エリザベス女王金貨の価値とは?金貨9種類も紹介
エリザベス女王(エリザベス2世)は、25歳から96歳の70年間にわたり、英国の君主を務めた人物です。
その偉業を称えるように、彼女の肖像を取り入れた金貨はこれまで多数発行されています。
そこで、本記事ではエリザベス女王金貨の価値や種類について解説します。
金貨コレクションにおいて外すことができない、エリザベス女王金貨について詳しく見ていきましょう。
エリザベス女王金貨の価値とは
エリザベス女王は、多数の金貨のデザインに採用されています。
このエリザベス女王金貨の価値について、どのように考えるべきか解説します。
エリザベスコインは多数ある
エリザベス女王の長い在位期間中、彼女を讃える多くの記念コインや投資用コインが発行されてきました。
イギリスでは5ポンド金貨をはじめとした多彩な記念コインが発行されており、アンティークコイン収集家の間で注目されています。
彼女の肖像を持つコインの発行はイギリスだけに留まらず、イギリスと関係の深いカナダやオーストラリアでも、エリザベス女王の肖像がコインに描かれています。
その信用力と知名度から投資家の間で広く流通しているカナダのメイプルリーフ金貨にも、その姿を見て取ることができます。
このように、エリザベス女王が描かれたコインはイギリス国内だけでなく、世界各地で多くの種類が発行されていることが分かります。
今後は少なくなる見通し
2022年、エリザベス2世は崩御されました。このことから、今後のコイン発行に影響が出ると予測されています。
多くの場合、新たに即位した国王や女王の肖像がコインに刻印されるため、エリザベス女王が描かれるコインの発行枚数は、今後減少していくと考えられるのです。
ただし、エリザベス女王の人気や影響力を考慮すると、今後も彼女の肖像を採用したコインが発行される可能性も完全には否定できません。
実際、過去にはマリアテレジアの1ターレル銀貨のように、崩御した君主が描かれたコインが長期間発行され続けた例も存在しています。
しかし、新たな君主の肖像に切り替わるのが一般的であり、時間が経過するにつれてエリザベス女王の肖像が新たに発行されるコインは減少していくと予想されます。
エリザベス女王金貨は2つに分類できる
エリザベス女王金貨は、地金型金貨と収集型金貨の2つに分類できます。
地金型金貨とは、主に投資目的で発行される金貨のことです。
地金型金貨は通貨としての機能も持っており、一定の額面がありますが、その額面に比べて金としての価値が高くなっているのが特徴といえます。
例えば、一定の額面で表示されている金貨が実際にはそれよりも高価な金の価格で取引されることがあります。これは、金の相場や金の純度、重さによって価格が決まるためです。
一方で、収集型金貨は、コレクターやコイン愛好家が関心を示すような金貨といえます。
特定の記念日の祝賀や歴史的な背景を持つものが多く、発行枚数が限られていたり、特別なデザインが施されていたりすることが多いです。
その結果、これらの金貨は金としての価値以上に、収集価値が考慮されて高い価格で取引されるようになります。
稀少性や特別な歴史的背景を持つ金貨には、プレミアがつくこともあります。
主要な金貨の種類についても参照してください。
エリザベス女王金貨9種類
エリザベス女王が描かれている金貨のうち、主要なものとして10種類を紹介します。
- ソブリン金貨
- ブリタニア金貨
- メイプルリーフ金貨
- カンガルー金貨
- マン島キャット金貨
- カナダ野生動物金貨
- ダイアナ妃追悼記念5ポンド金貨
- ピーターラビット25ポンド金貨
- エリザベス女王 ウナ・ライオン金貨
- エリザベス女王 即位70周年記念プラチナジュビリー金貨
では、それぞれ見ていきましょう。
① ソブリン金貨
発行元 | イギリス |
発行年 | 1817年 |
品位 | K22 |
種類 | 5ポンド・2ポンド・1ポンド・1/2ポンド |
質量 | 39.9g・15.9g・7.9g・3.9g |
直径 | 36.2mm・29.3mm・22.2mm・19.3mm |
額面(ポンド) | 5・2・1・1/2 |
ソブリン金貨はイギリスの法定貨幣として、1817年から発行されている歴史的な金貨です。
19世紀半ばにはイギリスが国際社会の中心に位置しており、ソブリン金貨は1929年の世界恐慌が起こるまで国際通貨の役割を果たしていました。
長い歴史の中で、大量に発行されたため、多くのソブリン金貨は収集価値が低く、金の地金相場に基づいて取引されるのが主となっています。
