骨董品の保険とは?動産総合保険について知る
生命保険や医療保険と同じように、骨董品にも保険があるのをご存知ですか?
骨董品には1,000万円を超えるような高額なものもあり、もし不注意で傷をつけたり壊してしまったりしたらと思うと不安でたまりません。
そのような骨董品のリスクに備えるための保険があり、本記事では動産総合保険について説明します。
高額な骨董品をお持ちの人や、これから購入を検討している人は参考にしてください。
骨董品の保険とは
骨董品や美術品は高額なものが多く、資産価値に注目して収集する富豪も増えていますが、保管サービスや倉庫を使わずに観賞用として手元に置いておくケースも考えられます。
そのため、不注意や災害で骨董品が倒れるなどしてキズがつき、その価値を大きく下げてしまうリスクがつきまといます。
そのようなリスクに備えられるのが骨董品の保険であり、これに該当するものとして動産総合保険を挙げることができます。
動産保険は、法人が事務用機器・什器、医療機器、商品、現金などに対してその損失を補償するために利用する例が想定されるほか、骨董品などあらゆる動産の補償を目的としています。
動産総合保険の特徴
動産総合保険の基礎知識として、以下の項目について説明します。
- 対象となる動産
- 対象となる事故
- 対象とならない事故
- 保険金は時価額とな
これらについて、ひとつずつ解説します。
また、保険で骨董品の価値を適切に保つことができ、将来的に売却を考えている人は「骨董品を高く売るコツ」も参照してください。
対象となる動産
動産総合保険では、ほとんどの動産が補償対象となります。そのため、骨董品も動産総合保険の対象に含まれます。
ただし、自動車は代替となる自動車保険が存在するため、動産であっても対象外です。その他にも、航空機・船舶などいくつかの例外があります。
また、動産総合保険では損害を受けた物品だけではなく、被害を受けた物品を片付ける費用や被害防止のための費用も保証されます。
対象となる事故
動産総合保険の事故対象となる範囲は広く、以下のようなケースが該当します。
- 火災や爆発
- 落雷
- 水害・雪害
- 水漏れ
- 破損
- 移送中の事故
- 車両の衝突
- 航空機の墜落
- 建物の崩壊
- 盗難
- 従業員による誤操作
ただし、火災保険が対象とする自然災害については、対象とならないことがあります。
対象とならない事故
動産総合保険の対象とはならない事故について、下記のようなケースがあります。
- 故意、または重大な過失によるもの
- 契約者本人や関係者が自ら行った窃盗など
- 性質損(変色、腐食、錆びなど)
- 戦争、暴動
- 差押え
- 詐欺、紛失によるもの
- 地震、噴火、津波
このような保険金支払いの対象外となるものを「免責」といいます。
保険金は時価額となる
動産総合保険の保険金額は、時価総額が基本です。つまり、市場価格となるため、類似の商品が流通していることが条件となります。
そのため、骨董品など希少価値やプレミア価値が高いものについては、保険会社と保険金額の合意が得られない場合、契約を締結できないことがあります。
保険会社と適切な合意を得るには、骨董品や美術品の価値を証明できる鑑定書が有効です。骨董品などの価値は一般の人には容易に理解できないため、プロの鑑定士による証明があれば客観的な価値を示しやすいでしょう。
火災保険は骨董品の保険としてどうか?
骨董品の損害を補償できる保険としては、火災保険もあります。火災保険は家事のほか、契約内容によっては水害や盗難でも保証対象となります。
ここでは、火災保険の補償対象と「明記物件」について説明します。
補償対象となるもの
火災保険の補償対象は、主に建物と家財です。契約内容によってどちらかだけを対象にしたり、両方を対象にしたりすることができます。
家財には、家具・家電、衣類など生活用動産のほか、貴金属や宝石に加え骨董品も含まれます。
これらの家財は、建物内にあるものだけでなく敷地内の倉庫や物置に保管してあるものも対象です。
明記物件の内容
明記物件とは、保険申込み時に見積額を記載しなければ補償の対象とならないものであり、1個あるいは1組の価額が30万円を超える貴金属や宝石、骨董品などが対象です。
明記物件は生活動産と異なり、明確な価値の算出が容易でなく、評価が難しい傾向があるため、他の家財と区別して申告しておく必要があるのです。
しかし、明記物件が損害を受けた場合でも全てが補償されるわけではなく、1回の事故に追記上限100万円などの限度額が定められていることもあります。
まとめ
この記事では、骨董品の保険について説明しました。
骨董品の損害を補償する保険には、身近な存在である火災保険と、動産総合保険に2つがあります。
動産総合保険は、あらゆる動産について、あらゆる条件下における損害を補償するものであり、高額な骨董品の保険に向いています。
骨董品の保管コストがかかるなら売りどきを見計らって手放すのも良策です。
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