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たとう紙とは?メリットや種類、使い方などについて詳しく解説

着物 たとう紙

着物に詳しくない人でも、着物が白い包み紙から取り出されるシーンをテレビなどで目にしたことがあるかもしれません。あれが、たとう紙です。

たとう紙は、着物を長期間にわたって保管する際に使われるもので、貴重な着物を美しい状態に保つために不可欠です。

本記事では、たとう紙のメリットや種類、サイズ、使い方などについて解説します。

目次

たとう紙とは

たとう紙とは、着物を収納する際に使用される包み紙のことです。元々、貴族などの上流階級の間で着物を贈り物として交換する際、贈り物を丁寧に包むために紙で包んでいた習慣に由来しています。

このような文化が広まり、呉服屋でも仕立て上がった着物を客に渡す際に、たとう紙で包むようになりました。こうして、たとう紙の使用は一般的となりました。

「たとう紙」は、地域によって呼称が異なります。「たとうし」「たとうがみ」「たとうかみ」「たたみがみ」といった呼び方や、「畳紙」「帖紙」「多当紙」といった漢字表記のバリエーションがあります。

近畿地方では、「文庫紙」や「キモノ紙」と呼ばれることもあり、京都においては「たとう紙」が着物を着替える際に下に敷く衣裳敷(いしょうじき)を指すこともあるようです。

たとう紙のメリット

たとう紙のメリットは、主に以下の通りです。

  • 着物を除湿してカビの発生を防ぐ
  • 着物にチリ・ホコリがつくのを防ぐ
  • 着物にシワがつきにくくする

これらについて説明します。

着物を除湿してカビの発生を防ぐ

着物や帯などを長期間保管する際にカビが生えるという問題は、しばしば発生します。この問題を解決できるのが、たとう紙です。

たとう紙は木を原料としており、湿気を吸収する性質があります。この吸湿性により、保管中の着物周辺の湿度を効果的にコントロールし、カビの発生を抑えることができるのです。

カビは温度、湿度、栄養源の3つが揃うと発生しますが、たとう紙はこの中で、湿度を下げることができます。ビニールやプラスチック製の包装材と異なり、たとう紙は湿気を閉じ込めるのではなく、吸収して外に放出するため、着物や帯をカビから守ってくれる役割を果たします。

着物にチリ・ホコリがつくのを防ぐ

たとう紙で着物を保管しておけば、空気中に舞っているチリ・ホコリから着物を守ることができます。衣服や布団、カーテン、絨毯から出てくる小さな繊維ボコリは、日常的に発生し、容易に衣類に付着します。

着物や帯をたとう紙に包むことで、これらのチリやホコリが直接衣類に触れるのを防げます。たとう紙は、外部からのホコリや汚れを遮るバリアの役割を果たし、細かい繊維ボコリからも衣類を守ってくれるのです。

このようにして、たとう紙は着物や帯を長期間にわたって清潔で状態良く保つための効果的な対策となります。

着物にシワがつきにくくする

着物を畳んで収納する際、袖などの部分は折れやすく、不適切な折り方や保管方法によってシワが発生しやすくなります。

また、着物を「本畳み」で畳む際には、右袖が外側に来るため、他の部分よりも動きやすく、シワが入りやすい状態になります。さらに、複数の着物を重ねて畳むと、折り目がズレて着物同士の摩擦が生じ、これもシワの原因のひとつとなるでしょう。

そこで、たとう紙で着物を包むことで、着物同士が直接触れ合うことを防ぎ、着物が畳まれている間に生じがちなシワを効果的に防ぐことができます。また、収納時の着物の動きを制限することで、引き出しの中で着物がズレて発生するシワも抑えられます。

たとう紙の種類

たとう紙は、着物の保管に適した、いくつかの紙質の種類があります。

和紙

和紙のたとう紙は、着物の保管用として古くから使用されています。美濃和紙など日本の伝統的な製紙方法で作られた和紙を使用しており、楮や雁皮など天然の原料から作られます。

和紙のたとう紙は、吸湿性や耐久性に優れているため、大切な着物や着用機会が少ない礼服などの長期間の保管に最適です。その高品質さゆえに価格は高めで、1枚で数千円することもあります。

中性紙

中性紙のたとう紙は、中性または弱アルカリ性域で工業的に製造された紙です。和紙と比べるとより安価でありながら、耐久性と通気性を持ち合わせているため、コストパフォーマンスに優れた素材といえます。

ただし、和紙に比べると除湿効果はやや低いため、定期的に風通しを良くするなどの注意が必要です。価格を抑えつつ、たとう紙を使用したい場合に適しています。

クラフト紙

クラフト紙のたとう紙は、パルプ紙とも呼ばれる洋紙で、コストを抑えたたとう紙です。大量に着物を保有しているが、できるだけ保管コストを抑えたいという人に向いているでしょう。

クラフト紙は和紙や中性紙に比べて除湿効果が低いため、使用時には別途除湿剤などを併用するのがおすすめです。

たとう紙のサイズ

たとう紙は、用途に応じたサイズがあります。下表を参照してください。

二つ折り大サイズ87cm男性用の着物や背の高い女性用の着物に適している
二つ折りサイズ83cm一般的なサイズのたとう紙
三つ折りサイズ64cm着物や羽織を三つ折りにして包む際に使用する
三つ折り小サイズ55cm小さい着物や羽織、子ども用の着物を保管するのに適している
四つ折りサイズ45cm帯や着物を四つ折りにして保管する際に使用する

