着物の産地一覧を紹介
日本の伝統工芸品である着物は、全国で生産され、産地ごとに特色が見られます。
本記事では、着物の産地一覧を紹介します。また、その前に着物の種類や、着物・帯の産地についても言及しています。
着物の種類
着物には、さまざまな種類がありますが、まず知っておきたいのが「染め」と「織り」という区分です。着物は、染めと織りに分けられます。
染めは、白い糸を織って白生地を作り、織り上がった後で特定の色に染める着物です。一方で、織りは、糸そのものを染めてから、織り方によって模様を出す着物を指します。
このように後で染めるのか、先に染めるのかの違いがあります。よりフォーマルな着物は、染めであるとされ、格が高いです。
代表的な着物の種類として、以下を挙げることができます。
- 黒紋付(くろもんつき)
- 留袖(とめそで)
- 訪問着(ほうもんぎ)
- 付下げ(つけさげ)
- 色無地(いろむじ)
これらの中で最も格が高いのが黒紋付で、最高の礼服とされています。留袖も格が高く、結婚式などで着用されます。
着物の魅力や種類を知ると、また味わい方が変わるものです。また、買取を利用するとなったときにも役立つでしょう。
着物の産地
着物は、全国で生産されています。中でも有名な産地・着物として、以下を挙げることができます。
- 鹿児島県の奄美大島(大島袖)
- 茨城県・栃木県(結城紬)
- 京都(西陣織)
京都は、京友禅も有名です。石川県金沢の加賀友禅も知られています。この友禅とは、着物の染め方のことです。成人式や結婚式で着用される振袖の代表的な染色様式でもあります。
友禅で有名なのは京都と石川ですが、他にも東京友禅や十日町友禅(新潟)など産地ごとの友禅が存在します。
帯の産地
帯の産地として知られるのが、博多です。特に有名なのが博多織で、これを代表するのが「献上柄」です。江戸時代、筑前福岡藩の初代藩主が博多織の反物や帯を幕府に献上したことから、この名がつきました。
帯の織りには、以下のような種類があります。
- 平地
- 間道
- 佐賀錦
- 風通
- 紗(しゃ)
- 粗紗(あらしゃ)
- 本袋
着物と同じく、帯にもさまざまな種類があることが分かります。
愛知県
- 有松・鳴海絞(ありまつ・なるみしぼり)
- 三河木綿(みかわもめん)
石川県
- 牛首紬(うしくびつむぎ)
- 小松綸子(こまつりんず)
- 加賀友禅(かがゆうぜん)
- 能登上布(のとじょうふ)
茨城県
- 結城紬(ゆうきつむぎ)
- 石下紬(いしげつむぎ)
愛媛県
- 伊予絣(いよがすり)
岡山県
- 作州絣(さくしゅうがすり)
沖縄県
- 琉球紅型(りゅうきゅうびんがた)
- 琉球絣(りゅうきゅうがすり)
- 芭蕉布(ばしょうふ)
- 久米島紬(くめじまつむぎ)
- 八重山上布(やえやまじょうふ)
- 宮古上布(みやこじょうふ)
- 読谷山花織(よみたんざんはなおり)
- 首里織(しゅりおり)
- 与那国花織(よなぐにはなおり)
鹿児島県
- 大島紬(おおしまつむぎ)
- 串木野木綿(くしきのもめん)
京都府
- 丹後縮緬(たんごちりめん)
- 西陣織(にしじんおり)
- 京友禅(きょうゆうぜん)
- 鹿の子絞(かのこしぼり)
岐阜県
- 群上紬(ぐじょうつむぎ)
群馬県
- 桐生お召(きりゅうおめし)
- 伊勢崎絣(いせざきがすり)
- 館林木綿(たてばやしもめん)
- 館林紬(たてばやしつむぎ)
高知県
- 土佐木綿(とさもめん)
- 土佐綿紬(とさめんつむぎ)
佐賀県
- 佐賀錦(さがにしき)
滋賀県
- 近江上布(おうみじょうふ)
- 浜縮緬(はまちりめん)
- 長浜縮緬(ながはまちりめん)
静岡県
- 遠州木綿(えんしゅうもめん)
- 掛川葛布(かけがわくずふ)
- 颯々織(ざざんざおり)
島根県
- 広瀬絣(ひろせがすり)
千葉県
- 館山唐桟(たてやまとうざん)
- 銚子縮(ちょうしちぢみ)
東京都
- 村山大島紬(むらやまおおしまつむぎ)
- 黄八丈(きはちじょう)
徳島県
- 阿波しじら(あわしじら)
栃木県
- 足利銘仙(あしかがめいせん)
- 佐野縮(さのちぢみ)
鳥取県
- 弓ヶ浜絣(ゆみがはまがすり)
- 倉吉絣(くらよしがすり)
長崎県
- 島原木綿(しまばらもめん)
長野県
- 信州紬
奈良県
- 大和絣(やまとがすり)
新潟県
- 小千谷縮(おぢやちぢみ)
- 塩沢紬(しおざわつむぎ)
- 越後上布(えちごじょうふ)
- 本塩沢(ほんしおざわ)
- 塩沢お召(しおざわおめし)
- 五泉平(ごせんひら)
- 十日町紬(とうかまちつむぎ)
- 十日町お召(とおかまちおめし)
- 栃尾紬(とちおつむぎ)
- 片貝木綿(かたがいもめん)
兵庫県
- 丹波木綿(たんばもめん)
- 兵庫 丹波布(たんばふ)
広島県
- 備後絣(びんごがすり)
福井県
- 越前墨流し染(えちぜんすみながし)
- 福井春江縮緬(ふくいはるえちりめん)
- 羽二重(はぶたえ)
福岡県
- 博多織(はかたおり)
- 久留米絣(くるめがすり)
- 小倉織(こくらおり)
三重県
- 松坂木綿(まつさかもめん)
宮崎県
- 薩摩絣(さつまがすり)
まとめ
着物の産地一覧を紹介しました。主要な着物の産地や種類が理解できたのではないでしょうか。
伝統的な手法により職人が丁寧に作り上げた着物は、国内のみならず、海外でも人気が高く、観光地では着物や浴衣を来た外国人旅行者をよく見かけるようになりました。
ところで、成人式や結婚式など特別な日を鮮やかに染め上げてくれた着物も、その役目を終えた後は、タンスの奥で静かに息を潜めているだけというケースもあるのではないでしょうか。
しかし、まだ着用できる状態なら、ふたたび誰かの特別な日を輝かせる役目を担うことができます。
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