古い無名の着物でも買取できる?高価買取のコツも説明します
「昔の着物があるけど、どうせ古くて売れないだろう」
「譲り受けた古い着物を処分したい」
タンスの奥に昔から着物が眠っているというご家庭は、案外、少なくないのではないでしょうか。どうせ古いから売れない、無名のノーブランドだから価値はないだろうと決めつけているケースもあるかもしれません。
しかし、実際のところ、そうだとは限りません。自分で判断するのではなく、買取業者の査定だけでも利用してみると良いでしょう。
本記事では、古い着物でも買取できる理由や、高価買取できる古い着物、高価買取のコツについて説明します。
着物を売りたい人は、ぜひチェックしてください。
古い着物でも買取できる理由
古い着物でも、十分に買取することは可能です。以下に、その理由について説明します。
バブル時代の高級着物が眠っている
バブル時代は、高級着物がよく売れました。1975年頃、着物市場はピークを迎え、市場規模は1.8兆円にのぼる勢いでした。これは、2021年の市場規模が2,110億円だったことを考えると、いかに旺盛な着物需要があったかが分かるでしょう。
参考:矢野経済研究所「呉服市場に関する調査を実施(2022年)」
当時は、一般家庭の人たちでも100万円や200万円の着物を購入している時代でした。その時代に買われた友禅などの伝統工芸品や有名な作家による高級着物が、国内に多数眠っているのです。
着物市場がピークとなった1975年は、現在から50年ほど前になりますが、着物は丁寧に扱えば何世代にもわたって着られる上等なものです。そのため、着物で40〜50年前というのは、必ずしも古いとはいえません。
また、当時よりクリーニングの技術も進歩し、多少の傷みがある程度では問題なく使用できるため、買取も可能なのです。
外国人や若者の間で着物人気が高まっている
近年、外国人の間で日本の着物が流行しています。観光地では、着物や浴衣を身にまとう外国人観光客をよく見かけるでしょう。着物レンタルショップも、至るところで目にするようになりました。SNSで簡単に写真を共有できるようになったこともあり、伝統的な日本文化を味わえる「KIMONO」を着ることが、外国人の間で大きなブームになっているのです。
また、日本で着物をレンタルして楽しむだけでなく、お土産として購入する人もいます。このような海外の需要を受け、着物を買い取って海外へ輸出している買取業者も増えています。「着物はなぜ外国人から人気が高いのか?」もご覧ください。
そして、日本人の若者の間でもレトロな着物が流行っています。「昭和」という時代が、現代の若者にとってはノスタルジックなものに感じられ、その時代を彷彿とさせる着物を着たいと思うようです。現在は高級着物をわざわざ自分で買わなくても、レンタルして気軽に楽しむことができるようになったのも、若者から着物が支持される理由のひとつでしょう。
高価買取できる古い着物の特徴
古い着物でも高価買取できるのは、次のような条件が揃っているものです。
- 有名な産地・作家の着物
- 証紙がある
- 保存状態が良い
ひとつずつ説明します。
有名な産地・作家の着物
有名な産地・作家のアンティーク着物は、需要が高いため高価買取されやすいです。有名な産地として、奄美大島の大島紬、沖縄県宮古島の宮古上布、新潟県の南魚沼市や小千谷市の越後上布などがあります。このような地域の着物は、それぞれ特有の製法や伝統を持ち、長い年月をかけて培われた織物の品質は高い評価を受けています。
現代の着物に目を向けると、京友禅の京都、加賀友禅の石川県金沢市、東京友禅の東京都が3大友禅として知られ、これらの地域で作られる着物は人気が高いです。京都の西陣織なども、その高級感ある質感と伝統的な技法で知られ、収集家の間では特に価値があるとされています。
着物の作家に関しては、染彩の技法を確立した皆川月華や、京友禅を普及させた田畑喜八など、名高い作家の作品は価値が高いとされています。
証紙がある
証紙とは、着物の産地や織元の名前、伝統工芸品マークなどが記され、その着物が「本物」であることを示す証明書のようなものです。ブランド品にもギャランティーカードがありますが、それと同じような機能を果たします。
証紙は、着物の真正性を証明するために重要で、買取市場においても証紙の有無が買取価格に大きく影響します。証紙があることで、その着物が本物の産地物であること、そして伝統的な技法によって作られた高品質の品であることが証明されるため、査定額が上昇するのです。
保存状態が良い
状態の良さは、着物の価値を大きく左右します。保存状態が良好な着物は、色鮮やかで生地がしっかりとしており、シミや損傷が目立たないものを指します。
特にアンティークの着物は、長い時間を経てもその状態を保っているものが少ないため、状態の良いものは高価買取の対象となります。このような着物は、過去の時代の技術や美術を現代に伝える価値も持ち合わせています。
古い無名の着物を高価買取してもらうコツ
古い着物の高価買取のコツは、以下の通りです。
- 日頃からお手入れする
- 証紙をつけておく
- 古着屋やリサイクルショップで売らない
それぞれ詳しく説明します。
日頃からお手入れする
着物の価値を保つためには、日常的な手入れが欠かせません。シミや汚れ、ほつれなどは着物の価値を著しく低下させるため、このような傷みが生じないように丁寧な取り扱いが求められます。
着用後は必ず着物をよく点検し、汚れがないか、繊維にダメージはないかをチェックすることが大切です。また、着物は湿気を嫌うため、保管には注意を要します。桐たんすなど湿気を防ぐことができる保管場所を選び、通気性に優れたたとう紙に包んで保管することが望ましいです。
さらに、定期的に着物を陰干しすることで、湿気やにおいを取り除き、生地をリフレッシュさせることができます。
着物が汚れた場合には、専門のクリーニングを利用することもひとつの手段ですが、買取前のクリーニングは生地を傷めるリスクがあるため、慎重に判断する必要があります。可能であれば、専門家のアドバイスを求めたり、買取専門店に相談するなどして、最適な対処法を見つけることがおすすめです。
証紙をつけておく
着物を買取に出す前に、証紙が付いているかどうかを確認し、あればそれを着物に付けたままにしましょう。または、切り離した場合でも一緒に提出することが大切です。
証紙があることで、着物の出所や品質が明確になり、査定士にその価値を正確に判断してもらいやすくなります。その結果、買取価格が上がる可能性が高まります。
古着屋やリサイクルショップで売らない
古い着物を高価買取してもらうためには、古着屋やリサイクルショップを避けたほうがよいでしょう。
これらの店舗は、テナント管理費や水道光熱費などの運営費を背負っているため、無店舗型の買取業者に比べて買取価格を低く設定せざるを得ない傾向にあります。
また、多くのリサイクルショップでは、買取った商品の再販経路が限られており、店頭でのみの販売を行っている場合、在庫管理の都合上、買取を控える傾向があります。このような制約により、着物の真の価値を反映した適正な買取価格を付けることが難しくなるのです。
また、総合リサイクルショップの中には、着物を単なる衣類として扱い、その重量で査定額を算出するところもあります。この方法では、着物の素材や製造元、状態などは考慮されず、貴重なアンティークや有名作家による作品でも、その重さだけで価値が判断されてしまいかねません。そのため、本来持つべき価値より大幅に低い価格で買取されてしまうケースが発生してしまうのです。
まとめ
古い着物は買取できるのかについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
昨今では、国内外で着物人気が高まっており、着物や浴衣を楽しむ人が増えています。着物のレンタルショップも増加しており、このことからも着物の需要があることが分かるでしょう。
「古い着物は買取できる?意外と知らない高価買取のコツ」もご覧ください。
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