しかし、中には特定の年号や歴史的背景を持つ希少なソブリン金貨も存在し、これらは高い価値が認められています。
② ブリタニア金貨
発行元 | イギリス |
発行年 | 1987年 |
品位 | K22 |
種類 | 1oz・1/2oz・1/4oz・1/10oz |
質量 | 33.9g・16.9g・8.4g・3.3g |
直径 | 32.7mm・27mm・22mm・16.5mm |
額面(ポンド) | 100・50・25・10 |
ブリタニア金貨は、イギリスの王立造幣局が1987年から発行している金貨です。
ブリタニア金貨の発行は、1980年代の金への投資熱の中、特に人気のあった南アフリカのクルーガーランド金貨に対抗する形で開始されました。
ブリタニア金貨の表面には、長くイギリスの国母として君臨してきたエリザベス女王の肖像が刻印されています。
裏面にはブリタニア女神という、イギリスを象徴する女神がレリーフされています。
ブリタニア女神は、三つの又の矛と楯で軍事力を、オリーブの枝で平和と豊穣を示すイメージとしてデザインされているのが特徴です。
ブリタニア銀貨についても参照してください。
③ メイプルリーフ金貨
発行元 | カナダ |
発行年 | 1979年 |
品位 | K24 |
種類 | 1oz・1/2oz・1/4oz・1/10oz・1/20oz |
質量 | 31.1g・15.5g・7.7g・3.1g・1.5g |
直径 | 30mm・25mm・10mm・16mm・13.9mm |
額面(カナダドル) | 50・20・10・5・1 |
メイプルリーフ金貨は、カナダ中央政府の公社であり、国際的な評価が高いカナダ王室造幣局によって発行されている法定貨幣です。
カナダは世界をリードする金産出国であり、この金貨にはその国の誇りが込められています。
表面にはエリザベス女王の横顔が描かれ、英国の影響下にあった歴史的背景を感じさせます。
一方、裏面にはカナダの国のシンボルであるメイプルリーフ、つまりサトウカエデの葉が繊細にレリーフされており、それがこの金貨の名前の由来です。
1979年から継続的に発行されているこのメイプルリーフ金貨は、世界初の99.99%以上の金純度を持つ金貨として知られ、貨幣史においても特筆すべき存在です。
④ カンガルー金貨
発行元 | パース造幣局 |
発行年 | 1986年 |
品位 | K24 |
種類 | 1oz・1/2oz・1/4oz・1/10oz |
質量 | 31.1g・15.5g・7.7g・3.1g |
直径 | 32.6mm・25.6mm・20.6mm・16.6mm |
額面(オーストリアドル) | 100・50・25・15 |
カンガルー金貨はオーストラリアのパース造幣局が1986年から毎年発行している地金型金貨です。
表面にはエリザベス女王の横顔が、裏面にはオーストラリアの象徴であるカンガルーが描かれています。
このカンガルーのデザインは年によって変わるため、それぞれの年代ごとに異なる魅力を持っているのが特徴です。
金貨の品位はK24(純度99.99%)を誇り、サイズは1/10ozから1ozまでの4つのサイズが存在します。
パース造幣局自体は1899年の設立以来、長い歴史を持ち、その高い鋳造技術は世界中で高く評価されています。
カンガルー金貨の価値についてもご覧ください。
⑤ マン島キャット金貨
発行元 | イギリス |
発行年 | 1988年~2012年 |
品位 | K24 |
種類 | 1oz・1/2oz・1/4oz・1/10oz |
質量 | 31.1g・15.5g・6.2g・・3.1g |
直径 | 32.7mm・30mm・22mm・18mm |
額面 | – |
マン島キャット金貨は、イギリス王室領に属するマン島自治政府が1988年から2012年までの25年間にわたって発行していた金貨です。
金貨の表面にはエリザベス女王の肖像が刻まれており、裏面には毎年異なる猫のデザインが描かれています。
特に注目すべきは、発行が開始された初年度の1988年と、最後の発行年である2012年には、マン島特有の尻尾のない猫、マンクスキャットがデザインされている点です。
キャット金貨は金だけでなく、プラチナや銀のコインも存在しており、猫の図柄から「キャットコイン」という通称で親しまれています。
マン島キャット金貨は、そのユニークなデザインと高品質から多くのコイン愛好者や収集家に注目されています。
⑥ カナダ野生動物金貨