たとう紙の使い方

たとう紙を用いた正しい着物の保管方法は、着物を長持ちさせるために重要です。以下にその方法を詳しく説明します。

着物のホコリを取っておく

着物をたとう紙で保管する前に、着物のお手入れを行うことが大切です。まず、着物用のやわらかいブラシで、着物の表面についたホコリを払い落としましょう。

ホコリが残ったままだと、たとう紙に包んだ後でも虫食いの原因になる可能性があります。

その後、湿気を防ぐために、着物ンをハンガーに吊るして一晩干します。ただし、袷の着物は一晩以上干すと表と裏の生地がズレる可能性があるため、注意してください。また、干す際には、着物を裏返して干すことを忘れないようにしましょう。

たとう紙で着物を包む

着物からホコリや湿気を取り除き、保管する準備が整えば、たとう紙を使います。

  1. 着物をたとう紙の中央に配置する
  2. たとう紙の左右を内側に折って内紐を結ぶ
  3. たとう紙の下側を折り、上側を被せる
  4. たとう紙の紐を結ぶ

このような手順で、着物をたとう紙で包んでおけば、着物は適切に保護され、長期間にわたり美しい状態を保てるでしょう。

たとう紙を使う際の注意点

たとう紙を使う際は、以下の注意点に気をつけてください。

1枚の着物に1枚のたとう紙を使う

着物1枚に対して使用するたとう紙は、1枚です。着物と、長襦袢や帯などをセットで保管したいと考えがちですが、これらを1枚のたとう紙にまとめて収納するのはおすすめできません。

セットで保管した場合、もし長襦袢にカビや虫食いが発生した場合、同じたとう紙内に保管されている着物や帯にも移る可能性があります。

このような事態は、それぞれ個別のたとう紙に包んでおくことで防げます。個別にたとう紙を用意するのはコストがかかるかもしれませんが、着物の状態を長期間保つためには有効です。

薄紙は捨てる

着物を保管する際には、湿気だけでなく虫食いにも注意が必要です。たとう紙は虫食い防止にも役立ちますが、たとう紙内で着物が虫に食われてしまうケースもあります。

これは、たとう紙の内部の薄紙に含まれる糊が原因であることが多く、この糊が虫を引き寄せてしまうことがあります。

そのため、着物をたとう紙で包む際は、内部の薄紙を取り除いておきましょう。薄紙を捨ててからたとう紙を使用することで、虫が誘引されるリスクを減少させることができます。

たとう紙の交換時期

たとう紙は、定期的な交換をすることで本来の機能を発揮できます。大事な着物を長期間にわたって保管するには、たとう紙の状態を最適に保つことも必要となります。

1年に1度が目安

和紙製のたとう紙を使用している場合、理想的には1年に1回の頻度で交換することをおすすめします。1年に1回程度で交換することにより、たとう紙は吸湿性を保ち、着物を最適な状態で保管できます。

交換の頻度が高いほど、湿気やカビのリスクをより効果的に抑えることができるでしょう。したがって、着物の長期的に保管するためには、1年を目安として定期的な交換を心がけることが望ましいです。

シミが出たタイミング

たとう紙の効力は、湿気が多い場所での使用など、環境によっては早く失われることがあります。たとう紙に茶色の変色や斑点状のシミが出た場合、たとう紙の性能が落ちている明確な兆候です。

たとう紙にこのような変化が見られた時は、たとう紙を交換する適切なタイミングと考えましょう。

湿気の多い時期を避ける

たとう紙の交換は湿度が低く、天候が安定している春や秋の晴れた日が適しています。春の終わりや秋の始めは、湿度が比較的低い時期であり、着物を虫干し(カビや害虫から守るために湿気が飛ばすこと)するのに最適です。

たとう紙を新しくすることで、湿気を多く含む梅雨や台風の時期を前に、着物を新鮮で乾燥した状態に保つことができます。また、梅雨や台風の季節が終わった後にたとう紙を交換することで、その期間中に溜まった湿気を取り除き、着物を清潔で乾燥した状態に戻すことができます。

たとう紙の価値

着物 たとう紙

たとう紙は、着物の品質を証明するのに役立つことがあります。有名ブランドの着物は偽物が出回ることがありますが、偽物と見分ける方法のひとつとしてたとう紙が機能するのです。

オリジナルのデザインを施しているたとう紙の例として「志ま亀」を挙げることができます。志ま亀は歴史ある着物ブランドのひとつですが、その有名さゆえに贋作も流通しています。

それを防ぐために、志ま亀は独自のたとう紙を作ったのです。このように、たとう紙が着物の価値を担保してくれる場合があります。

まとめ

着物を保管する際に使う、たとう紙について解説しました。

たとう紙を使って正しく保管された着物は、長きにわたって美しい状態を保ちます。そのように大切に保管された着物であるからこそ、親から子へと世代を超えて受け継ぐことができるのです。

また、適切に保管された着物は、買取時も高値で取引されやすくなります。うるココでは、着物買取を承っております。着用する機会がなくなった着物をお持ちであれば、まずは無料査定をご利用ください。

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