アレキサンドライトの天然・人工(再結晶)の見分け方を解説
光の変化に応じて色を変えるアレキサンドライト。「日中はエメラルド、夜はルビー」とも称され、世界中の宝石愛好家を魅了してやみません。
しかし、人工的に作られたアレキサンドライトが多く存在し、天然石と見分けることが難しい場合もあります。
本記事では、天然と人工のアレキサンドライトを見分けるためのポイントや、アレキサンドライトの特徴について解説します。
アレキサンドライトとは
アレキサンドライトは6月の誕生石としても有名な宝石で、主にロシアやブラジル、スリランカなどで産出されます。光源によって色を変える、不思議な魅力を持つ宝石です。
ロシアでは「宝石の皇帝」と呼称され、希少価値が高い宝石として知られています。
アレキサンドライトはキャッツアイなどと同じくクリソベリルの一種で、光源によりカラーチェンジをするものがアレキサンドライトと呼ばれます。鮮やかで明瞭なカラーチェンジをするものほど、価値が高くなります。
また、アレキサンドライトは高い硬度を持ち、ダイヤモンドやルビー、サファイアに次ぐ硬さを有しているため衝撃に強く、ジュエリーとして人気があります。
アレキサンドライト特徴は「変色性」
先述の通り、光源によって色を変えるのがアレキサンドライト最大の特徴です。例えば、太陽光の下ではエメラルドグリーンに輝く一方で、白熱灯の下では燃えるような赤色に変化し、まるで別の石であるかのように姿を変えます。
このような色の変化は、光源が持つ異なる成分にアレキサンドライトが反応するためで、産地によっても地色やカラーチェンジの仕方が異なります。
神秘的な存在感でジュエリーとしても人気の高いアレキサンドライトは採掘量が極めて少なく、希少価値が高い宝石です。パライバトルマリン・パパラチアサファイアとともに「世界三大希少石」にも数えられ、高品質なアレキサンドライトは市場でも目を見張るほどの高値で取引されています。
アレキサンドライトの天然・人工の見分け方
アレキサンドライトが天然石か人工石かを見分けるには、宝石に含まれるインクルージョン(内包物)に注目する方法があります。インクルージョンとは、形成される際に混入する他の結晶や液体、気泡などです。
天然の宝石は長い時間をかけて形成される過程でさまざまな環境変化にさらされ、撃が加わったり、傷が入ったりします。
しかし、人工のアレキサンドライトにはそのような経緯がないため内包物が少ない、あるいは全くない場合が多く、天然石よりも綺麗な見た目になるように作られています。
このように、インクルージョンの有無に注目するのが天然石と人工石を見分けるポイントになります。
なお、人工のアレキサンドライトには大きく2種類があり、それが「再結晶アレキサンドライト」「シンセティック・アレキサンドライト」です。
再結晶アレキサンドライトとは、天然石と同じ成分や構造、特性を持つものを指し、天然石をの成分を溶かし、再結晶化という工程を通じて作られます。
アレキサンドライトの融点は1870℃と高く、これを溶かして再結晶させるには特別な装置や高度な科学技術が求められます。
このようにして製造された再結晶アレキサンドライトは高品質で、天然のアレキサンドライトに劣らない美しさを持っています。人工というと一般的にはネガティブな印象を持たれがちですが、再結晶アレキサンドライトはその限りではありません。
人工の宝石でもジェムクオリティとされるものがあるほどです。
一方で、人工の中でもシンセティック・アレキサンドライトは、色が変わる特性を持たせてあるものの天然石と同一成分ではなく、異なる素材でできたイミテーション(模造品)です。
こちらは透明度が高く品質の良いものでも、比較的安価に売られています。
アレキサンドライトの価値を決める4つの要素
アレキサンドライトの価値を左右する要素として、カラーチェンジ(色)、クラリティ、サイズ、カットが挙げられます。
これらの条件が満たされ、高品質と認められたアレキサンドライトほど高値で取引されます。
カラーチェンジ
アレキサンドライトの光源による色の変化は、鮮やかで明瞭であるほど価値が高くなります。このカラーチェンジ(変色効果)こそがアレキサンドライトたる所以であり、その魅力を高める要素であるため、はっきりとした変色具合を示すものが高品質であるとされます。
変色具合は産地によっても特徴が異なり、数ある産地の中でも最も高く評価されるのがロシア産のアレキサンドライトです。ロシア産は明瞭なカラーチェンジを示すものが多く採掘される一方で、インクルージョンを含むものも多いため、インクルージョンが少なく、かつ透明度が高いものは高値で取引され、1,000万円以上の値がつけられることもあります。
クラリティ
クラリティとは透明度のことです。アレキサンドライトも他の宝石同様に、クラリティが高いものほど美しく高品質で、価値が高くなります。
クラリティの高さを左右するのがインクルージョンで、よりインクルージョンが少なく、くすみのない透明感のあるアレキサンドライトほど高いグレードが与えられます。
サイズ
アレキサンドライトは、他の宝石と比較しても小ぶりなものが多く、カットすると1カラット未満になるものがほとんどです。
天然石でサイズが大きく、カラーチェンジが良いものは価値が高くなりますが、希少性が高いことから0.3未満など小さなものでも高値で取引される傾向があります。
スリランカ産のアレキサンドライトはロシア産に比べてサイズが大きめですが、変色具合が弱いため価値が低くなってしまうものが多いです。
カット
カットは自然の影響ではなく、職人のカッティング技術によって評価が左右されます。アレキサンドライトのカッティングは、この宝石の多色性が強調される方向に施される技術を要します。
緑色から赤色への色の変化がより大きく見えるようにカッティングするには高度な技術が必要で、職人の腕が問われます。
アレキサンドライトを高く売るポイント
アレキサンドライトを高く売るには、ひと手間かけて以下の項目を満たしましょう。
- 付属品とセットにする
- 簡単にお手入れをする
- 適切に保管する
では、それぞれ説明します。
付属品とセットにする
宝石を購入した際に付属していたものは、査定時にセットにしておくことで高価買取に繋がります。特に重要なのは、宝石の評価が記載された鑑定書です。
鑑定書にはアレキサンドライトの形状やカッティングの種類、透明度、産地などが記されており、宝石の品質を客観的に示すのに役立つため、鑑定書があるとより適切な査定が可能となるのです。
簡単にお手入れをする
アレキサンドライトを査定に出す前に、布で汚れを取るなどの簡単なお手入れをしておきましょう。手垢や皮脂が付着している場合、これを拭き取っておくことで印象が良くなり、プラス査定になることがあります。
お手入れ時には清潔な手袋をつけ、新たな汚れをつかないように注意してください。
適切に保管する
査定直前のお手入れだけでなく、日頃から適切に保管されているのも重要です。アレキサンドライトは硬度が高いため傷がつきにくい性質がありますが、ダイヤモンドなどアレキサンドライトより硬度が高い宝石と一緒に保管すると、接触して傷がつく可能性があります。
このようなことを避けるため、専用のジュエリーケースやジュエリーボックスを使用して個別に保管するのが良いでしょう。
まとめ
本記事ではアレキサンドライトの特徴や天然・人工の見分け方などについて解説しました。
アレキサンドライトは光源の種類によって緑色〜赤色のカラーチェンジを楽しませてくれるミステリアスな魅力が詰まった宝石です。
極めて希少性が高いため、小粒なものでも高価買取されることが多いです。
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