発行元 | カナダ王室造幣局 |
発行年 | 2011年 |
品位 | K24 |
種類 | 1oz |
質量 | 31.1g |
直径 | 30mm |
額面(カナダドル) | 200 |
カナダ野生動物金貨は、メイプルリーフ金貨と同じく、カナダ王室造幣局から発行されている金貨です。
⑦ ダイアナ妃追悼記念5ポンド金貨
発行元 | イギリス |
発行年 | 1999年 |
品位 | K22 |
種類 | 1oz |
質量(1oz) | 39.94g |
直径 | 38.61mm |
額面(ポンド) | 5 |
ダイアナ妃追悼記念5ポンド金貨は、イギリス王立造幣局(ロイヤルミント)が1999年に特別に発行した記念硬貨です。
表面はエリザベス女王、裏面はダイアナ妃が描かれています。
この金貨は、1997年にフランスのパリで交通事故により突然の死を遂げたダイアナ妃を追悼し、その2年後に発行されました。
ダイアナ妃はイギリスだけでなく、国際的にも人気があり、日本にも3度の訪日歴があります。
彼女の訪日の際には「ダイアナフィーバー」と称されるほどの大きな注目と熱狂を巻き起こし、社会現象ともなったほどです。
そのため、彼女の不慮の死は世界中に大きな衝撃と悲しみをもたらしました。
この追悼硬貨は、彼女への愛と敬意を示すものとして製造されたわずか1年のみの限定発行であり、市場にはほとんど流通していないため、希少価値が高いプレミアコインとして知られています。
⑧ ピーターラビット25ポンド金貨
発行元 | イギリス |
発行年 | 2016 |
品位 | K24 |
種類 | 1oz |
質量 | 7.8g |
直径 | 22mm |
額面(ポンド) | 25 |
2016年は偉大な作家・イラストレーターであるビアトリクス・ポターの生誕150年を記念する年でした。
この年を祝って、イギリス王立造幣局からピーターラビットをデザインした限定記念金貨が発行されました。
表面にはエリザベス女王、裏面にはピーターラビットが描かれています。
この金貨は500枚の限定発行となっていることや、ピーターラビットのファンが世界中にいることなどから、希少価値の高いコインであるといえます。
⑨ エリザベス女王 ウナ・ライオン金貨
発行元 | イギリス |
発行年 | 2019年 |
品位 | K24 |
種類 | 2oz・5oz |
質量 | 62.42g・156.3g |
直径 | 40mm・50mm |
額面(ポンド) | 200・500 |
ウナ・ライオン金貨は、イギリス王立造幣局が2019年に特別に発行した記念硬貨です。
この金貨は、1839年に発行されたヴィクトリア女王の記念硬貨がオリジナルとなっており、この復刻版として誕生しました。
オリジナルと区別するために、エリザベス女王が描かれた新しい金貨は「モダンウナ」とも呼ばれています。
ウナ・ライオン金貨には、2オンスと5オンスの2種類があり、それぞれ225枚、65枚という発行枚数です。希少性がかなり高く、入手困難なコインとなっています。
⑩ エリザベス女王 即位70周年記念プラチナジュビリー金貨
発行元 | イギリス |
発行年 | 2022 |
品位 | K24 |
種類 | 1oz |
質量 | 31.1 g |
直径 | 32mm・45mm |
額面(ポンド) | 5 |
プラチナジュビリー(platinum jubilee)とは、70周年を祝う記念式典のことです。
君主制国家においては、君主の在位70周年を記念する祝典であり、直近では2022年にエリザベス女王の祝賀式典が開催されました。
この記念すべきジュビリーを祝して、エリザベス2世即位70周年記念のプラチナジュビリー金貨が発行されました。
エリザベス女王金貨の買取ならうるココにご相談ください
エリザベス女王が描かれた金貨の種類は、多岐にわたることがお分かりいただけたでしょう。
金貨として有名なメイプルリーフ金貨やカンガルー金貨などにも、エリザベス女王の肖像がしっかりと刻まれています。
エリザベス女王金貨や、その他の珍しい記念金貨、古銭などをお持ちでしたら、一度その価値を確かめてみてはいかがでしょうか。
金価格が高騰を続けていますが、うるココの無料査定をご利用いただければ、専門知識・経験に基づき、金貨の適正な価値を算出いたします。
まとめ売りで、査定額アップの仕組みもございます。
出張査定のご利用ならご自宅にてお待ちいただくだけですので、手間や負担がほとんどかかりません。
ぜひ、これを機会に査定をご利用ください。お待ちしております。