については、関連記事もご覧になってください。

カメラ

カメラの中でも一眼レフは中古市場での需要が高く、高価買取されやすいです。使用感のある中古の一眼レフカメラでも、十分な性能を発揮することができることが多いため、需要が高くなっています。

初心者用からプロ用まで幅広い製品が存在し、その中でもプロ用のカメラは高性能で、高値で取引されています。

スマートフォンなどで手軽に撮れるカメラが主流ですが、デジタルとは異なる独特な画質で撮影できるため、一眼レフカメラのコレクターは増えています。

玩具

昔懐かしいレトロでレアな玩具も、高値で取引されることがあります。現在は絶版になって手に入らないものなど、一部のコアなファンには大きな価値を持つものがあるのです。

例えば、以下のような玩具は高く売れる可能性があります。

• ミニカー
• レゴブロック
• フィギュア
• プラモデル
• 超合金
• 鉄道模型
• ソフビ人形
• 付録のカードやシール

これらの遺品が見つかれば、どうせ子どものおもちゃだから、買い取られないとたかをくくらず、一度査定を試してみると良いでしょう。

遺品買取のメリット

遺品買取には、まず遺族の精神的な負担を減らすのに役立つ効果が期待できます。遺品整理では故人との思い出がよみがえり、辛い思いをすることがありますが、遺品買取を利用すれば、思い出の品を手放すきっかけにできるかもしれません。

また、買取によって臨時の収入を得られるのは分かりやすいメリットです。遺品整理には処分費用や相続税の支払いなどさまざまな費用がかかりますが、買取で得られた資金をこれらの足しにすることができます。

遺品を高く買取してもらうコツ

少しでも買取額を高くするには、以下の点を意識してください。

• 簡単なお手入れをしておく
• 付属品がないか確認する
• まとめて売る

それぞれ詳しく説明します。

簡単なお手入れをしておく

遺品整理で売りたい品物の価値を引き出すには、簡単にお手入れをしておくことが効果的です。ほこりや汚れを取り除き、商品の見た目を良くしておけば、査定時に良い印象を与えられます。

外観が綺麗な品物は普段から適切に保管され、機能的な問題や素材の傷みなども少ないように見えるものです。

ただし、過度に磨いたり、自分で判断して修理したりするのは良くない場合があります。かえって元々の状態を損ねてしまうリスクがあるため、あくまで簡単な手入れをしておけば十分です。

付属品がないか確認する

買取品がどのようなカテゴリのものであれ、付属品の有無は買取額に大きな影響を与えます。特に価値が高いものほど、付属品があることで偽物ではないことを示す証拠になることが多いからです。

そのため、付属品の中でもそのような性質を持ったものは重要です。宝石では鑑定書や鑑別書、ブランド品ではギャランティカードや保証書、着物では証紙などが該当します。

付属品がなくても買取自体は可能ですが、買取価格は下がることが多くなることを知っておきましょう。

まとめて売る

まとめ売りは、特にセットとしての意味を持つものの場合、買取価格に大きく影響します。例えば、切手や記念硬貨などはセットで販売されることがあり、このような品物は、セットであることによってより価値が高くなるのです。

また、買取業者によってはまとめて売りによって、買取額を高くするとしているところもあります。買取業者からすれば一度にたくさんの買取ができたほうが、手間や人件費が減らせるため、その分を買取額に還元できるのです。

そのため、なるべくまとめて売ったほうがお得といえます。

遺品買取の注意点

遺品整理で注意したいこととして、まず挙げられるのが遺品整理のタイミングです。故人が亡くなった後は、葬儀やその他の手続きがあり、忙しいものです。精神的な負荷がかかることもあり、前もって計画しておかなければ、ずるずると遺品整理のタイミングを逃してしまいかねません。

遺品整理はいつから始めるのが良いかについては、関連記事のほうで詳しく説明していますので、必要に応じて参考にしてください。

また、遺品整理で数多くの品物を処理する中でも特に困りがちなのが、大きな家具です。買取業者で売れれば良いですが、値がつかずに売れないこともあります。

そのため、家具の処分方法にはどんな選択肢があるのかも、念のため頭に入れておいたほうが安心です。

遺品整理の家具についても、詳細を説明した関連記事があるので、そちらを参考にしてください。

まとめ：遺品整理の買取はうるココにご相談ください

遺品整理で買取できる品物が見つかった際には、まず遺族や親族全員と相談し、必要に応じて遺品の買取について話し合いましょう。

相談の結果、買取を利用することに決まった場合、どこで買取を依頼するかを考える必要があります。

遺品整理業者や不用品回収業者、リサイクルショップなどの選択肢がありますが、買取額を優先するなら、買取業者に依頼することがおすすめです。その後、状況に応じて他の選択肢も併用できます。

遺品買取なら、うるココにお任せください。遺品の状態や市場価値を的確に評価し、最適な買取をご提案しますので、安心しておご相談いただけます。

大切な遺品を丁寧に扱い、納得のいく価格での買取を実現するうるココのサービスをぜひご利用ください。遺品整理に関するお悩みやご質問がありましたら、お気軽にご相談いただければと思います。