翡翠の主要産地はどこ?世界で産出されるさまざまな種類を紹介
翡翠(ひすい)は、日本で古くから装飾品などとして利用されてきた宝石で、その産地として新潟県の糸魚川(いといがわ)が知られています。
日本固有の地形が翡翠の産出と深い関係があることから、「国石」ともされています。しかし、翡翠の産地は日本以外にもあり、その産地ごとに異なる特徴があるのです。
本記事では、世界にある主要な翡翠の産地を紹介します。
翡翠とは
翡翠は宝石の一種で、特有の透明感と艶やかな色合いを持っています。特にアジア圏で好まれ、5月の誕生石としても知られています。
翡翠の色
翡翠といえば緑色を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、本来の色は無色透明であり、翡翠に含まれるさまざまな鉱物の構成により色味が出てくるのです。
そのため、翡翠にはさまざまな発色をしたものが存在し、赤色、オレンジ色、白色、灰色などがあります。
また、翡翠にはジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)の2種類があります。
日本で翡翠というとジェダイトのみを指し、ネフライトは翡翠とはみなしません。純粋なジェダイトは白色であり、クロム・鉄を含むと緑色に、鉄やマンガンを含むと紫色になります。
一方で、ネフライトとは、翡翠(ジェダイト)に似た緑色や白色の宝石で、厳密には翡翠と同じ鉱物ではありません。ネフライトは、アクチノライト(緑閃石)とトレモライト(透閃石)の結晶が集合したものです。
しかし、中国では軟玉は半輝石の分類で、中国で販売される多くの翡翠は軟玉であるネフライトです。
最高級の翡翠「琅かん」
翡翠の中でも最高級とされるのが、琅かんです。「インペリアルジェード」との呼称もあり、琅かんは以下のような条件に該当するものを指します。
- 艶やかな緑色をしている
- 透明度が高い
- ガラスのような艶がある
琅かんは通常の翡翠に比べて独特のテリがあり、透明感が強く感じられます。また、「とろみ」があると表現されるような艶感があります。
買取市場では、状態の良い琅かんなら数百万円もの価値がつくこともあります。
琅かんについて詳しくは「最高級の翡翠、琅(ろう)かんとは?」の記事をご覧ください。通常の翡翠との見分け方や産出状況などについて解説しています。
翡翠の最大産地はミャンマー
翡翠は、海外ではジェイド(Jade)と呼ばれ、世界中で採掘が行われており、現在宝石市場で流通する翡翠はミャンマー産の翡翠が独占しています。
ミャンマーは翡翠の商業的な採掘が認められており、ミャンマーの中心的な輸出品として経済を支えています。
ミャンマー産の翡翠は、翡翠の品質評価の基準である翡翠輝石の含有率が飛びぬけて高く、透明度や発色も最高級といわれるほどです。
世界中の宝石コレクターの需要もあり、ミャンマーでは18世紀に中国への翡翠の輸出を始めてから、大規模な鉱脈開発を進めてきました。
毎年新しい鉱脈が見つかり、その埋蔵量は底が知れないともいわれています。
最古の翡翠文化を持つ日本
日本では、縄文時代中期の遺跡から翡翠を加工したものが見つかっており、日本の宝石の原点ともされています。2016年には日本鉱物科学会が翡翠を『国石』に選定しています。
そのため、日本の翡翠産地は長らく謎に包まれており、国内の遺跡から出土する翡翠は大陸から持ち込まれたものであると考えられていましたが、新潟県で翡翠の原石が見つかったのをきっかけに、日本で見つかる翡翠は国産のものであると判明したのです。
新潟県・糸魚川の翡翠はとても堅牢で、美しい煌めきを特長とし、新潟県は質、量ともに日本随一の翡翠産地となりました。
注目が集まるグアテマラの翡翠
グアテマラは中央アメリカにある国で、マヤ文明の中心地として栄えました。グアテマラでは2000年以上前から翡翠が生産されており、現在も世界に輸出しています。
グアテマラ南部のモタグア川流域では大規模な翡翠鉱山があり、一大産地となっています。グアテマラの翡翠は、強い緑色と透明感で評価されているジェダイトなど、さまざま種類の翡翠が算出されています。
このようなグアテマラ産の翡翠は、独特な色合いと品質の高さから人気を集めています。
皇帝からも愛された中国の翡翠
中国は世界でも有数の翡翠産出国です。中国における翡翠の歴史は5000年前までさかのぼり、中国の皇帝は翡翠が長寿や繁栄をもたらすものとして珍重していました。
中国ではネフライトを使った工芸品や宝飾品が数多く制作されました。また中国では白玉が最高位の宝玉であるいう価値観があり、このことからも純白の翡翠が珍重されてきたのです。
中国にジェダイトが広まったのは17世紀で、中国商人がビルマ(現ミャンマー)産のジェダイトを持ち込んだことが始まりでした。
ジェダイトは、それまでのネフライト(白玉)と区別するため、コバルトブルーの羽根を持つ小鳥であるカワセミ(漢字で『翡翠』と書く)から名を取って「翡翠玉」と呼ばれるようになりました。
清王朝でもジェダイトは愛好され、西太后が特に好んでいたのは有名な話です。
まとめ
この記事では、翡翠の産地について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
主要な翡翠の産地としてミャンマー、日本、グアテマラ、そして中国について取り上げました。
現在、世界の最大産地はミャンマーですが、世界最古の翡翠文化が生まれたのは日本といわれています。
翡翠の最高級品が琅かんと呼ばれます。独特の艶、透明感で他の翡翠とは一線を画し、高値で取引されます。
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